NSXルックの4輪独立モーター駆動のEVで参戦!
北米のロッキー山脈で行われるヒルクライムモータースポーツ「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」。日本ではまだ馴染みが薄いかもしれないが、アメリカでは世界三大レースのひとつ「インディ500」に次ぐ歴史をもつ。100周年の記念大会となる2016年は、6月21~24日に予選、6月26日に決勝が行われるというスケジュール。
奴田原文雄選手がパイクスピーク2016にトヨタ86 14R-60で参戦へ!
ホンダはこのイベントに、2台の「NSX」、そして「4-Motor EV Concept」で参戦する。 今回、北海道にあるホンダのテストコース「鷹栖プルービンググラウンド」にて行ったテスト写真が公開された。NSXの見た目をしたこのクルマこそ「4-Motor EV Concept」である。4つのモーターが4輪を独立して駆動するシステムをもつため、当然4輪のトルク配分は自在。駆動を掛ける側のプラストルクだけでなく、内側輪だけを減速させるマイナストルクをかけることもできるため、コーナーでの旋回性は非常に高い。ホンダによれば、従来のSH-AWDを超えるオンザレール感覚で走ることができるという。
パイクスピークは標高2862m地点からスタートし、そこからさらに標高差1439mのゴールまで駆け上がる。コース総延長は19.99km、156ものコーナーを走りタイムを競うという非常に過酷な競技だ。ホンダはここを「理想の操縦安定性」と「FUN(面白さ)の追求」という研究開発テーマの確認の場として捉えている。過酷な走行を通じてデータの収集を行い、技術の到達度をチェック、そして若手技術者のチャレンジの場でもあるという。 このマシンを操るのは山野哲也選手。スーパーGTを3連覇し、16回も全日本ジムカーナ選手権でチャンピオンになったドライバーだ。昨年、CR-Zの形をした開発車両「#901 Honda Electric SH-AWD with Precision All-Wheel Steer」でパイクスピークに初参戦。エキシビジョンクラスに出場し、10分23秒829のタイムで総合14位であった。ちなみにこの車両の発展形が今回の「4-Motor EV Concept」と言える。前回はあくまでもエキシビジョン。今回の「4-Motor EV Concept」は本気モードのエレクトリックモデファイクラスで参戦する。
「4-Motor EV Concept」は、すでにパイクスピークで行なわれた事前の公式練習に参加。
山野選手は「パイクスピークは本当に難しいですね。クルマは(去年のマシンと比べて)圧倒的に速くなっています。でも速くなったそのクルマをパイクスピークに合わせ込む時間がもっともっとほしい。なぜなら、路面材質、路面温度、気温、気圧、風、砂塵、雪、雹、川など、パイクスの環境はパイクスにしかないからです。 クルマも速くなればなるほど、セットアップが難しくなります サスペンション、タイヤ、エアロ、ブレーキ、駆動配分など、ドライバーの操作とクルマの動きとのタイムラグや変位などを高い精度で一体化させる必要があります。 現在のところ、満足のいくレベルには達していません。このクルマには、もっともっと高いポテンシャルがありますから。それらを引き出すべく、本田技術研究所の選りすぐりのスタッフたちとともに毎日必死になって改善策を講じています。これもまた、パイクスの魅力であり、楽しみのひとつです いいクルマを仕上げられるよう頑張ります。ぜひ応援をよろしくお願いします!」とコメントしてくれた。
決勝レースでは、果たしてどのような走りを見せるのか? 本番を楽しみにしてほしい。
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