レッドブルリンクで行われた2023年FIA F2第8戦シュピールベルクのスプリントレース(決勝レース1)を終え、正式結果で11位となったレッドブル&ホンダ育成の岩佐歩夢(ダムス)は「タイヤ選択がとても難しい状況で、結果的にそれがレースを大きく左右することになりました」と、波乱のレースを振り返った。
第8戦シュピールベルクの決勝レース1直前、レッドブルリンク上空を漂う分厚く、黒い雲から小雨が降り始めた。
【ポイントランキング】FIA F2第8戦シュピールベルク 決勝レース1終了時点
雨は強くなるのか、それとも天候は改善するのか、各チーム、ドライバーは頭を悩ませた結果、スリックスタート勢とウエットスタート勢がほぼ半々に分かれることに。
そんな中、ダムス勢は3番手スタートのアーサー・ルクレール(フェラーリ育成)と、16番手スタートの岩佐がともにウエットタイヤを装着しスタートを迎えることとなった。
「ピットからグリッドに向かう時はスリックでしたが、すぐに雨が降り始め、グリッド上では雨が降っていましたので、スリックでは危ない状況だと判断しました」
「今回チームはドライバーの意見を尊重してくれた上での選択でしたので、自分としてはレーダーや状況をミックスして、もっと深く考えるべきだったという反省はあります」と、岩佐はタイヤ選択時の状況を説明した。
「レースが始まると雨は上がり、早めにドライコンディションになり、ウエットタイヤでは厳しい状況に変わりました。また、タイヤ交換のタイミングも反省点だったと思います」
ウエットタイヤでは戦えないと判断したウエット勢のうち、プレマ・レーシングの2台やテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)らは、セーフティカー(SC)導入中の3周目にピットへ滑り込み、ソフトタイヤに交換していた。
5周目にリスタートを迎えると、リチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)のクラッシュで2度目のSC導入となり、ダムスは、このSC中の6周目に、トップだったルクレール、5番手だった岩佐にピットインを指示。
これでルクレール、岩佐の順でダブルピットインとなったが、ルクレールのタイヤ交換時にかなりのタイムロスがあり、その影響を岩佐もダイレクトに受けるかたちとなった。
8周目にレースはふたたび再開を迎えたが、その時点でルクレールは18番手、岩佐は20番手に後退。ただ、予選ではトラックリミット違反によりタイム抹消となるも、6番手タイムをマークしていただけに、チームメイトのルクレールを含むライバル勢を次々とかわすと、さらに他車がタイムペナルティを受けた影響もあり、11位でレースを終えた。
「ただポジションはともかく、レースでのパフォーマンスはポジティブな面もあり、ペースもよかったので、フィーチャーレース(決勝レース2)に向けて戦略や改善点を詰めて、少しでもポジションを上げることができるように臨みたいと思います」と、岩佐は決勝レース2へ向けた思いを口にした。
2023年FIA F2第8戦シュピールベルクの決勝レース2は、7月2日の現地時間9時55分(日本時間16時55分)から、タイヤ交換義務を有する周回数40周で争われる。
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