2016年5月
■2016年5月
フェラーリ・ジャパンは2016年3月のジュネーブモーターショーで披露された「フェラーリGTC4ルッソ」を同年5月10日、極東エリアでは初めて日本で発表された。
シューティングブレーク様式のスタイリングからもおわかりのように、GTC4ルッソはFF(フェラーリ・フォー)の後継となるモデル。FFはフェラーリとしては初の4輪駆動を採用して話題を集めたが、GTC4ルッソは第4世代サイドスリップコントロール(SSC4)をベースに、後輪操舵機能を統合し、電子ディファレンシャル(E-Diff)、サスペンションダンピング(SCM-E)とも統合制御される4RM EVOが採用される。これによりオンロードはもちろん、濡れた路面、低ミュー路、雪道などのあらゆる路面で最適なトルク配分が行われ、安心感のある走りが得られるようになっている。
搭載されるエンジンはFFと同じく6.3リッターV12気筒の自然吸気ユニット。最高出力507kW(690ps)、最大トルク697Nmのパフォーマンスにより、0-100㎞/h加速3.4秒(FFは3.7秒)、最高速335㎞/hの高性能を発揮する。最大トルクの80%をわずか1750回転で発生させる柔軟性も持ち合わせている。トランスミッションは素早いシフトチェンジの得られる7速F1 DCTだ。スポーツドライビングではフェラーリならではの豊かでスリリング、クルージング時には控えめで耳に心地よいハーモニーを響かせる。
シューティングブレークのフォルムはFFと共通ながら、フロントおよびリヤのデザインはリファインされて洗練度を大幅に高めている。フロントエンジンのファストバックシルエットは4名乗車を可能とし、450リットル(最大時は800リットル)のトランク容量を確保する。インテリアはドライバーとパッセンジャーが気持ちよさや快適性を共有できるよう、多彩な機能を備えたデュアルコクピット・アーキテクチャーを採用。新設計されたコクピットはコンパクトなステアリングホイール、10.25インチHDタッチスクリーン搭載の最新ナビゲーションシステム&インフォテイメントシステムを装備。インテリアはラグジュアリーなリビングの雰囲気で仕立てられ、厳選した素材を組み合わせて使用することでスポーティかつエレガントな仕上がりを見せている。
なお、GTC4のネーミングは往年の330GTCおよび2+2モデルの330GTC、ハイパフォーマンスとエレガンスを融合させた250GTベルリネッタ・ルッソなどの名車に由来したもので、4は4名乗車を意味する。
■2017年3月
フェラーリ・ジャパンは、伝統的な4シーターV12GTのパフォーマンスを向上させたフェラーリV8エンジン初の4シーターモデル、GTC4ルッソTを2017年3月16日に販売開始した。
GTC4ルッソはファストバックのようなシルエットを持つ、流れるようなラインとテーパーシェイプのシューティングブレーククーペ。今回追加されたGTC4ルッソTもまたスポーツ性と多用途性を備え、普段使いからスポーツ走行にまで応えるモデルとしてデザインされている。
搭載される3.9リットルV8ターボは、最高出力449kW(610ps)、最大トルクは3000~5250rpmの幅広い回転域で760Nmを発生する。6.3リッターV12エンジンのGTC4ルッソと比べると最高出力ではやや劣るものの、最大トルクでは上まわる。このパワートレーンと後輪駆動の組み合わせによって車両重量は1740kg(乾燥重量)に抑えられており、動力性能は0-100km/h加速が3.5秒、最高速度320km/h以上を実現しているという。
リヤ寄りに設定された前後46:54の重量配分、専用セッティングを施した4WS(4輪操舵機構)、電子制御ディファレンシャル、磁性流体式SCM-Eダンパーコントロールなどにより、限界域でのコントロール性を向上させている。燃費についてもV12エンジン搭載モデルに対して30%向上しており、100kmあたりの燃料消費は11.6Lを実現している。