ルーマニア選手権へスポット参戦
皆様こんにちは!レーシングライダーの大久保光です。
ヤマハ「YZF-R1」はコンパクトで走りやすいリッターロードスポーツ!レーシングライダー石塚健の市販車インプレッション
モルドバはだいぶ寒くなってきており、日中でもコートが必要な日が多くなってきました。急激に寒くなってきたのでびっくりしていますが、これも東ヨーロッパ特有の気候なのでしょうか?
もうすぐ日本に帰る予定をしていますが、日本はまだまだ暖かい日もあるということなので、楽しみにしています。
さて、今回はスポット参戦しましたmoto RC(ルーマニアの選手権)について書いていきたいと思います。
まず、motoRCってなに?という方もいると思うので、簡単な説明をさせていただきます。
motoRCはルーマニアの首都、ブカレスト郊外にありますサーキット、モーターパーク・ロムニアで行われている独自のチャンピオンシップ。国内は他に、ルーマニア選手権という選手権もあるのですが、こちらはすでに東ヨーロッパ選手権の一部に吸収されてしまい、事実上消滅状態にあります。
また、ルーマニアにはこの場所以外に大きなサーキットがなく、飛行場の跡地にパイロンを置いて行われている時代もありました。
その光景を見たモーターパーク・ロムニアのオーナーが土地を購入し、自らサーキットを作りました。それがこのモーターパーク・ロムニアの始まりです。
しかし、その行為を良く思わなかったルーマニアのフェデレーションと対立してしまい、それならと、サーキットオーナーは独自の選手権を設立。これがmotoRCとなるわけです。
そういう流れで始まったmotoRCですが、このコースは全長4.1kmの本格的なサーキットとなっているため、ルーマニアのトップチームやライダーのほとんどは、このmotoRCに参戦するようになり、事実上のルーマニア選手権となりました。
今ではフェデレーションと和解をし、遂にこのサーキットでも将来的に東ヨーロッパ選手権を開催しようという話をしているということです。
参戦の目的はタイヤ&ブレーキテスト
motoRCで開催されているクラスは、S300、S600、S1000と初心者クラスのR600、R1000の5クラスとなっており、私は最高峰クラスのS1000に参戦しました。
同選手権は基本的にサーキットが独自開催している選手権ということもあり、レギュレーションも緩く、FIMライセンスも必要ないのですが、S300クラスに関しては年齢制限が設けられており、参戦できるのは24歳までとなっています。
また、その緩いレギュレーションのためにトレーニングやレベルアップのためにルーマニア人ライダーだけではなく、トルコ人、ギリシャ人、ブルガリア人、オーストリア人などなど、様々な国や地域のライダーが参戦している国際色豊かな選手権となっていて、レベルもスペインやイギリスには劣るところもありますが、程よいレベルの良さの選手権だったりします。
私が参戦した際に使用したマシンは、ルーマニア人で初の世界選手権でのチャンピオンシップポイントを獲得したライダー、ボルダン選手のヤマハ「R1」をお借りしました。
また今回は日本のブレーキメーカー、べスラブレーキのパッドテストとミタスタイヤのタイヤテストを目的とした参戦となりました。
ミタスタイヤはスロベニアに本社を置くタイヤメーカーで、日本にも縁のあるメーカーだったりします(詳しくは前のスロベニア記事をお読みください)。
ただ、同社はスリックタイヤをまだ製造しておらず、今回、私はストリートタイヤでのレース参戦となりました。
もちろん周りのライバル達は、スリックタイヤを使用していたため、難しい戦いになることは分かっていましたが、その難しい環境の中でどのようにレースを戦うか、そしてタイヤの評価をして今後の開発に繋げていくという、今後に向けた大きな鍵となるレースとなりました。
レースの詳細は次回!走行は木曜日からありましたが、波乱万丈なレースウィークとなったので、次回の記事を楽しみにしていてください。
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