トヨタ プロボックスバン 「トヨタの本気。」のユーザーレビュー

トヨタの本気。

2024.2.11

総評

僕が思う”トヨタが本気出して作ったクルマ”はハイエース・プロボックスそしてセンチュリーだと思っています。
自動車としての完成度を頭の良い人達が設計して、入念なテストをして、フィードバックし続けるクルマ。

満足している点

日本の労働を支えるライトバン。
装備、値段、耐久性。どれをとっても一流。

不満な点

やっぱりフィールダーの方が自家用では満足度が高いと思われる巧妙な安っぽさ。

デザイン

4

ビッグMCしてフロント回りが変わろうと、ライトバンであることに変わりはなく。

ADがバンパーからグリルまで無塗装仕様では「顔が真っ黒」なのに対し、車体色多めなのが相違点。あと、商用と乗用を兼用しない専用設計だからこそ、テール側がぶった切られるADよりもきれいなテールゲートのデザイン。
コストを意識してマルチリフレクター式のハロゲンランプも○
「コーナーレンズが割れたら分割で交換できる」ように見えてヘッドランプと一体型。まあ、プロボックスの中古ランプなんて安く流通しているから良いのか・・・。

インテリアは前期が初代ヴィッツのような丸みを帯びたインパネに、引き出し式テーブルやフタ無しグローブボックスといったデザインでした。
現行型になってかなり直線的になり、ペットボトルどころか紙パック飲料まで立てられるドリンクホルダーに進化したのはユーザーの意見を反映させた結果でしょう。
スマホホルダーは使い方が分からず。画面見えなくない？ｗ
メーターは相変わらずの単眼式ですが、外気温・燃費などのマルチディスプレイが付くようになってこちらも進化。
禁煙の流れで大型の灰皿は灰皿自体が消滅。「クルマだから吸える」という層は良いのかな、と思ったりしながらも、時代的に喫煙者が減っている事の結果なのでしょう。
鍵付きボックスは少しばかり小さくなって引き続き設定。
大きく変わったインパネに対して、よく見るとドア内張りは全く変わっていないんですよね。

走行性能

4

1.5LエンジンにVフレックスフルタイム4WD。
リアサスペンションはFFと同様のトレーリングリンク車軸式。
乗り心地は４WDになるとリアサスペンションがマルチリンクになるADバン比で平凡的。ただし、高速路でも安定した接地感と、優れた静粛性をこの形式で実現していることが地味に凄い。

雪上性能はごく限られた環境でしか試せませんでしたが、ヤリスHVなどのE-Fourと比較すると面白味は無く、やはり生活四駆を抜け出せていない印象。とはいえ、凍結路や圧雪時の発進には安心感を与えてくれるので、選べるなら4WDが良いと思います。

ビッグMC仕様でトランスミッションがCVTになり、商用車でも耐久性を確保したCVTが出来たと思って要注目。
ゲート式シフトレバーを採用、ガソリン車なのにD-Sレンジの下がBレンジ。これはちょっとダメ、Lにするべき。
まだ4000km弱の走行距離なので、全く不満はなく、カローラフィールダーなどと比較しても遜色なさそうです。

電動式になったパワーステアリングは軽すぎ。前期の方がしっとりとして好きでしたね。

乗り心地

3

耐久性と乗り心地の両立をしたサスペンション。
25万キロ超の初期型も職場にありますが、全くヘタる気配を見せない足回りは驚異的。
ADバンの方は20万キロでもヤレが目立つので、そこはトヨタらしい耐久性が光りますね。

方向性としてはビッグMCでサスペンションが柔らかくなっている印象。
前期の方が突っ張っている感じがあり、5ナンバー乗用車と変わらない乗り心地に近づきました。

下位グレードのヘッドレスト一体型シートも、さすが長距離移動を考慮したクルマらしく、疲れにくい。
生地自体が滑りにくいし、ウレタンもヘタりを抑えつつも疲労感を減らそうと努力した形跡アリ。
ちょっと座面長が短めなのは、アップライトな着座姿勢を意識しているからでしょうか。

「ライトバン」と想像するよりも快適な乗り心地。一方、走らせる楽しさというか面白さはＡＤの方があります。

積載性

5

ライトバンといえばコレ。

とにかく載る。
スクエアだから載せやすい。

荷室の安っぽいビニールの床も、荷物の出し入れがしやすく、ホウキで掃けばすぐ綺麗になります。

燃費

4

WLTCモード14.6km/Lに対して16.6km/Lを記録。
アイドリングストップも付かない普通のガソリン4WD、しかも積載性重視のギア比を考慮すれば十分に良いと思います。

価格

5

ベーシックグレードの方でもAC100Vコンセント、USB電源、オートマチックハイビームが装備されておりガソリン4WDは182万円。
よくこのお値段で出していますね・・・。

故障経験