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ワタナベ ロンシャン 1円玉……オジサン世代の誰もがハマったアルミホイールは今でも買えるか?

掲載 更新 4
ワタナベ ロンシャン 1円玉……オジサン世代の誰もがハマったアルミホイールは今でも買えるか?

 1970~80年代に活躍したクルマたちを中心にした、いわゆる「旧車ブーム」が続いているが、旧車の中古車を見ていると当時もののアフターパーツが装着していることが多い。

 特にホイールについては懐かしさたっぷりに復刻され、設計の見直しを受けつつ、現代のクルマにも装着可能としてよみがえる例もあるようだ。

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 ここでは、50歳以上のオジサン(と旧車ファンの若者)の心を震わす、いずれも当時のモータースポーツの活況ぶりを思い起こされる、有名ブランドのホイールを紹介していこう。

文/岩尾信哉
写真/RSワタナベ、ハヤシレーシング、タナベ、コーリン、ホシノインパル、ベストカーweb編集部

■レーシングサービスワタナベ「エイトスポーク」

 創業が昭和42(1967)年という歴史をもつ、株式会社レーシングサービス(RS)ワタナベの「エイトスポーク」は1968年に誕生した。旧車ファンならば誰もが知ると言い切れる長きに亘る「定番ホイール」である。

 現在も同製品の生産販売を手がけるRSワタナベは、シングルシーター(フォーミュラ)のコンストラクターだった。同社がアフターパーツ(という呼び名があったかどうかは定かではないが)として、軽合金(アロイ)製のアルミ&マグネシウムホイールとして量産車向けに開発、現在も生産・販売を手がけている製品だ。

 オジサンたちはハコスカ(C10)やZ(S30)の足元を飾っていた印象が強いとはいえ、トヨタ車でもしばしば見かけたものだ。

 時を経た現在でもなお、D1グランプリではAE86(トヨタカローラレビン&スプリンタートレノ)がエイトスポークを履いて活躍する姿が見られる。

 旧車であればおよそマッチする汎用性の高いデザインが、旧車ホイールといえばワタナベといえるほどの存在にしており、クラシックな風情の中にタフさが演出されている巧みさが素晴らしい。

 現在の「エイトスポーク」はアルミホイールでは基本的に4タイプ、10~18インチをカバー。価格は10インチの2万8000円からトップモデルといえるタイプR(18インチ)の10万5000円(いずれも税別)となっており、有名旧車ホイールの中でも若干割高となるのも致し方ないかと納得してしまう。

写真はエイトスポークRタイプで、13~17インチをカバー。まだまだ進化し続けてる永遠のロングセラーワタナベ・エイトスポーク

■ハヤシレーシング「ハヤシストリートホイール」

 RSワタナベなどと同様に、1970年代にジュニアフォーミュラのFJ360やFL500、FJ1300、FJ1600のシャシーなどを製造していたレーシングコンストラクターのハヤシレーシングが生みだした製品が「ハヤシストリート」だ。

 同社によれば8本スポークのレーシングホイールが原形は1969年末まで遡るとされ、前述の「エイトスポーク」の力強いデザインとは好対照といえる、細身のスポークによるスッキリと仕立てられたデザインが特徴といえる。

 現在も生産販売を手がける有限会社ハヤシレーシングが手がける「ハヤシストリート」シリーズは、ほぼすべての日本車のカテゴリーに対応可能。クラシックミニの10インチから18インチサイズまで取りそろえ、価格(1本)は5万円前後から10万弱までとなっている。

 定番のワタナベなどとは少し印象を変えたいと考えたときに頭に浮かぶ製品といえる。価格は軽自動車用の12インチのタイプSFの2万4200円(税込)から15インチのタイプCRの 9万9500円(同)となっている。

かつては日産のスポーツモデル、現在でも幅広いモデルに装着されているイメージが強い「ハヤシストリート」

■SSR「スピードスター」

 スピードスターは、現在、株式会社タナベ(2005年に倒産したスピードスターを買収)が扱うホイールであり、現在ではSSRというホイールブランドの中にスピードスターの名を冠した製品がラインナップされている。

 タナベといえば、サスペンションやマフラーといったスポーツ走行志向のアフターパーツのメーカーのイメージがあるが、スピードスターレーシングがその名の由来であるSSRブランドは、国内初の3ピース・アルミホイールを生みだした企業として人気を博していたことでも知られる。

 ホイールのカテゴリーとしては、前述の2ブランドと同様「スポーツホイール」といったカテゴリーに当てはまるが、現在のSSRブランドでは「スピードスター」シリーズとして、「Mk-I」(ディッシュ)「Mk-II」(4スポーク)「Mk-III 」(8スポーク)などといったクラシカルな製品をラインナップしている。特にMK-Iはまるで1円玉のような形なので、1円玉ホイールと言われ、親しまれていた。実に懐かしい。

 いっぽうで、絶版品となってしまったSSR製品のなかに「ロンシャン」(LONGCHAMP)XR-4」がある。深いリム形状が特徴の6本スポークホイールは、シンプルなデザインで好評を得ていた製品だ。どちらかといえば、日産のセダン系(セドリック&グロリアなど)が履いていたイメージがあった。

 現在では旧車を中心としたアフターパーツ類を扱うコーリンプロジェクトが、ロンシャンXR-4の復刻品の販売を取り扱っている。デザインは数パターン用意されているが、詳細に関しては同社に問い合わせられたい。

スピードスターブランドはSSRを2005年に買収して傘下に収めた、スポーツ系アフターパーツを扱うタナベのホイールブランドとなった。写真はSSRのラインナップである「スピードスター」シリーズ。順に1円玉ホイールこと「Mk-I」(ディッシュ、写真)「Mk-II」(4スポーク)「Mk-III」(8スポーク)

絶版品となっていたスピードスター製品の「ロンシャン」(LONGCHAMP)XR-4」は、現在は旧車を中心としたアフターパーツ類を扱うコーリンプロジェクトが復刻品を取り扱っている

■ホシノインパル「シルエット」

「日本一速い男」星野一義氏が設立したホシノインパル。初の製品化に漕ぎ着けたアルミホイール「D-01シルエット」をスーパーシルエット参戦中のS110シルビアに採用したところ、人気が爆発

 正確には旧車用ホイールとはいえないが、かつてはスポーツホイールとして個性が際立っていた製品として、おなじみ日産車のドレスアップ・ブランドとして名高い「ホシノインパル」が手がけていた「シルエット」を紹介しよう。

 1980年に設立された「ホシノインパル」が仕立てた3ピースディッシュタイプホイールであるインパルD-01が、後のシルエットG5の呼称で発売されたことが、現在の「シルエット」の起源となる。その名の由来を振り返れば、「シルエット」とは当時のグループ5カー・カテゴリーが「シルエットフォーミュラ」の呼び名が与えられたことに由来する。

 かつて“日本一早い男” の異名をとった星野一義氏が駆るS110型シルビアターボに装着されたレース用ホイールを元に、ディッシュ形状に十字(クロス)のリムが刻まれたかのようなデザインが印象的だった。

 ちなみに、現在新品で入手できるのは、日産のNV350キャラバン用に強度などを専用設計として「シルエット」として販売されている(6J×15インチ仕様)。価格は2万7500円(税込)となっている。日産のインパル製品を扱うディーラーに問い合わせれば入手可能だ。

現在は日産NV350キャラバン用のみが復刻されているインパルの「シルエット」。として販売されており、6J×15インチ仕様としてカラーはポリッシュ仕上げのみとなっており、価格は2万7500円(税込)


※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

 現在のアフターマケットでは、クラシック調あるいは復刻調を基本として、ディッシュ、メッシュなどといったデザインを施されたホイールが、大手ホイールメーカーでも数多くラインナップされている。

 ここで取りあげたホイールは、いずれも日本のモータースポーツの現場で生まれたことから知名度を上げ、今も継続あるいは復刻された経緯をもつ。

 単なるノスタルジーではなく、性能やデザインを含めて評価され続けた製品たちであることが、長くファンを獲得し続けている理由といえるだろう。

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みんなのコメント

4件
  • ムリに骨董品買わなくても、有名なデザインなら今でも新品で生産されとるよ。

    不人気でマニアックなのは当時ものしか無いけどね。
  • ワタナベ、ロンシャン、一円玉、全て履きました。マークツー、SSRも。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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