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29歳、フェラーリを買う──Vol.100 女優・夏樹陽子さんとの再会(前編)

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29歳、フェラーリを買う──Vol.100 女優・夏樹陽子さんとの再会(前編)

『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、連載100回を記念し、女優・夏樹陽子さんにふたたびご登場いただいた。

紆余曲折あった2年弱

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2019年3月1日にスタートした連載『29歳、フェラーリを買う』は、ついに100回を迎えた。

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とはいえ、当初、連載の予定はなかった。勢いで買ってしまった「360モデナ」について、「せっかくだから購入の顛末を書き残しておこうかなぁ~」と、ふと思い、“ノリ”で書いたのだ。たしか30分ほどで書き上げてしまったように記憶する。

その原稿を鈴木編集長に提出したところ「面白いですね」と、コメントをいただいた。

書いている本人は、それほど面白い内容であるとは思っていなかっただけに、編集長からのコメントは予想外だったし、嬉しかった。なぜなら編集長は滅多に褒めないからだ(笑)。

味をしめたボクは「もっと面白い記事が書けるかもしれない……」と、思い、連載を決意した。
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それから、ほぼ毎週、コツコツと執筆を続けてきた。振り返れば、納車からの初ドライブ、タイヤ交換、ボディコーティング、はじめての車検整備、オーディオ・システムの総交換、ドライブレコーダーの取り付けなどさまざまなイベントがあった。

いずれも、フェラーリゆえに苦労した点がいくつもあった。タイヤはサイズがなかなか見つからなかったし、車検整備ではタイミングベルトの交換など重整備が発生し、結構な費用がかかった。エンジンがリア・ミドに搭載されているので、ドライブレコーダーのための後方カメラの取り付け位置にも苦労した。

トラブルもあった。ドアロック機構が壊れてしまい、年末年始を“無施錠”で過ごしたこともあった。今となっては笑い話ですむけれど、そのときは気が気でなかったのが懐かしい。
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冷却水漏れもあった。1年ごとの定期点検で、アンダーカバーを外したところ発覚した。もし点検をうけなければ、間違いなく見落としていただろう。

ほとんど走らせていなかっただけに「定期点検を見送ろうかなぁ~?」と、思っていたものの、ふと「車齢20年のクルマだから念のため受けておこう……」と、気が変わり、点検を受けたのだ。結果、冷却水漏れがわかったのだから、やっぱり定期的なチェックを怠ってはいけないことを実感したものだ。

この2年弱、フェラーリだからこその貴重な経験をたくさんすることが出来た。そして“出会い”もあった。

出会いに感謝!

フェラーリを通した素敵な出会いはいくつもあった。まずは女優の夏樹陽子さん。「348」でフェラーリの魅力を知り、その後「F355」に乗り換え今も所有されている。

それから、車載オーディオ・システムを交換後、音質を確かめるべくシンガーソングライターの杏里さんに聴いていただいた。普段、『SUMMER CANDLES』など杏里さんのヒット曲を車内で聴いていただけに、まさかわが360モデナに乗っていただけるとは、とびっくり仰天! これも良き思い出だ。
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そして、6人組ロックバンド「UVERworld」でドラムを担当する真太郎さんとも出会えた。偶然にもこの連載を読んでくださっていたため、共通の知人を介しお会いすることができたのである。

そして、箱根へのツーリングで知り合った佐々木朋春&めぐみさん夫妻には連載内に、フェラーリのリアル・オウナーとしてご登場いただいた。スーパーカー・オウナーのミーティングに参加したときの帰路、ご夫妻のうしろを僕が走っていたのが縁で、知り合ったのだ。

フェラーリを所有してからというのも、このように多くの出会いがあった。くわえて、連載を書き続けたことで、「あのイナガキさんですか?」と、尋ねられることもときどきある。そんなとき、フェラーリやクルマ談義で盛り上がるのは楽しい。あらためて「フェラーリを買ってよかったなぁ」と、思う。

もっとも、最初の頃は不安しかなかった。現状販売で購入した個体ゆえ、どれほどの維持費がかかるのか未知数だったし、数カ月で手放すかもしれない……、と覚悟していた。
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そんなとき、フェラーリ乗りの大先輩である夏樹陽子さんからいただいたアドバイスに救われた。「維持出来るかどうかは、フェラーリが好きかどうかによる」と、おっしゃったのである。

勢いで買ったフェラーリとはいえ、知らぬうちに、その魅力にハマっていたボクは、「よし! なにがなんでも維持するぞ!」と、心に決めた。結果、2年弱乗り続けた。

恩人でもある夏樹陽子さんに御礼を述べたいと思い、さらに今、夏樹さんのF355がどうなっているのかも気になっていたので、お願いして会っていただいた。

2年間の走行距離、約600km

取材場所にご登場なさった夏樹さんのF355は相変わらず、美しかった。2019年にお会いしたときと変わらぬ姿だ。ただし前回の取材時と異なり、助手席に愛犬のマカロンちゃん(トイプードル・メス)が座っていた。

「マカロンがフェラーリに乗るのは今日が初めてです。ここ最近、フェラーリに乗る機会がめっきり減ったので……」

夏樹さんは新車で下ろした F355を、20年以上乗りつづけている。そのかん、「譲っていただけませんか?」と、個人ユーザーから声をかけられたことも一度ならずあったそうだ。

「もちろん、丁重にお断りしています。今のところ、F355を手放すつもりはありませんので……」

夏樹さんは今も昔もF355にゾッコンだ。詳しくは、2019年5月24日公開のVol.12と5月31日公開のVol.13に書いてあるので割愛するものの、2年経った今でも気持ちは変わっていないという。

フェラーリの前はポルシェ「911」を乗り継いでいたものの、フェラーリ「348」と出会い、“跳ね馬”に虜になったそうだ。
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とはいえ、348はトラブルが多かったそうで、維持するのは大変だったという。電気系統のおもわぬアクシデントがいくつもあったそうだ。

「リトラクタブル・ヘッドランプが、いきなり展開と格納を繰り返すようになってしまい、その動作が止まらなくなったときがありました。雨漏りにも悩まされましたね」

それでも、348は順調に距離を伸ばし、気づけばオドメーターの数字は8万km近くに達したという。当時、それだけの距離を走るフェラーリ・オウナーは稀だったようだ。

そして、人生2台目のフェラーリとしてF355に乗り換えた。もっとも、“どうしてもF355が欲しい”というわけではなかったらしい。「348は最後、ギアがどうやっても入らない状態になってしまったんです。それで買い替えを決めました」と、夏樹さんは笑う。ちょうどF355が登場した直後だったこともあり、348からF355への買い替えは自然な流れだった。

「348のボディカラーはレッドにしましたが、F355はイエローにする! と、決めていました。はじめて運転したときは、ステアリングの軽さに驚きましたね。348と異なりパワーステアリングが標準装備されていますので」

購入当初には、東京から神戸までF355を走らせこともあったという。「たしか購入から約1週間で1000km点検を受けました」と、夏樹さん。

そんな夏樹さんのF355の総走行距離は取材時で、6万1321km。前回の取材時は6万720kmだったから、この約2年間で600km程度しか走っていない計算になる。

これほど走行距離が伸びなかったワケとは? 次週、報告する。

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文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.) ヘアメイク・西村恵 撮影協力・ホテルメルパルク東京

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