冒険へようこそ｡｢ポルシェ911｣でナミビアを爆走！ 未知のスリルが日常茶飯事の地を行く

キリン､シマウマの群れを追い抜いて駆ける！ ｢キャンプ911ナミビア｣の道路網､大部分を占めるのはタイヤに負担のかかる砂利道！

最初のゲストが「ポルシェ911ダカール」で砂利道や砂漠の砂の上を出発する前に、現地チームが最終的な詳細とロジスティクスの課題を明確にする。広大なナミビアでは、サプライズは当たり前で、未知のスリルも日常茶飯事だからだ。

夢のような海岸沿いの町スワコプムントのすぐ外には、干潮時の幅が30m、いや40mもあるビーチが広がっている。氷のように冷たい大西洋の波が西から押し寄せてくる。東側には砂漠、砂丘、山々が内陸深くまで連なり、広大で手つかずの暑い大地が広がっている。

しかしその気になれば、この細い砂の帯に沿って北へまっすぐ進み、アンゴラとの国境まで700km以上も行くことができる。あるいは800km南下して南アフリカとの国境を目指すこともできる。果てしない。ワイルドで広大だ。

ナミビアでの「ポルシェ・トラベル・エクスペリエンス」を完璧なものにするためには、この広大な国土に普段の感覚を合わせる必要がある。2024年9月、「ポルシェ・トラベル・エクスペリエンス・キャンプ 911ナミビア」の最初のゲストがオフロード911でこの珍しい国を体験する9か月前、私たちはすでに少人数の下準備チームとともに、最終的なディテールを詰め、本当に重要な問題に取り組んでいた。

【写真17枚】スペアタイヤ必須！ ナミビアの砂利道での｢ポルシェ･トラベル･エクスペリエンス｣ 

ゲストはどのような課題に取り組むのか
ポルシェ・トラベル・エクスペリエンスのシニア・インストラクターであり、長距離モーターレースのレーシングドライバーでもあるスウェンにとって、今日はポルシェ・トラベル・エクスペリエンスのゲストが911ダカールでどのようなチャレンジに挑むことができるかをテストすることがすべてだ。

あと数か月で、最大8台のゲストを乗せた最初の車列がこの地形を横断することになる。ビーチでの理想的なスピンに必要なタイヤの空気圧は？　砂は粗く、今日も素晴らしいトラクションを発揮している。滑らかで、湿っていて、一転して板のように硬い。

さらに数m進むと、流砂のように柔らかくなり、停止するものすべてを飲み込んでしまう。さあ、遊ぼう！　このコースは干潮時にのみ利用できる。そうでなければ、最初の数mで深く沈んでしまう危険性があり、潮が戻る前に牽引フックを使うしか選択肢が残されていない。9か月後の毎日のスケジュールはどうなるのだろう？　いつになったらビーチを車で走れるようになるのだろう？

月の風景の真ん中に設営されたキャンプから、朝食後すぐにここに来るのだろうか？　それとも911ダカールのある内陸のさらに奥にある、この古代の岩だらけの風景のトレイルや息を呑むような絶景を朝から堪能してから来るのだろうか？　いずれにせよ、このビーチでのステージは、ツアー中のアドレナリンと自由に満ちた数多くの瞬間の中でも、特別なものになることは間違いない。

グラベル路はタイヤに大きな負担をかける
テクニシャンのニルスも参加する。ここビーチでの彼の大きな課題は、8台のゲストカーのタイヤ空気圧をできるだけ短時間で必要なだけ下げるために、どのようなロジスティクスが必要かということだ。そして乱暴な走行の後、できるだけ早く空気圧を元に戻し、全員が砂利道を安全に走り続けられるようにすることだ。

責任者は、ビーチへの移動後、すべての車両が道路に戻る正確な地点に移動式コンプレッサーを用意する必要がある。タイヤの問題もある。スペアタイヤが2本以下のオフロード車は、事実上、ここには存在しない。ナミビアの道路網の大部分を占める砂利道は、タイヤに大きな負担をかける。そのため、すべての911ダカールのルーフラックにスペアタイヤを追加するという決断は早かった。

北へ向かう砂利道に差し掛かったとき、ひとつのことがはっきりとわかった。キャンプ911ナミビアは典型的なポルシェ・トラベル・エクスペリエンスではあるが、このセグメントではこれまでにないものである。ナミビアの他のほとんどの旅では、ポルシェ・トラベル・エクスペリエンス・ナミビアのように快適なSUVが使用される。

ここでは、カイエンモデルでソサスブレイの赤い砂丘を掘り進む。あるいは、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、ザンビアの4カ国が国境を接するカプリビ地方や世界的に有名なビクトリアの滝への長旅には、専用機を利用することもある。

「砂利道には数kmに及ぶ砂塵が舞っており､ナミビアでは車列走行は不可能だ」
911ダカールを使用した初のポルシェ・トラベル・エクスペリエンスとなるキャンプ911ナミビアでは、ドライビングに焦点を当て、ルートの大部分は砂利道と緩い地形を走行する。骨まで乾燥したナミビアでは、これは主に砂埃を意味する。たくさんの埃だ。技術者にとっては、エンジンのエアフィルターを定期的にチェックする必要がある。

キャンプ911ナミビアでは、ほかのポルシェ・トラベル・エクスペリエンスのように車列を組んでの走行はできない。チームは、個々の車両間の距離を大幅に広げることを決定しました。その代わり、無線によるルート案内をより正確に行うことで、先行車両が巻き上げる砂塵の中を走行する必要がなくなり、全員が安全にルートを確認できるようになりました。この必要な変更は、1日のステージの当初のスケジュールをも覆した。

そして突然、誰もがアフリカにいることに気づく。この大陸の魅力は、驚きが日常の一部であるという事実にもある。言い換えれば、このような旅の特徴のひとつは、状況に応じて良い計画を自発的に適応させる能力でもある。そして、そのために思いがけず待っているかもしれない経験を受け入れることだ。

自分の経験と直感を信じる
これはメラニーにとって珍しいことではない。彼女はポルシェ・トラベル・エクスペリエンスのツアーガイドとして10年以上も世界中を旅している。パスポートには90か国以上のスタンプが押され、ナミビアを知り尽くしている。彼女は次のガソリンスタンドまで200kmあることをよく知っている。

この国の人々はお互いに助け合い、故障している車のそばを通り過ぎるときでも、無事を確認せずに車を走らせる人はいない。そして、公道を離れても、地図やGPSがルートを示せなくなったら――その場合は、自分の経験と直感を信じ、目の前の地形を1mずつ読み解くしかない。

現地ガイドのマシューはオワンボ族の出身だ。彼はこの地で育ち、涸れ谷の岩だらけの通路を何十回と渡ってきた。彼は、私たちにとっては道の終わりとしか思えないような場所でも、道を見つけることができる。その経験を生かし、彼は常に岩の渓谷に新しい道を見つけ、時には野生動物の足跡をたどって最良のルートを探すことさえある。

彼のオフロード車の大きな最低地上高、ディファレンシャルロック、V8エンジンの容赦ないトルクのおかげで、彼は時にはそのまま走り抜けることもできる。911ダカールでは、より先見の明と障害物に対するより思慮深いアプローチが要求されるだろう。

911ダカールがこのような環境で巧みに動かされたとき、どのような能力を発揮するかは驚くべきことだ。キャンプ911ナミビアでドライバーに集中的なブリーフィングが行われるのもこのためで、彼らは自分のスキルと車のポテンシャルをフルに活用し、自信を持ってこのような状況をマスターすることができる。

ナミビアの第一印象は不毛の地であるにもかかわらず、その風景は壮大な驚きに満ちている。あるいは、地元の専門家に説明してもらえばいい。ポルシェ・トラベル・エクスペリエンスのゲストが、月面のような風景、埃っぽい道、難易度の高い砂の道だけでなく、たくさんの驚きを楽しめるようにするのが、探検チームのメンバーであるプルレウ・ジャック、通称「PJ」だ。

彼の知識はとどまるところを知らない。あるとき彼は、この地で起こりやすい日焼けに効くという植物の樹液を見せ、私たちを驚かせた。彼は、緊急時に水なしで砂漠で何日も生き延びる方法を説明してくれた。

彼はサソリの針を上手に取り除いて前腕に乗せた。そして小さなヤモリを贅沢なイヤリングに変身させた。エトーシャ国立公園で子連れの2頭のライオンが木陰でシマウマの獲物を食べているのを最初に発見したのも、もちろん彼だった。

埃っぽい砂利道をナビゲートし、困難なドライブルートに立ち向かった数日後、エトーシャ国立公園の果てしなく広がる大地を、私たちの小さな車列にも動じることなく移動する野生動物たちこそが、この旅の最後のハイライトとなった。

キリン、シマウマの群れ、スプリングボクスが911ダカールのフロントガラスの目の前を横切ったり、灰色の砂漠ゾウが私たちの注意を引いたり、サイがロッジの前の水飲み場で喧嘩を始めたりすると、911ダカールを自然の生息地で体験するのにこれほどふさわしい場所は世界にはないとはっきりわかる。ナミビアの冒険へようこそ。