ピレリ・スーパー耐久2018 RD.3 富士SUPER TEC24時間レース
開催日時:2018年5月31日~6月2日
開催地:静岡県 富士スピードウェイ
Wether/Condition:【予選】晴れ/DRY 【決勝】晴れ/DRY
ドライバー:A 竹田直人/B 白坂卓也/C 田ヶ原章蔵
富士24時間を終えた石浦、平手に突撃。スーパー耐久は「レースの楽しさを思い出させてくれる」
富士スピードウェイでの24時間耐久レースがなんと51年ぶりの開催となり、メディア・ファンからの期待が高まるなかいよいよスタートされる。
クラスを隔て50台が出走し周回数を競う本レース。(ST-TCRは7台の出走)また、長時間レースは獲得ポイントが通常よりも多く年間ランキングに大きく影響することからAudi Team DreamDriveも完走はもちろんクラス優勝を目指しチーム一丸となってレースに挑んだ。
■5月31日 オフィシャルプラクティス
小雨が降ったり止んだりの当日、ナイトセッションを含む3度のプラクティス走行枠。レイン・スリックタイヤを使い分けての走行を行ったりとピット作業も目まぐるし変わるなか、今回のセットを入念に調整。ナイトセッション後もドライバー陣と打ち合わせを行い明日の予選に備えた。
■6月1日 予選
決勝が24時間耐久であることもあり、マシンの負担を考えらながらアタックをすることになったAudi Team DreamDrive。
Aドライバー予選:前日の走り込みでフィーリングが合わない状態で挑みタイムが出ない竹田選手。時間いっぱいまで果敢にアタックを重ねるも思うような走れができずクラス7番手で終了。
Bドライバー予選:マシンをいたわりながらも少しでも上位に食いつきたい白坂選手も果敢にアタックを重ね、クラス4番手のタイムで終了。Audi勢ではトップタイムをマーク。総合ではグリッドをひとつアップさせたクラス6番手からのスタートになった。
Cドライバー予選:予選タイムに反映しないCドライバー田ヶ原選手は決勝でのシミュレーションを行いつつ規定タイムをクリアし終了した。
■6月2日 決勝
いよいよ始まる24時間耐久レース。予選も含めると3万5300名が来場する盛況ぶり。当日の気候は晴天に恵まれ多くのファンや関係者がピットウォークやグリッドウォークで富士スピードウェイでの51年ぶり開催となる24時間耐久レースを祝い楽しんでいる。会場もファンに応えるために多くのイベントを用意しレースを盛り上げてくれる中スタート時間が近づく。
#45号車ピット内には生放送用のオートムーブライブカメラが設置され24時間レースの展開を追うようだ。Dドライバーの奥村選手はスーパーサブでの参戦だった為、実質3名での戦いとなったAudi Team DreamDrive。長丁場となる戦いは言うまでもないが予選はクラス6番手。クラス優勝を目指し少しでも上位にポジショニングしライバルチームとの争いに備えるためスターティングドライバーは白坂選手が担当することになった。
15時、フォーメーションラップからのローリングスタート。24時間の戦いが始まった。開始20分を過ぎたところで他クラス同士での接触事故が発生し、開始早々のSC(セーフティカー)の導入。
偶然を除きこの間ピットへは入れないルールとなっている本大会だった為、事後処理が終わるまでマシンはコース上に残ることなるが、白坂選手はこの再スタート時にST-TCRクラス4番手5番手をうまくかわし3番手に浮上。4番手になった#97シビックと競り合うも白坂選手は無理をせず番手をチェンジ。その後、ST-TCRクラス4番手をキープしたまま約1時間40分を過ぎたところでドライバーチェンジを行い田ヶ原選手へとつなぐ。
しかしロングスティントのチームもありピット作業でST-TCRクラス5番手となったが、序盤は各車両のピットタイミングでST-TCRクラス3番手~5番手のレースを展開。この時#98シビックが同一周回ながらリードしていた。約4時間が経過しそうな頃、竹田選手へ交代のためのピットイン。ルーティンのピット作業も安定した速さでタイヤ交換を行い送り出す。
18時30分、ナイトセッションが幻想的な雰囲気のなか開始。その数分後ST-TCRクラス4番手を走行中の竹田選手だったが、ホームストレートからの1コーナーが曲がりきれず他クラスの車両と接触。走行不可とはいかないまでも左フロントを中心にダメージを負ったが自走で戻り緊急ピットイン。フロント足回りを修復する作業となり約1時間20分を要しそのまま20時頃竹田選手が再度ピットアウトした。
本レースは特別規定で安全面に考慮し開始20時間以内に8分間のピット作業を2回消化させる必要がある(メンテナンスタイム)。#45は今回のダメージ回復に適用。それでも1時間強のビハインドとなりレースを再開させた。ただし残り時間は19時間以上残っていたため、悲観せず果敢に攻め挑みできる限りペースをアップしていくが戦線復帰後は総合46位ST-TCRクラス最後尾の7番手。6番手を行く#19アウディとは10ラップでクラストップ集団とは24ラップの差が生まれていた。
8時15分から約15分間、富士スピードウェイでは花火が打ち上がった。コースに復帰したプリズマ☆イリヤ RS3LMSだったがペースを戻しST-5クラスの車両群を抜いていく。
花火の終了タイミングでトップ集団にいた#98シビックがコース外でストップしFCY後に再度SCが導入された。21時30分ごろルーティン作業で白坂選手にドライバーチェンジ。あたりは暗闇に包まれるなか、ペースを取り戻したプリズマ☆イリヤ RS3LMSは順位を少しでもあげるため周回を重ねる。
白坂選手のスティントでPITで修復中の#98シビックをかわしクラス6番手に浮上。23時頃ドライバーチェンジによるピットインでチェンジした田ヶ原選手もペースを上げ日付が変わる開始9時間(残り15時間)を経過したタイミングでは、総合順位35位ST-TCRクラス6番手に。
前を行く5番手の#19アウディと10ラップあった差は6ラップまで縮めていた。だが、田ヶ原選手から次の竹田選手へとドライバーチェンジをするタイミングが近づいたその頃、他クラスの車両と接触したとの無線が入る。予定より数周早めての緊急ピットインをすることに。
ピットでは左フロント付近を修復しており、他クラス車両をコーナーでパスする際、ホイールが接触したとのことだった。大きなダメージではなかったが修復に約20分費やした。予定より早かったが2度目のメンテナンスタイムを消化さ
せ、竹田選手を送り出す。ST-TCRクラス順位に変動はなかったが、ラップ差が広がるも気落ちはせずコースに復帰させた安堵の表情が目立った。
このメンテナンスが終わる頃にはプリズマ☆イリヤRS3 LMSの車体はフロントを中心にテープの補強が目立ち始め車両・メカニックスタッフにも疲れの色も出てくるのだが、まだまだ折り返しまで2時間(残り14時間)諦める事なくゴールを目指す。
折り返し間近の深夜2時40分頃にSCが導入され程なく今大会初めてのレッドフラッグ。深夜帯でライブ映像も見辛く情報収集を行う。レクサスコーナーで接触した車両がスピンをし後続車両が追突したとのことだった。その後、判明したがST-TCRクラス2番手を走っていた#10ゴルフがスピン車両に衝突したとのことだった。大きなダメージを受けたようで、折り返しを迎える前に戦線離脱した。
深夜3時頃にルーティン作業のピットインでドライバーチェンジを行い白坂選手がステアリングを握る。丁度折り返しである開始12時間(残り12時間)の地点で総合34位ST-TCRクラス6番手。前を行く#19アウディとは20ラップの差だったが間も無く戦線離脱した#10ゴルフの周回に達しクラス5番手に。
その後も順調に周回を重ね明るくなり始めた4時45分を前に田ヶ原選手へチェンジ。開始15時間(残り9時間)の地点では総合31位ST-TCRクラス5番手となり6時20分頃白坂選手へとバトンタッチ。6時45分頃クラストップを走っていた#97シビックがペースダウンしリペアエリアへと運ばれ離脱。ST-TCRクラストップは#75アウディに入れ替る。
予定通り8時頃にピットインしレギュラードライバー陣の疲れもピークだったため本レース初スティントのDドライバー奥村選手にステアリングを託した。危なげなく周回を重ねる。残り6時間を目の前にした頃ST-TCRクラス2番手の#
65アウディがトラブルで停車。ST-TCRクラスの順位は夜間からトップを含めめまぐるしく変わっている。
#45プリズマ☆イリヤ RS3 LMSは深夜以降はペースを落とす事無く安定した走りでじわじわとポジションをアップ。開始18時間(残り6時間)の地点で総合27位ST-TCRクラス5番手まで周回を重ねていた。奥村選手から竹田選手へは予定通り9時20分頃チェンジを行い、ラスト6時間を切っても諦めることなくマシンを走らせた。
その後離脱していた#97シビックはコース復帰するも修復に時間がかかっていた#65アウディに追いつく。11時頃田ヶ原選手とルーティーンのドライバーチェンジを行い開始21時間(残り3時間)地点で総合21位ST-TCRクラス4番手にまでランクアップ。ST-TCRクラス3番手の#19アウディとの差も6ラップまで詰め寄っていた。
12時40分頃に白坂選手、13時50分頃に田ヶ原選手へとタスキをつなぎ開始24時間地点で総合19位ST-TCRクラス4番手で完走し過酷な24時間レースのチェッカーを受けました。チームのほとんどが24時間レースは初の体験でした。また本レースも接触によるトラブル以外メカトラブルがなかったことでロングドライブの可能性を見出せ非常に良い経験となったことは言うまでもありません。
序盤に順位を下げましたが、深夜以降のレース展開はドライバー・メカニックともにやるべきことはすべてやりきり疲れが出始める深夜早朝もミスなく完璧な仕事ぶりでした。
今回も多くのお客様・関係者に応援いただきひとりでも多くの方にレースを楽しんでいただけるようマネージャー、裏方スタッフも不眠不休でレースを支えました。4位完走でしたがプリズマ☆イリヤ RS3LMSは年間ランキング2位をキープしたまま折り返すことになります。
次戦オートポリスラウンドは5時間レースとなることからさらなる激戦が予想されます。チーム一丸となって次戦でも優勝を目指す走りを行いますので、今後ともAudi Team DreamDrive プリズマ☆イリヤRS3 LMSの応援をよろしくお願いします。
ピレリスーパー耐久シリーズ2018 富士SUPER TEC24Hラウンドを終えて
代表・監督 澤田栄宏
「序盤に接触を起こし順位を下げましたが、その後は諦めず果敢な走りで完走チェッカーは非常に多くの経験を得ることができました。多くのお客様に支えられ応援いただきましたが、表彰台に一歩及びませんでした。次回は必ず良い結果が出せるようチーム一同やりきります」
「開催会場のFSWでも多くのお客様に楽しんでもらえるイベントが沢山準備されていましたのでご来場の方々にとっても思い出に残る24時間だったかと思います。地元との調整など尽力いただいたFSW、事務局、そして45号車を応援いただいた関係者、協賛企業様、そしてチームのメンバー本当にありがとうございました」
Aドライバー 竹田直人
「初めての24時間耐久を完走しました。助っ人を呼ぶことはあまりせずレギュラーメンバーにこだわりました。唯一、私のレーシング人生のメンターの一人“よっちゃん”を召喚しての参戦です」
「練習走行が少なく予選では一発の速さがなかったですがそれは耐久レース気にせず決勝を迎えました。夜間の走行中にクラッシュをして大きなタイムロスをしたこと反省しています。それでもコースに返してくれたメカニックには感謝しております」
「ドライバーは交代ですがメカニックやマネージャーは交代できません。24時間は本当に大変でした。さぞかし応援も大変だったかと。みなさんありがとうございました!」
Bドライバー 白坂卓也
「自身初の24時間レースとなりましたが、5スティントを走り切れたことは自信に繋がりました。厳しいレース展開でしたがチーム一丸となり乗り切れた経験は、結果以上に得るものがあった完走だったと思います。今回も応援ありがとうございました」
Cドライバー 田ヶ原章蔵
「富士では50年ぶり、僕自身としては15年ぶりの24時間レースでした! 今回も素晴らしい体制を用意してもらい、攻めて攻めて攻めた結果でした。結果は残念でしたが、我々は攻めて勝ちたいのです!」
「それにこたえるように最高の車を用意してくれた、チーム、メカさん、裏方のすべての方々、そしてアウディさんにも心より感謝申し上げます。最後の最後まで、全快でアタックできる最高のクルマでしたからね!! 我々は速いし、強い!
ですが、力を出し切れていない、奢り、過信、ミスをなくし、そして個の力をさらにパワーアップして次戦以降に挑戦し続けます!」
「応援して下さったすべての方々、45号車全ての関係者様、本当にありがとうございました! お疲れ様でした。このチームで、このメンバーで必ず勝ちます!! 引き続きの熱い応援宜しくお願い申し上げます!」
Dドライバー 奥村佳之
「今回富士24時間レースに、ドリームドライブの一員として、最高の順位でチェッカーフラッグを受けるには……と考えると、事前テストもなしの状態では乗らないこともと考えていました」
「それでもチームのみなさんの計らいにより走行時間を与えてもい、走り出せば天気も良くこのまま富士山に登って行ってしまうような気分でドライブできました。みなさんにとっては長い長い24時間も、僕だけはあっと言う間の夢のような時間でした。ありがとうございました」
(c)2016 ひろやまひろし・TYPE-MOON/KADOKAWA/「プリズマ☆イリヤ ドライ!!」製作委員会
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