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V12神話は終わらない。アストンマーティンの頂点、ヴァンキッシュが復活! 自社の“匠”ハンドメイドエンジン搭載で835馬力

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V12神話は終わらない。アストンマーティンの頂点、ヴァンキッシュが復活! 自社の“匠”ハンドメイドエンジン搭載で835馬力

 2023年に発表されたDBS 770 Ultimateで一度幕を閉じたアストンマーティンのフラッグシップモデルの系譜は、ヴァンキッシュ(Vanquish)という名と共に再び紡がれる。新たなV12エンジンを携え、ワールドプレミアを飾った。

 アストンマーティンのフラッグシップモデルには四半世紀にわたりV12エンジンが搭載され続けてきた歴史がある。時代は電気自動車、ハイブリッド、はたまた水素へと舵を切る中、アストンマーティンは新型5.2リッターツインターボV12エンジンを3代目ヴァンキッシュの心臓部に宿した。

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 この新型V12は完全新設計ではないものの、既存のV12に対してブロック鋳造からシリンダーヘッドまで見直しが行なわれ、新開発の高速かつ低慣性のターボチャージャーとの組み合わせにより、最高出力835PS、最高トルク1000Nmを発生させる。

 なおアストンマーティンの量産車の中にはAMG製エンジンをベースとするモデルも少なくないが、新型ヴァンキッシュに搭載されるのは、イギリスにある自社ファクトリーの少数精鋭チームによってひとつひとつ手作業で製造されたエンジン。その証拠として、光り輝くエンジンのプレートには、そのエンジンを手掛けた“匠”たちの名前が誇らしげに刻まれている。

 新型ヴァンキッシュではこのV12に合わせて、ターボのブースト圧を通常よりも高めておくことでターボラグを軽減するブーストリザーブ機能や、ZF製8速AT&エレクトロニック・リヤLSD(E-diff)などが採用され、ブランド量産モデル最速となる345km/hの最高速度を実現したという。

 新型ヴァンキッシュはホイールベース延長によるロングノーズ化もあり、この新型V12をフロントアクスルの後ろに搭載。車両重量配分の改善を図った。

 また新型ヴァンキッシュではボディ構造自体も見直しが行なわれ、DBS 770 Ultimateに比べて横剛性が75%向上。シャシーに剛性の高いエンジンクロスブレースを採用したことで、搭載される特別仕様のビルシュタイン製DTXダンパーの取り付け剛性も向上したという。

 クルマは走る、曲がる、止めるが基本のキ。どれだけパワーがあっても、止まらなければ無用の長物であり、新型ヴァンテージはフロントに410mm、リヤに360mmのカーボンセラミックブレーキを標準装備している。また足回りには、21インチ鍛造アロイホイールと専用に設計されたピレリP-Zeroが採用された。

伝統と革新を体現

 新型ヴァンキッシュではロングノーズ化に加え、リヤボディがDBS 770 Ultimate比で10mm広がったことで、全体としてフロントからリヤへの押し出し感や存在感が強調された。

 アストンマーティンらしさを強調する水平翼を備えた新型ヴァンキッシュのフロントグリルには大きな開口部が設けられ、DBS 770 Ultimateに比べて13%広い表面積でV12の冷却に貢献。ボンネットにはF1からインスピレーションを得たV12エンジン用の冷却ルーバーが設けられた。

 また新型ヴァンキッシュでは、ブランドのV12搭載モデルでは初採用となるパノラミック・ガラスルーフを標準装備。開放感を演出しながらも、低反射率コーティングによって有害な紫外線から乗員の肌を守ってくれる。

 リヤには1960年代のル・マンに投入されたプロジェクトカーDP215を彷彿とさせるカムテールを採用。ここにはビスポーク部門であるQ by Aston Martinがここ数年で送り出したヴァラー(Valour)やヴァリアント(Valiant)ともデザインの類似性が見られるが、新型ヴァンキッシュではリヤが浮かんでいるように見える“シールド”デザインが採用された。

 そのシールドを囲むようにブレード型のLEDリヤライトが設けられたが、こちらはヴァルキリー(Valkyrie)以降アストンマーティンの特別なモデルに採用されており、新型ヴァンキッシュもそれに倣った形だ。

 新型ヴァンキッシュは、年間1000台以下の限定生産。デリバリー開始は2024年の第4四半期を予定している。なお価格は公表されていない。

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