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ランボルギーニはいつの時代も挑戦的。V12・PHEVスポーツ、最新レヴエルトに込められた“猛牛”の野生の本質

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ランボルギーニはいつの時代も挑戦的。V12・PHEVスポーツ、最新レヴエルトに込められた“猛牛”の野生の本質

最新フラッグシップはPHEVのV12スポーツ

 大ヒット作アヴェンタドールの後継となるランボルギーニの最新フラッグシップがついに登場した。その名は「レヴエルト」。車名はムルシエラゴやアヴェンタドールと同様、スペインの闘牛に由来する、ランボルギーニの伝統的な名付け方だ。創立60周年の節目に新たなプラグインハイブリッド(PHEV)パワートレーンを搭載した次世代スーパーカーが公道を走り出す。

【CD取材ノート】個人的に「レヴエルト」は「クンタッチ」登場のインパクトに達していないと思う。by西川淳

 最大の注目点はもちろんパワートレーンだろう。6.5リッターと排気量こそ先代と同じだがまったく新しいV12自然吸気エンジンを開発した。レヴエルトは、これにフロント2基+リア1基の電気モーターとリチウムイオンバッテリー、新設計の8速DCTを組み合わせる。つまり前後輪の物理的なつながりこそなくなったが、ディアブロ以来続く4WDの伝統は守られた。

 外部からの給電も可能なPHEVだがサンタガータは「HPEV」(ハイパフォーマンス・エレクトリファイドビークル)と呼ぶ。そんなネーミングにふさわしく、システム総合出力はなんと1015hp。パワーウェイトレシオは1.75kg/hpを達成。アヴェンタドールを大きく上回った。結果、0→100km/h加速は2.5秒で、最高速は350km/h以上とブランド量産ロードカー史上、最高のパフォーマンスを誇る。

そんな高性能PHEVパワートレーンを支えているのが「モノフュージレージ」(単胴体の意)と名付けられたCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)モノコックボディ構造だ。全体として先代より軽く、剛性も大幅に上がっている。

造形はダイナミックにして鮮烈。クンタッチをこよなく愛するミッティア氏がデザイン

 レヴエルトのCFRPはプリプレグやRTM、フォージド(鍛造)コンポジットなど異なる成型法を組み合わせた「ハイブリッド品」だ。なかでも「ロッカーリング」と呼ばれるRTM一体成型品がユニーク。市販車初となるCFRP製フロントサブフレームの付け根から両サイドシルの内側、さらにリアバルクヘッド下までをリング状につないだ形状になっている。そのロッカーリングの内側にランボルギーニが製造特許を持つ鍛造コンポジットのバスタブをはめ込むという設計である。エンジンとミッションはアルミニウム製のリアサブフレームに結合されている。この新たなモノコックボディを自社生産するため、従来からあるCFK工場はおよそ1.5倍の規模に拡大された。

 内外装のデザインにも注目したい。チェントロスティーレ(デザインセンター)のボス、ミッティア・ボルカート氏によると、エクステリアのデザインハイライトはリアセクションだ。

 ユニークなリアランプデザインの間にエグゾーストパイプを配し、その上には可変スポイラーがかぶさって、下部は立派なデュフューザーが「受け」のように支えて迫力満点である。しかもエンジンがバイクのように丸見えで、その先にある広めのリアウィンドウからはインテリアの様子がばっちりうかがえる。

 リアからエンジン越しに見たセンターダッシュあたりは、こちらを睨むエイリアンのようだ。ちなみにこの作品(=レヴエルト)が小さい頃からクンタッチを愛し、憧れ続けてきたミッティア氏が手がけた初の量産ランボルギーニである。

 もちろんこのエクステリアはエアロダイナミクス性能を大幅に引き上げることを大前提にデザインされた。派手なエアロデバイスに頼らず、空気の流れを制して効果的なダウンフォースを得ることは、いまやスーパーカー界の常識。ちなみにリアスポイラーは走行モードや車体の状況に応じて3段階に開く。

 ドアはランボルギーニらしいシザース形状である。アヴェンタドールよりもさらにやや外側へと開くタイプとなった。サイドシルがドアに付いたまま開閉することで、より内側まで踏み込めるようになり、乗降性は格段に良くなっている。ちなみにルーフ高も上げられており、室内高はアヴェンタドールより26mmも高くなった。身長170cmの筆者が実際に座ってみると握り拳ひとつ分の頭上スペースがあった。これならヘルメットを被ってのサーキットドライブでも窮屈に感じることはないだろう。

 大きなセンターモニターを配置するなどダッシュボード回りのデザインはずいぶんとモダンに変身した。新デザインのステアリングホイールには2つのダイヤルがあり、ドライブモード(コルサ、スポルト、ストラーダに新しくチッタ=シティが加わった)とハイブリッドモードを組み合わせることで、13通りの走行キャラクターを楽しむことができる。そして何とADASが、ランボルギーニのスーパーカー系モデルとして初めて搭載された(これまではウルスにしか採用されていなかった)。

 伝統の本社工場内にあるアッセンブリーラインはアヴェンタドールのラインを大幅に改装したもの。これまで以上に明るくクリーンな印象だった。自走式ロボットを活用することで働きやすいレイアウトとしている。もちろんV12エンジンは専用の組み立てラインで一基ずつ熟練の職人が責任を持って組み上げる。当面は日産7台のペースで生産されるという。

ランボルギーニ・レヴエルト主要諸元

グレード=レヴエルト
価格=8DCT 未定
全長×全幅×全高=未公表
ホイールベース=未公表
乾燥車重=未公表
エンジン=6.5リッター・V12DOHC48V
エンジン最高出力=825hp/9250rpm
エンジン最大トルク=725Nm
フロントモーター=350Nm×2
ミッションモーター=110kW/150Nm
システム出力=1015hp
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:265/30ZRF21/リア:335/25ZRF22
駆動方式=4WD
乗車定員=2名
0→100km/h加速=2.5秒
0→200km/h加速=7秒以下
最高速度=350km/h以上

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みんなのコメント

16件
  • レヴエルト
  • 6月6日に有明アリーナの日本レヴェルト発表に行ってきますがやっぱり日程はメディア、関係者、オーナー限定公開なんですね。
    ググっても出てこない。多分カービューでもレポート記事掲載されると思うけど、後で読むの楽しみですね。
    以前東京パレードの際は先頭にいた自分の車がカービューの記事に紹介されててワロタ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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