三菱 eKクロス 「「NMKV」発の2代目ハイトワゴン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
4
燃費
3
価格
3

「NMKV」発の2代目ハイトワゴン

2022.12.21

年式
2019年3月〜モデル
総評
ekクロスは、三菱と日産の合弁会社である「NMKV」において企画・開発マネジメントが行なわれ、最先端の開発・生産プロセスのもと、プラットフォーム/エンジン/CVTといった主要コンポーネントを刷新して作られた軽ハイトワゴンだ。ACC機能と車線中央維持機能を組み合わせた運転支援技術「MI-PILOT」をはじめとした先進技術を搭載し登録車と肩を並べる快適性を有する。走行性能の高さも美点だ。
満足している点
ともかくそのスタイリングだ。三菱が伝統的に受け継いでいるRVの強みを継承する「デリカD:5」をそのまま軽自動車にしたかのようなデザインは魅力的だ。実用性もしっかり高い。ekクロスはekワゴンと基本的な装備ラインを合わせ、部分的にアウトドア色を高めた特性変化で差別化を図っている。つまり使い勝手や乗り味はしっかり実用車でありながら、遊び心が内外装にちりばめられている。確かに価格は少し高めだが、内容からすれば納得だ。
不満な点
せっかくであれば走破性能をさらに向上させてくれれば良かった。軽自動車で開発コストが限られていることから、4WD機構のハード面の大幅な改良は難しいにしても、たとえば最低地上高を10〜15mmほどアップさせるなどすれば、一層、アウトドアイメージが強くなっただろう。その際、ホイールストロークの僅かな延長と少しだけ大きなタイヤを装着する程度であれば無理も少ないか。価格は多少アップするとしても、クラス唯一になればさらに注目される。
デザイン

4

2019年に発売されたekクロス。同時期にekを名乗るもう一台「ekワゴン」があった。こちらは全高やドア形式も同じだが専用デザインをまとい乗用車ライクなイメージでターボエンジン搭載車もなかった。その点、ekクロスは同社の人気SUV「デリカD:5」をイメージさせるタフなデザインを採用。これが大いに支持されて販売直後から人気を博した。「RVは三菱」という長年のユーザーだけでなく、ターボを用意したことで20代のユーザーからも評価された。
走行性能

3

「G」の4WDモデルに試乗。ハイブリッドシステム(モーター出力2.7PS/モータートルク4.1kgm)のおかげで、タイヤ一転がり目の出足から力強い。続いてターボエンジンの「T」の4WDモデル。さすがに常用域でのゆとりは大きく、これなら山道や多人数乗車でも不足ないはずだ。トランスミッションであるCVTに、トルコン方式の有段ATのようなエンジン回転数制御を行うステップ機構を三菱の軽自動車として初採用したことも功を奏した。
乗り心地

3

軽快でありながら路面の凹凸を通過した際の衝撃には角がなく、しっとりとした印象。その印象は高速道路でも変わらずだ。直進安定性が高く、車高は高いものの横風への耐性も強く、乗員が不安になるほどフラれることはなかった。しかし駆動方式で乗り味の違いが出た。それはリヤサスに起因にする。FFのトーションビームから4WDではトルクアーム式3リンクに変更。大きな凹みを通過した際の衝撃値はトーションビームのFFが少ない。
積載性

4

ラゲッジルームは後席のスライド機構を使うと利便性が高まる。具体的には後席背もたれ部分の中央上部にあるレバー操作で車内と車外の両方から後席を前後に移動させることができる。その際、床下には分割式ボードがあるので、前後に移動させても隙間ができない。地味に便利だ。後席は分割可倒できるので長尺物も積載できる、床下にはアンダーフロアボックスも備える。また、車内各部には小さな収納スペースが設けられている。
燃費

3

ハイブリッドモデルに試乗。市街地での一般的なアクセルの踏み方では、ハイブリッドのないNAエンジンを搭載するekワゴンに対してアクセル開度は20%以上小さくてすむ。また、CVTの変速レシオもハイギアード側へ移行しやすくなってキャビンは静か。常用エンジン回転数はekワゴンより1000回転弱低く保つことができた。また、燃費値はWLTC市街地モード燃費を30%も上回る20.7km/Lと、同条件のekワゴンよりも10%以上、優秀だった。
価格

3

2019年当時の価格は、「M」のFFモデルが1,414,800円、同4WDモデルが1,544,400円。中間グレードの「G」のFFモデルが1,555,200円、同4WDモデルが1,684,800円。そして、トップモデルにしてハイブリッド ターボエンジンの「T」のFFモデルが1,636,200円、同4WDモデルが1,765,800円だ。「M」を除く全車にメーカーオプションとしてMI-PILOTを含む「先進快適パッケージ」が設定されていた。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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