現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 初代プジョー3008は、SUVのようでミニバンのような新しい価値を持っていた【10年ひと昔の新車】

ここから本文です

初代プジョー3008は、SUVのようでミニバンのような新しい価値を持っていた【10年ひと昔の新車】

掲載 1
初代プジョー3008は、SUVのようでミニバンのような新しい価値を持っていた【10年ひと昔の新車】

2009年、1007、4007に続くプジョーの4ケタ数字モデルの第3弾「プジョー3008」が登場した。4ケタ数字モデルはプジョーの新たな方向性を示すといれたが、たしかに従来のプジョーデザインとは一線を画しSUVのテイストがちりばめられていた。ここでは欧州での販売開始を受けフランスで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年9月号より)

SUVのような堅牢さとモノスペースの使いやすさ
最近、ジャンルやカテゴリーをまたがったクロスオーバーと呼ばれるクルマの増殖が顕著だ。新しいところでは日本に上陸したばかりのルノー コレオスがそうだし、日産のスカイライン クロスオーバーも登場した。このプジョー3008もそんな1台。プジョーがM1と呼ぶボリュームある市場(いわゆるCセグメント)に向けてデビューした。

初代アウディR8はV10エンジン搭載モデルの登場で、真のスーパーカーとなった【10年ひと昔の新車】

5ドアハッチバックの308、ワゴンの308SW、クーペとカブリオレの二面性を持つ308CCというラインナップを持つ308シリーズ。その、いわば派生モデルとして4ケタ数字名で登場したのが3008。SUV、セダン、モノスペース(日本流ではミニバン)のクロスオーバーモデルだ。

プジョーはモノスペースの7シーターとして5008(9月のフランクフルトショーでデビュー予定)、ワゴンとして308SWを用意し、ラインナップの隙間を細やかに埋めることで、新規客の取り込みを目論んでいる。3008のスリーサイズは全長4365mm×全幅1837mm×全高1639mmと、3列シートの5008より全長が164mm短い。

3008のデザインは、見るからに堅牢である。鉄板の厚みを感じるボディは、SUVのような背の高さがあるから乗っても安心感がある。

流れるようなデザインは、余裕のある笑い顔のようなフロントからモノスペース的なAピラーへつながる。これに大径のタイヤが履かされて、まるで4WD車のような見た目である。しかし3008にはFFしか設定されていない。4WDモデルは2008年のパリサロンでお披露目した3008ハイブリッド4まで待たなくてはならないが、その登場はまだ2年先になるという。

3列目のシートがありそうなフォルムを持つが、3008は2列シートの5人乗りのみで他のバリエーションはない。

3008のラゲッジルームのアイデアは面白いものがある。まずゲートは上下2分割に開き、手前に開けたゲートにベンチのように座ることも可能。ラゲッジルーム内には棚があり、その高さを3段階に変えることができる。一番上なら上下に荷物を分けて搭載でき、真ん中にして後席を倒すとフロアがフラットに使える。一番下にすると深く掘れた状態になるので、背の高い荷物も積載することができる。ただし内張りには厚みがあり、荷室の横幅はあまり広くない。日本仕様ではゴルフバッグを積みやすくする工夫が必要かもしれない。

身体にフィットするシートで快適なドライブを実現
3008は乗り込んで、走り始めてからその美点に気づくことが多い。まず床から高めのドライビングポジションだが、ちょっと硬めのシートは形状が良く、フィット感も素晴らしい。クッション部もバックレストも高いところまでフィットする。そして骨格がしっかりしている感じで、コーナリング時に横Gがかかっても身体が崩れないのでよい。

これは後席でも似た感触だった。長時間のドライブでも快適だったし、身体を保持しやすいから疲れない。

試乗車は6速MT仕様。走り始めるために電気式パーキングブレーキを指でリリースすると、ブレーキが緩むのが少し遅い気がしたが、これはギアを入れて走り始めると自動的にリリースすることがあとでわかった。これとは別に4輪にブレーキが利くヒルスタートアシストは標準装備されている。

試乗車は1.6Lターボのガソリンエンジン仕様で、2人+軽い荷物には十分なトルク。レッドゾーンは6000rpmだが3000rpmも回せば流れをリードできる。

ハンドルは電動アシストタイプで、その例に漏れずやや軽めである。でもしっかりした感じは手に伝わってくるし、ハンドル操作に対して応答性は確実なので安心感は高い。高速走行時の安定感は高く、コーナリングでもドライバーの狙ったラインを走るのは容易だ。このフィーリングは背の高さを感じさせないもので、通常のセダンと同じフィールのドライビングを楽しめる。

あまりロールを感じなかったが、実はこれには仕掛けがあった。リアアクスルの左右のダンパーをつなげて、そこにもうひとつのダンパーを付けたのだ。乗り心地を確保したままコーナリングでのロールを抑えるものだ。これはKYB(カヤバ)サスペンション・ヨーロッパとのコラボレーションでできたダイナミックロールコントロールであるとの解説があったが、実はこれは、ヤマハ発動機がパテントを持つRIASである。

3008は見た目以上に運転しやすいクルマだった。フランス車というよりドイツ車的なしっかり感があるが、ストロークのたっぷりした乗り心地にはフランスらしさも感じる。

本国では月に1500台の販売予定が、立ち上がりの月は4000台も売れたそうだ。日本市場へは来年にも導入される予定である。(文:こもだきよし)

プジョー 3008 1.6 THP 150 主要諸元
●全長×全幅×全高:4365×1837×1639mm
●ホイールベース:2613mm
●車両重量:1459kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●排気量:1598cc
●最高出力:110kW(150ps)/5800rpm
●最大トルク:240Nm/1400-3500rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF
●EU総合燃費:13.5km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
※EU準拠

[ アルバム : プジョー3008欧州試乗 はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
タナク総合首位。勝田貴元はステージ優勝2回で総合3番手まで0.1秒差|WRCラリージャパンDAY2午後
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

1件
  • 振り返ってみると、メルセデスのA/Bクラスと同様に、メーカーとして少しコンセプトに迷いがあった時期かと思う。
    3008(初代)と次の 3008(2代目)は、別の車になっている。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

172.0250.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.1290.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村