日産 キャラバン 「実用性重視ならいい選択」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

実用性重視ならいい選択

2023.9.13

年式

2021年10月〜モデル

総評

荷物を運ぶためのバンであり、プロユースがメイン。だから快適性や走行性能といった一般的な乗用車の基準で語るのはちょっと違いますよね。まず大事なのは荷物をしっかり積めることであり、そういう意味ではミニバンには負けない性能を誇ります。ハイエースとどっちがいいのか？　そう問われれば、「好み次第で」じゃないでしょうか。

満足している点

荷物がたくさん積めること。それに尽きます。

不満な点

乗用車（ミニバン）と比べての率直な印象を言うと、価格が意外に高いですね。だからそこに「ミニバンでは実現できない何か」を求める人ではないと選ぶ価値はないし、逆に「何か」が明確にある人ならばキャラバンなど商用バンでなければ得られない利点がしっかり感じられるはずです。

デザイン

3

デビューはもう10年以上前ですが、古さを感じないのは基本的なデザインが秀逸なことと、幾度かのリフレッシュで鮮度を保っているからでしょうかね。個人的には光の当たり方でブリスターフェンダーのように見えるフェンダーの処理がお気に入り。えっ、「全体の雰囲気がハイエースに似ている」って？　きっと気のせいじゃないでしょうか。

走行性能

2

ガソリンとディーゼルはどちらが運転しやすいか？　オススメはやはりディーゼルですね。低回転トルクが太いので走り出しが力強く、楽に運転できます。2022年にディーゼルエンジンが新タイプになって基本性能が大きく上がりました。振動や静粛性など快適面も向上したのがうれしいですね。

乗り心地

2

もしもミニバンと比較するのであれば、いい評価をするのは難しいでしょう。重い荷物まで積むことを前提に車体やサスペンションを設計した商用車と、そこまでの負荷は考えずに快適性を重視して作ったミニバンでは根本的な設計思想が違います。なので仕方がないことですけどね。ただ、以前の世代に比べたら乗り心地＝振動や騒音はやっぱり減っているので、そういう意味ではしっかり進化しています。あと、快適性でいえばパワートレインはガソリン車が優勢ですね。そもそも特性として音や振動が抑えてあるので。そうそう、そもそもシートなどの作りもミニバンに比べると快適性重視ではありません。特に2列目ではそれを強く感じるのではないでしょうか。

積載性

5

それはもう……同じボディサイズのミニバンと比べたらレベルが違いすぎます。もっとも差があるのが、床の前後長ですね。仕事はもちろん、自転車やバイクをはじめ趣味やレジャーで荷室をフル活用する人にも魅力的なパッケージングであることは間違いありません。それが、ミニバンには真似できない性能です。ところで、あのライバルと比べたらどうか？？　多少の違いはあれど、互角です。

燃費

3

売れ筋となっている「プレミアムGX」の2WDモデル（2023年夏時点での最新仕様）でいえば、WLTCモード燃費はガソリン車が8.5km/Lでディーゼル車は11.3km/L。エンジンの違いによる車両価格差が65万円以上あるので「ディーゼルのほうが経済的」とは言い難いですが、燃費でいえばディーゼルが優勢。メカニズム的に不利な面があるので、いずれにせよ一般的な乗用車と比べると燃費レベルは高くないですが……。

価格

3

プライベートユースにも使える快適仕様の「プレミアムGX」だと、300万円オーバー。意外にいいお値段しますね。もし「たくさんの荷物を積みたい」といった特別な要求がなければ、素直に「セレナ」などミニバンを選んだほうがいいでしょう。