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マイナーチェンジ トヨタC-HR 2.0Lハイブリッド版に試乗 人気者の好循環

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マイナーチェンジ トヨタC-HR 2.0Lハイブリッド版に試乗 人気者の好循環

欧州全域で40万台を売る人気者

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】トヨタC-HRとVW Tロック 全54枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


C-HRという名称が、クーペ・ハイライダーの略だということを思い返させてくれる、不思議な楽しさがある。日本の自動車メーカーならではの、特異な名前ではあるけれど。

ヨーロッパで開発が進められ、英国仕様はトルコで生産が行われるトヨタC-HRは、2016年以降なかなか具合が良い。日本でも販売は好調だが、欧州でも生産台数は述べ40万台を突破。そのうち5万台が英国へと輸入されている。

ハイブリッドを含めることには若干の抵抗もあるが、代替燃料自動車の英国全体でのシェアのうち約40%をトヨタ車が占めるという数字にも貢献している。そんな、ちょっと変わった人気者のC-HRが、2020年モデルとしてマイナーチェンジを受けた。

内容としてはボディデザインも含め、一般的な内容。フロントグリルがわずかに大きくなり、フォグライトの位置が少し変更を受けている。好みはあると思うが、筆者はとてもハンサムなクルマだと思う。

重要なのがエンジンのラインナップ変更。従来までの1.2Lターボガソリンは、新しいカローラやRAV4などに搭載される、2.0Lハイブリッドに置き換わるかたちで消滅。1.8Lのハイブリッドは継続され、すべてのC-HRがハイブリッドモデルとなった。

英国顧客の要求に応えた2.0Lハイブリッド

小型モーターと2.0L 4気筒エンジンとの組み合わせにより、システム総合での最高出力は183ps。より高い馬力を獲得したのに合わせて、ショックアブソーバーやサスペンションにも変更を受け、操縦性の向上も狙っている。騒音や振動面でも改善を受けている。

トヨタによれば、ハイパワー版の2.0Lハイブリッドは、英国ではC-HRの販売台数の25%を占めると予想している。顧客から寄せられた、もう少し速い仕様のC-HRが欲しい、という希望を満たせるはず。

1.8Lハイブリッドは、ちょっと非力な印象は否めなかったから、顧客の要望はうなずける。得られたエクストラパワーは、盛大な量とはいえないが、筆者としても大歓迎だ。鋭さを感じるほどではないにしろ、0-100km/h加速8.2秒を疑うことはない充分な加速力を披露する。

トヨタ製ハイブリッドらしく、組み合わされるトランスミッションのはCVT。しっかりした加速を得ようとすると、不要にエンジンの回転数が上昇する傾向があることは避けられない。だが知覚されるノイズや振動などにも、改善を受けている。これまでの4気筒エンジンとは異なり穏やかだ。

むしろ、アクセルペダルを深く踏み込むような場面はかなり稀。高速道路なども含めて、実世界の状況とはかけ離れた走りが必要となる場合くらいだろう。

適度な一体感を生む優れた操縦性

穏やかな操作を促すC-HRは、スムーズに洗練された仕草で進む。トヨタのハイブリッドの多くで味わえる走りだから、新しい驚きではないけれど。

操縦性も引き上げられている。ステアリングは軽く、適度に機敏で正確。ドライバーにとっても好ましいレスポンスを備えつつ過度な緊張感も産まない、良好なバランスにまとめられている。

クルマは素早く進行方向を変え、グリップ力は高く、ボディロールも大き過ぎない。興奮するほどではないが、軽めのドライバーとの一体感は、好印象な程度に得られる。

乗り心地にも柔軟性があり、強い振動が伝わってくるのは酷い路面に限られる。高速道路の速度域ではサイドミラー周辺から風切り音が目立ってくるが、車内の包まれ感は高い。スイッチ類などのレイアウトも機能性とスタイリングとがうまくバランスし、良く仕上げられていると思う。

左右非対称のダッシュボードは、ドライバー優先のデザイン。運転席からの操作性は良く、必要な操作系はすべて手の届く範囲にまとめられている。素材の質感も、視覚的にも触覚的にも、かなり良くなった印象だ。

インフォテインメント・システムは、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに標準対応。トヨタ純正のソフトウェアのできが良いとはいえないから、喜ばしい変更点だ。

多くのドライバーが納得できるまとまり

残念な部分もなくなはい。リアシートは、膝周りの空間には余裕があるものの、大きくスロープしたルーフラインによって頭周りの空間は限定的。身重のある大人は、特に暗い気分でなくても前かがみになって座ることになるだろう。

荷室容量も358Lで、クラス水準で見ると狭い。コンパクトカーのセアト・イビザでも355Lはある。

価格も気になるところ。試乗車はトップ・トリムグレードで、しかも特別仕様車だったこともあり、高めの値段は仕方ない。とはいえ3万2595ポンド(456万円)はかなりの金額だ。エントリーグレードの2.0Lハイブリッドでも、2万9645ポンド(415万円)もする。

それでも特に都市部では、バッテリーの力で比較的長い距離を走行することも許してくれる。魅力的なWLTP値での燃費に迫る経済性で運転することも難しくないから、ガソリン代は浮くはず。C-HRの2.0Lハイブリッドに不満を抱くドライバーは、殆どいないのではないだろうか。

トヨタC-HR 2.0 VVT-i ハイブリッド・ダイナミックフォース・オレンジ・エディションのスペック

価格:3万2595ポンド(456万円)
全長:4360mm
全幅:1795mm
全高:1550mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.2秒
燃費:18.5-18.8km/L
CO2排出量:118-120g/km
乾燥重量:1485kg
パワートレイン:直列4気筒1987cc+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps/6000rpm(システム総合)
最大トルク:19.3kg-m/4400-5200rpm(ガソリンエンジン)
ギアボックス:CVT

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