ホンダ N-VAN e: 「商用に特化したBEV軽バン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
5
燃費
5
価格
4

商用に特化したBEV軽バン

2024.12.23

年式
2024年10月〜モデル
総評
軽商用バンである内燃機関モデルのN-VANをベースに電動パワートレーンを完全移植したBEVモデル。助手席側のスライドドアには柱がないため広大な開口面積を誇るとともに、助手席を床下にしまい込むことができるためフラットで長い室内スペースの確保ができる。しかも電動化に伴っての積載スペース減少はほぼゼロ。二次バッテリーは床下に配置。強固なバッテリーケースに守られている。
満足している点
使い勝手をそのままにBEV化したことだ。働く車の環境を意識して、これまで普及してきた内燃機関の軽バンと同じような動力性能になるよう、あえて出力特性をなだらかに設定している。その分の余力はすべて電費性能の向上に当てた。とはいえ乗り味は最新のHondaBEVそのもので、乗り心地から電動パワーステアリングのフィールまでこれまでの商用軽バンとは全く異なり乗用車フィーリング。ここは競合の三菱「ミニキャブEV」に対するアドバンテージだ。
不満な点
車検が普通貨物車と同じ2年と短い。その後は普通車と同じ2年ごとの車検だ。次にタイヤサイズ。最大積載量(N-VAN e:では150〜350kg)に対応するためロードインデックスと呼ばれるタイヤの耐荷重がいっそう、厳しくなる。重さに耐える反面、乗り心地や走行性能では不利になる。購入後も、決められた耐荷重を守らなければならず、タイヤの選択肢が狭くなる。
デザイン

5

垢抜けたデザインは独創のHondaならでは。働く車をイメージさせつつ、アウトドアフィールドでのタフな環境での使用も想定できる絶妙な造形だ。走行シーンで確認してみると、うまく街に溶け込んでいることがわかる。ボディカラーもポップなイエローカラーを用意するなど従来の働く車から一歩抜きん出た。インテリアのデザインも秀逸。運転席&その後の席のみとなる二人乗り仕様では、助手席エアバッグが必要ないことから極限までスペース効率を高めている。
走行性能

5

速いから5点なのではなく、商用に特化した走行モードを専用開発したからだ。筆者は過去、軽商用バンでのルートセールス経験があるが、時間に追われてくると運転操作のうちアクセルの踏み込み量が多くなりがちに。そうなると積荷に対して優しい運転ではなくなってしまう。N-VAN e:は多少ラフなアクセル操作であっても必要とされる加速度に落ちつかせている。もちろん、グッと踏み込めば急加速するので心配なし。
乗り心地

4

乗用車目線では2点だが、軽商用バンとして考えれば4点。これでタイヤからのパターンノイズが減少すれば5点。冷静になって評価すれば、最大積載量の350kgを許容すべく足回りは引き締められているので空荷の状態ではややハード。ただし、重い二次バッテリーがホイールベース間に配置されているため内燃機関モデル(空車では前荷重多し)と比較すれば断然、乗り心地が良い。
積載性

5

本当なら10点満点だ。1人から4人乗りまでの幅広いバリエーションを誇るが、いずれもボディは同じで車内の座席配置により異なる。1人乗りの割り切りは潔い。荷室の最大長は2645mm! もっとも利便性を考えたら4人乗りがベスト。助手席/後席ともに前倒しすることで完全にフラットな床面になる。シートの床面にあたる部分は硬い素材が用いられ積載時の加害性もない。
燃費

5

BEVなので電費性能として評価。二次バッテリー容量は21.9kWhと競合モデルより大容量。WLTC値による一充電あたりの走行可能距離(AER)は245kmを誇る。AERが足りないように思えるが軽バンの1日あたり平均走行距離は100km未満だ。「どんなシビアな環境でも100km走ります」と開発陣は豪語する。ルートセールスモードで走らせるとWLTCの市街地モード電費である11.76km/kWhの約80%にあたる9.3km/kWhを記録した。
価格

4

「e: L4」(2/4人乗り)269万9400円と「e: FUN」(2/4人乗り)291万9400円の2タイプ。これにサブスク方式のHonda ON限定タイプとして、「e: G」(1人乗り)が月額 3万3000円〜(月間走行距離3000kmの場合 )と「e: L2」(1/2人乗り)が月額 3万4730円〜(同)の2タイプ。ここから減額要素として、CEV補助金が自家用(白ナンバー)で55万円、事業用(黒ナンバー)で約100万円。さらに自治体によるが最大で85万円が上乗せされる。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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