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デ・トマソがレーシングカーを作っていた! 意外と知らない「スポーツ5000」「スポーツ5000スパイダー」とは

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デ・トマソがレーシングカーを作っていた! 意外と知らない「スポーツ5000」「スポーツ5000スパイダー」とは

 この記事をまとめると

■デ・トマソが世界スポーツカー選手権参戦のために製作したのが「スポーツ5000」だ

デ・トマソ・パンテーラはなんと24年間も生産されていた! スーパーカーブームを支えた伊&米コラボマシン

■Can-Amのレギュレーションにあわせた「スポーツ5000スパイダー」も製作された

■デ・トマソが製作した数少ないレーシングカーとして、その価値は未知数だ

 目指したのは世界スポーツカー選手権とCan-Amの参戦

 1966年の世界スポーツカー選手権にエントリーするために、デ・トマソが生産したコンペティションモデルが、この「デ・トマソ・スポーツ5000」だ。デビューは1965年のトリノショー。この時点では、さらにデ・トマソの前にギアの名前が掲げられたり、また開発時には「デ・トマソ70P」や「デ・トマソP70」とも呼ばれたりしたモデルだが、こちらも1965年の同ショーで発表されている。

 その流麗なスパイダーボディは、前後してシェルビーアメリカンの、デイトナコブラをデザインしたことでも知られる、かのピート・ブロックの手によるもの。製作はトリノのファントゥッツィ社がそれを担当し、デ・トマソのファーストモデルであるヴァレルンガから使用されてきた強固なシングルビームを持つアルミニウム製のバックボーンフレームを核に、そのフロントにはサスペンションやステアリング一式を、またリヤには同じくサスペンションとパワーユニットを搭載するという設計を採用している。パワーユニットも構造体の一部として機能させていることもまた、この70Pの大きな特長だった。

 このモデルをデ・トマソが開発した目的が、モータースポーツへの参加にあったことは最初に触れたが、それは実際にはヨーロッパのみならず、当時急成長していたアメリカのCan-Amシリーズも視野に入れたものだった。

 搭載されたエンジンは、アメリカ流に表記するのならば、シェルビー製の289立方インチ(4736cc)V型8気筒OHV。

 ただし、この70PではCan-Amのレギュレーションを考慮して、最大で7リッターのエンジンを搭載できるよう(したがって車名は70P、もしくはP70とされた)設計されている。参考までにこの4686cc仕様でターゲットとされていた最高出力は526馬力であったという。

 レースでの結果は残せなかったがその価値は未知数だ

 Can-Amレースのレギュレーションでは、ヨーロッパで行われている世界スポーツカー選手権に参加することができなかったため、デ・トマソは新たにグループ4のレギュレーションに合致させるための70Pの増産に迫られる。必要な台数は50台だが、デ・トマソの社内ではそれとは別に「スポーツ5000スパイダー」という別のマシンの製作が進められていた。

 シャシーやボディデザインは70Pのそれに似ているものの、FIAのレギュレーションに合わせワイパー付きの背の高いフロントウインドウやオーソドックスなドアなどを新たに装備。特例でエントリーが可能になったデビューレースは1966年の世界スポーツカー選手権、ムジェロ500kmだった。しかし、結果はマシントラブルによるリタイヤ。

 以来、このスポーツ5000スパイダーは、デ・トマソ社が解散するまで大切に同社のファクトリーで保管されていた。70Pがフルレストアされているのとは対照的に、オリジナルのコスメティック・コンディションが保たれているのも、その趣を好むコレクターにとっては大きな魅力といえるだろう。

 現在カリフォルニアにあるスポーツ5000スパイダーに、RMサザビーズは90万~110万ドル(オークション当日のレートで1億2330万円~1億5070万円)の予想落札価格を掲げたが、残念ながら今回のオークションでは流札という結果になってしまった。デ・トマソで製作された数少ないレーシングモデル。その価値が認められる日は、きっといつか訪れるに違いない。

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みんなのコメント

2件
  • マッハGOGOGO世代のレースカー 味がある
  • 若者はこういうデザインをどう受け止めるのかな。
    オッサンとしては世代だしカッコいい!こんな昔によく美しい曲線を作れたもんだ!と感心します。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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