100台限定のコンプリートカー「S60/V60ポールスター」に試乗
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:小林 俊樹、ボルボ・カー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:小林 俊樹、ボルボ・カー・ジャパン
新ポールスターエンジンは迫力満点だ。また、今回から新機能として「スポーツ+」モードを追加。ノーマルでもスカッとぬけた快音は、スポーツ+モードでは、まさにいい意味で下品な爆音となる。
スポーツ+モードは、シフトレバーをマニュアルスロット側に入れて、ステアリングのシフトパドルを引いたままレバーを2回ティップすると起動する。起動時にメーター内の変速ポジション「S」のランプが一時的に点滅するが、それ以降はモードを示す警告・表示の類は出ない。
こうした控えめな表示パターンや複雑な起動方法は、なるほど“裏メニュー”的な悦びと捉えられなくもないが、少しばかり分かりにくすぎる気がするのも事実。ただ、ベースとなった現行60シリーズはモデル最末期にさしかかっており、新たなボタンや警告灯を追加するわけにはいかなかった……という事情があるのかもしれない。
中低速のレスポンスにも過給ラグの類がまったく感じ取れないのは、この領域をスーパーチャージャーが担当するからだろう。1500rpmも回っていれば、どんな瞬間からもすさまじいトルクを見舞ってくる。
3000rpm付近からさらに鋭さを増すのは高回転担当のターボチャージャーに切り替わるせいだろう。そこから6500rpmのリミットまでトルクの落ち込みを感じさせない……どころか、リミット付近までスパーンと気持ちよく吹けきるのは、さすが本物のハイチューンターボである。
まあ、昭和生まれのオヤジ世代としては、それでも直6特有の“泣き”への郷愁は捨てられないのだが、少なくとも性能は文句のつけようがなく、また競合他社の同種エンジンに対しても官能性も(いい意味での)下品さも負けていない。
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