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トヨタとの共同開発車 EVのSUV「ソルテラ」にスバルらしさはあるか?

掲載 更新 7
トヨタとの共同開発車 EVのSUV「ソルテラ」にスバルらしさはあるか?

 トヨタが2021年4月の上海モータショーでスバルと共同開発するEVのSUVとなるbZ4Xのコンセプトモデルを発表したのに続き、スバルも5月11日、トヨタbZ4Xのスバル版がソルテラとなることを発表し、一部ティザー写真も公開した。

 ソルテラ(SOLTERRAは、ラテン語で太陽を意味するソルと大地を意味するテラの造語で、自然をもっと愉しみ、自然との共生をより一層深めていきたいという想いからこの名称が採用された。

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 本企画ではトヨタbZ4Xの概要を含め、まだ情報がほとんどないソルテラがどんなクルマになるのかを考えてみた。

文/永田恵一
写真/ベストカー編集部 スバル トヨタ

【画像ギャラリー】まるで飛行機のようなステアリング!! ひと足先に発表されたトヨタ bZ4Xを見る

まずは先に発表されたトヨタbZ4Xってどんなクルマ?

2021年4月19日、上海モーターショーにて世界初披露されたTOYOTA bZ4Xコンセプト

bZ4Xは、スバルと共同で開発したEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用し、2022年までのグローバル投入を目指す

 まずは、公開情報の多いスバルソルテラのトヨタ版、bZシリーズを改めて紹介しておきたい。

 トヨタは上海モータショーで2025年までにEVを15車種、そのうちの7車種をエンジンの付いたクルマの代替を想定していると思われるbZシリーズとすることを発表した。bZはbeyond zeroの意味で、ゼロエミッションだけではないEVの価値や魅力を提供するという想いが込められているという。

 なお、bzシリーズはトヨタだけで多様なサイズ、スタイルのEVを開発するのは困難なため、トヨタと関係があるスバル、ダイハツ、スズキ、中国のBYDというそれぞれ得意分野を持つパートナーと共同で開発を進めていくという。

 上海モータショーで発表されたbZ4Xコンセプトはコンセプトという名前ながら、完成度の高いショーカーで、車格は発表に「Dセグメント(トヨタのSUVならハリアーやRAV4)並の室内空間を実現」という記述があることから、ボディサイズはCセグメントとなる全長4500mm台、全幅1800から1850mmと予想される。

 スタイルはクーペルックとなるハリアーを思わせながら、ヘッドライトの形状などによりEVらしい未来的な要素とSUVらしい力強さを盛り込み(給電口は前進駐車とバック駐車それぞれの使い勝手を考慮してか、左前フェンダーに付く)、小型化したという印象だ。

bZ4Xのコクピット。電子制御システム「ステアリングバイワイヤ」を採用した異形ステアリングホイール。操舵時に持ち替える必要がないうえ、デジタルメーターの視認性も向上する

 インテリアもオーソドックスなところもありながら、飛行機の操縦桿のようなハンドルの採用により太股上部の空間が広くなった点、ハンドル上下が切れたことで視認性が大きく向上したデジタルメーターやトヨタ車がたまに使うアーチ型のセンターコンソールに置かれたダイヤルとボタンを使ったシフトスイッチの採用などにより未来的な雰囲気も感じられる。

 また環境に配慮したEVというのもあり、ダッシュボードに貼られた布などはリサイクル素材を使っているのかもしれない。

 機能面はスバルと共同開発されたEV専用プラットホームとなるe-TNGA(スバルではeスバルグローバルプラットホームと表現しているが、同じものなのだろう)を採用。

 このプラットホームはスタイルや室内空間の広さにも関連するショートオーバーハングとロングホイールベースを実現とするほか、スバルの発表によればフロント・センター・リアといった数種類のモジュールやユニットを組み合わせることで、バリエーションを効率的に増やすことも可能だという。

モーターとアクスルの位置は固定する一方でホイールベースや前後オーバーハングは可変式とし、さまざまなモデルバリエーションが展開できる。BセグからDセグまで幅広いEVが作られることだろう

トヨタbZ4Xの航続距離や動力性能は?

トヨタとスバルの共同開発のEV概要

 bZ4Xは、ハンドルとタイヤが機械的にはつながっていないため、ハンドルの操作量と関係なくタイヤの切れ角を変えられるステアバイワイヤを採用。ステアバイワイヤの採用により、大きく操舵する際もハンドルの持ち替えが不要になるなどのメリットを持つ。

 またAWDシステムはスバルとの共同開発で、素早いレスポンスや高い走破性により安全で楽しい走りを実現するという。といったことが挙げられる。

 ただ、スペックに関する発表はないため、航続距離やバッテリー、動力性能、価格などを予想してみた。

●航続距離&バッテリー搭載量
 航続距離に関しては「冬場などでもお客様に不便を感じさせない航続距離を確保」と記述されていることから、WLTCモードで400から450kmと予想され、バッテリーは60kWh程度を搭載?

 つまりCセグメントのSUVでCセグメントのハッチバックとなるリーフe+並の航続距離を目指すのかもしれない。またバッテリー搭載量は60kWh程度を基本に、使い方に応じて小型化、大型化したものが設定される可能性もある。

●動力性能
 モーターはAWDがRAV4 PHVのフロント182馬力、リア54馬力で合計230馬力台とし(リアモーターはさらに強力なものかもしれない?)、2WDが設定される可能性もある。

●価格
 こういった次世代エネルギー車を出す際には初代プリウスの215万円から、先代MIRAIが補助金を使うと実質的に550万円程度と、エンジン車やハイブリッドカーと迷える価格としてきたトヨタだけに、bZ4Xも補助金を使った実質的な価格はハリアーハイブリッドなどと迷う400万円台前半からが期待できそうだ。

 またbZ4Xとソルテラは2022年年央までにグローバルで発売する計画ということと、トヨタからは日本と中国で生産する予定ということが発表されている(スバルは日本、アメリカ、カナダ、欧州、中国等での販売と公表、生産はどちらもトヨタで行われるのだろうか)。

 中国製のbZ4X&ソルテラはバッテリーも中国製になるにせよ、日本製の両車にはエネルギー密度、充電時間、耐久性といった性能の劇的な向上に加えコストダウンも期待できると言われている次世代の全個体電池が搭載される可能性もあるかもしれない。

スバルソルテラはどうなる?

公開されたスバルソルテラのティザー写真

公開されたソルテラのリア回り

 ここまでbZ4Xを中心に見てきたが、bZ4Xとソルテラの違いも気になるところで、筆者個人は次期86&BRZ以上に違いは大きいのではないかと予想している。

 というのも先代86&BRZの違いは初期モデルのサスペンションセッティング、後期モデルの見た目を含む空力性能程度だったが、次期86&BRZはエクステリア以上にサスペンションはもちろん、電動パワステをはじめとした各部の制御の違いもあるようで、想像以上に違いは大きいと予想されている。

 このあたりを踏まえると、2020年1月に公開されたソルテラのデザインスタディモデルを思い出してもクーペルックというシルエットは変わらないにせよ、スバル顔のフロントマスクやリアビューの違いにより、bZ4Xはハリアーのようなシティ派SUV、ソルテラはフォレスターに通じるアウトドアなどにも似合うアクティブなSUV(ソルテラは公開された写真の背景も自然の中だ)といったイメージを持つのではないだろうか。

 ソルテラとbZ4Xのデザインスタディモデルを比べてみると、ボンネットやフェンダー、ピラーなどのデザインは似ているが、フロントマスクやヘッドライトに大きな違いが見られる。コの字型のヘッドライト&左右バンパー、ヘキサゴングリルなど、スバルが掲げている「Dynamic×Solid」がしっかりと表現されていた。

2020年1月20日に開催されたスバル技術ミーティングで披露されたスバルの次世代EVのモックアップモデル。フロントグリルのヘキサゴン(6角形)形状は、スバルの六連星をイメージしたもので、現在のスバル車全般に採用されているデザインとの共通性がある

スバルの次世代EVのモックアップモデル。前後フェンダーのブラックアウトされたアクセントも、スバルデザインのベースとなる「ダイナミック&ソリッド」を表現

2019年6月のトヨタ次世代EV技術説明会にて披露されたトヨタのデザインスタディモデルたち

 また機能面もサスペンションセッティングに加え、ソフトウェアの多いEVだけにステアリングフィールやレスポンス、AWDなど変えられるところが多数あるのもあり、2台は乗り味も大きく違うということも十分考えられる。

 はたして、シンメトリカルAWDというスバルらしさが、ツインモーターEV(AWD)のどの部分に残っていくのか? きっと、EVであってもAWD制御という部分でスバルらしさを出していくだろう。

2020年1月20日に開催されたスバル技術ミーティングで2020年代前半にBEVを投入するとしていた

【画像ギャラリー】まるで飛行機のようなステアリング!! ひと足先に発表されたトヨタ bZ4Xを見る

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みんなのコメント

7件
  • スバルらしさとは水平対向エンジンを搭載して
    それを走行中も止めないこと 笑
    だからハイブリッドとかモーター走行とかは
    論外(~o~)
  • スバルらしさって
    オタク系デザインと極悪な燃費ってこと?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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