2017年2月
■2017年2月
ボルボ・カー・ジャパンは、新世代プラットフォームを採用した最上級ワゴン、「V90」を2017年2月22日に発表、同日に販売を開始した。
90シリーズは将来の電動化やコネクティビティ、自動運転を見据えて開発された新世代プラットフォーム「スケーラブルプロダクトアーキテクチャー(SPA)」、自社開発のパワートレーン「Drive-E(ドライブ・イー)」を採用するボルボのフラッグシップ。V90はV70の後継となるモデルで、1946年に販売開始された「デュエット」に始まる60年以上にわたるボルボエステートの歴史を引き継ぎ、快適な乗り心地と高い安全性、さまざまなライフスタイルのニーズに応える多用性を兼ね備えたプレミアムワゴンだ。
「V90」はスポーティさと上質さを兼ね備えたエクステリアデザインが印象的。フロントマスクは北欧神話に登場するトール神(雷神)が持つハンマーをモチーフとしたT字型LEDヘッドライトを配し、新しくなったアイアンマークを用いたフロントグリルを採用する。ボディは全長4935mm×全幅1890mm×全高1475mm。V70と比べると全高は70mm低く、ホイールベースも125mm長い2940mmとなった。そのためワイド感が強調されており、プロポーションもFFベースらしからぬ均整のとれた仕上がりだ。
インテリアは新世代ボルボとなったXC90のデザインをさらに進化させた仕上がりを見せている。センターディスプレイには9インチの縦型タッチスクリーンを配し、ボタンの数を必要最小限に絞り込んでオーディオやナビの操作をタッチスクリーンに集約。ドライバーが直感的に操作可能な独自のシステム「SENSUS(センサス)」も進化し、走行中に必要な情報は新たに設定された12.3インチのドライバーディスプレイ(メーターパネル)と、ヘッドアップディスプレイに表示する。さらに音声認識機能により、ナビゲーションの目的地設定やエアコンの温度調整、メディアの操作などを発話で行うことができる。「SENSUS」はApple社のCarPlayとGoogle社のAndroid Autoに対応し、さらにスウェーデン発の音楽配信アプリ「Spotify」を車載アプリとして搭載している。
エンジンはボルボの新世代パワートレーン、2.0リッター直4「Drive-E」を採用。235kW(320ps)、400Nmの直噴ターボ+スーパーチャージャと65kW(87ps)、240Nm電気モーターを備えた「T8ツインエンジン」が設定される。トランスミッションは8速ATとなり、AWDが組み合わされる。
安全装備に関しては2つの世界初となる安全技術を標準搭載する。「ランオフロードミティケーション」はXC90で発表された「ランオフロードプロテクション(道路逸脱事故被害軽減システム)」に加え、道路逸脱事故回避を支援する機能。道路からの逸脱が差し迫っていると予測された場合のみシステムが介入し、ステアリングを自動的に操作して道路上に戻すもの。この操作で十分に対応できない場合はブレーキも作動させて減速させる。これらは車載カメラが車線境界線や側線を検知した状態で速度が65~140㎞/hで作動する。
もうひとつが「大型動物検知機能」で大型動物との衝突被害の軽減を目的としたシステムだ。従来の「シティセーフティ」の歩行者、サイクリスト検知機能に加えて、速度が4㎞/h以上で前方に大型動物が検知された場合に警告を発し、運転者が警告に反応しない場合に0.3Gの制動力でブレーキが作動する。衝突時には約15㎞/hの減速を可能とするものだ。これは70㎞/h以上の高速走行時にもっとも効果を発揮し、夜間にヘッドライトで照らされている場合でも検知を行うという。
車線維持走行をサポートする「パイロットアシスト」も標準装備され、90シリーズでは前走車なしでも車線維持走行が可能となり、作動域も140㎞/hまでに拡大。フロントウインドーに設置されたミリ波レーダーとカメラが一体となったユニット、「ASDM(アクティブセーフティドメインマスター)」が車線の検知と前方をモニターし、車線の維持と前方車両の距離の維持をサポートする。