新型スバルBRZ、路線変更した?
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
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ついに世界初公開となった新型スバルBRZ。プラットフォームこそ従来型のキャリーオーバーとなるが、フロント横曲げ剛性約60%、ねじり剛性を約50%アップさせ、スポーツカーとしてポテンシャルアップを図っている。
また、エクステリアもキャビンには若干先代の面影を残すものの、前後マスクは一新され新世代のスポーツクーペといった雰囲気で好感が持てるデザインとなっていた。
すでにほぼ絶滅してしまったといっても過言ではない国産FRスポーツクーペだけに、新型が登場しただけでも感謝したいところだ。
とはいえ、新型が出るとなったら気になる部分も出てきてしまうのがマニアなユーザーの悪いクセである。
新型BRZで一番気になったのが、水平対向4気筒エンジンが2Lから2.4Lへ拡大されたこと。
発表された北米仕様のエンジンスペックは228hp/184lb-ft(およそ170kW/249N・m)と、従来型の152kW/212N・mよりも出力が向上していることが見て取れる。
しかし従来のBRZは、パワーはないものの1.2tほどの軽量ボディと、重心の低い水平対向エンジンの組み合わせで軽快な走りを見せてくれるハンドリングマシンというキャラクターであったはず。
そこに従来よりも400ccも排気量の大きなエンジンを搭載するというのは、当初の理念に反するものではないのだろうか?
タイヤもハイグリップに 標準装備
さらに「リミテッド」と呼ばれる、恐らく上級グレードであろうものには18インチサイズのミシュラン・パイロットスポーツ4がおごられる。
従来のBRZの17インチ仕様に組み合わされるタイヤはミシュランのプライマシーHPであり、30系プリウスに標準装着されたタイヤと同じということで話題となったことを覚えている人も多いことだろう。
当時はタイヤの特性に左右されない車両開発を目指したため、突出したクセのないニュートラルな特性を持つプライマシーHPがチョイスされたと言われていたように記憶しているが、この点でも初代モデルとは路線が変わってきたということの現れなのだろうか?
最も、モデル後期に追加されたBRZ「STIスポーツ」には新型BRZと全く同サイズ(215/40R18)のパイロットスポーツ4が標準装着されていたので、スバルとしての方向性がコチラ側になったということなのかもしれない。
なにせ、トヨタ86については今のところ一切のアナウンスがなされていない(今回のリリース文にはトヨタと共同開発した旨が記されているが)ため、BRZとどのくらい差別化がなされているのかもわからないのである。
今回の発表を改めてチェックしてみると、そもそもティザーサイトが北米スバルのページに用意されていたり、発表されたスペックも北米仕様だ。
そしてデザインもどことなくアメリカ人が好きそうなマッシヴなものとなっている。
スバルがすでに一定のポジションを築いた北米市場を重視した結果と考えれば、新型BRZがモアパワー、モアパフォーマンス路線となったのも頷けるのだ。
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