トヨタのＭ２０Ａ-ＦＫＳエンジンはアルミブロックですが、シリンダー壁面は ① アルミ鋳造する際に鉄製のスリーブ（ライナー）を鋳込んだ仕様

Question

② アルミのシリンダー表面に溶射などで鉄の層を形成した仕様
③ 特ハイシリコンのアルミ合金を用いてシリコンの結晶を析出させた仕様
の何れかご存じの方が居られましたら教えてください。

お訊きする理由ですが、ここ３０年程の間、歴代の愛車のエンジンオイルに「有機モリブデン系」の添加剤を使ってきており、確かに無添加よりもメリットはあるようなので、今度購入するＭ２０Ａ-ＦＫＳエンジン搭載のカローラスポーツでも引き続きそうしたいと思っています。

ただ有機モリブデン系のエンジンオイル添加剤の使用上の注意点として、上記①や②のようなシリンダー壁面が「鉄」であるものに対しては全く問題無いものの、③のような析出させたシリコンの結晶に、ちょうどミクロなボールベアリングのような役割をさせている仕様のエンジンだと逆に弊害が生じるので、添加剤によっては使用を控えるように注記されていたりするからです。

もっと不特定多数の国外でも販売する車種・エンジンですし、それらの仕向け先の中にはガソリンの品質に不安がある国や地域もあったりしますから、実際に初代セルシオのＶ８エンジンを開発する際も一旦は③のような「ライナーレス」仕様を検討はしたものの見合わせたという話を聞いたことがあります。
ましてやコスト面でも制約があるカローラなどにも用いるエンジンなので、まずシリンダーの摺動面も特に凝った作りとはせず、最も一般的な①の「鉄製スリーブ」仕様だろうとは思いますが、しかしトヨタでもかつてのセリカの最終型だったかの１.８リッターエンジンで③のライナーレス仕様を用いていたことがあったようです。

その辺りを確かめたくてトヨタ自動車のＨＰに掲載されているＭ２０Ａ-ＦＫＳエンジンのカットモデルの写真の画像データとして大きい高精細な方をダウンロードしてみましたが、生憎とカットしてある端面はメッキか塗装かで仕上げてあって鉄スリーブが居るのか居ないのか判りませんでした。
またトヨタ自動車のお客様相談室にも問い合わせてみましたが、応対された女性スタッフの方は、そもそも有機モリブデン系のエンジンオイル添加剤だとか、ブロックの材質にアルミ合金を用いたエンジンでのシリンダー壁面の造作として鉄製ライナーを用いる仕様と用いない仕様とがある事も全くご存じなかったので要領を得ませんでした。

Answer 1

新型車解説書のシリンダーブロックの頁によれば、
アルミ合金製シリンダブロックに、鋳鉄製のシリンダーライナーを採用しています。

シリンダーライナーは、遠心鋳造鋳鉄の鋳ぐるみライナーとなっており、
アルミ合金製シリンダブロックとの接合面にスパイに―処理を行ことで、密着性を高めて放熱性を向上させ、ピストン温度の低減とボア変形を抑えています。

ですので、①になるのでしょうか。

③のライナーレス仕様は、ヤマハが開発した2ZZエンジンで、１９９９年のセリカ、続いて２０００年に出たカローラで採用されました。
オールアルミエンジンで、シリンダーライナーを廃止することで世界最小のボア間5.5ｍｍを達成し、軽量小型のエンジンとしています。
しかし、無縁ハイオク仕様エンジンなのにレギュラーガソリンを使ったためにエンジンブロックが溶ける・・・と言う不具合が多発してしまい、
「絶対にレギュラーガソリンは使用しないでください」とメーカーから注意書きが出たエンジンですね。
当時、トヨタ系ディーラーにいたので、懐かしい話です。

質問者からのお礼コメント

懇切極まる詳細なご教示を、しかも早朝のこの時間に有難うございました。
実は私は日産のエンジン製造ラインでのアルバイトで学費を工面した恩義もあっての日産党でしたが、同社ではほぼ純エンジン車が無くなったのを機に、この月末で仕事用のＡＤバンをカローラスポーツに乗り換えます。そうした矢先、トヨタ系ディーラーでの勤務経験もお持ちの方から懇切なご教示を頂けたことも幸先よく、初めてのトヨタ車として大切にします。