ハイブリッドとEVの戦略 メルセデスはどう戦う?
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
ディーゼルとガソリンエンジンはこれからも極めて重要であるという点ではドイツメーカーは一致した意見を持っているが、メルセデスは意外にもハイブリッドに対して好意的だ。同社の長い歴史の中ではハイブリッドは何度も実用化を検討したことがあるという。しかし、その度に諦めたのはバッテリーの重量・コスト・効率の悪さであった。
それではメルセデスの電気自動車やハイブリッド戦略はどのようなものなのだろうか。昨年のフランクフルトショーで明らかになったメルセデスのハイブリッド戦略は迫力がある。まるで「ハイブリッド」という言葉を無力化するかのように、フルラインアップでハイブリッド化を進めているのだ。次ぎの4つの戦略が彼らの考える電気自動車へのロードマップである。
(1) マイクロ・ハイブリッドmhb
回生ブレーキ&MT車のアイドルストップ
ディープサイクルバッテリー
…2008年にスマートMT車で実用化
(2) マイルド・ハイブリッド~1モーター
回生ブレーキ&AT車のアイドルストップ
リチウムイオンバッテリー
…2009年「S400 Blue HYBRID」デビュー予定
(3) フル・ハイブリッド~2モーター
回生ブレーキ&アイドルストップ・電気駆動
ニッケル水素バッテリー
プラグインハイブリッドも可能性あり
2009年「ML450 Blue HYBRID」デビュー予定
(4) スマートの電気自動車
リチウムイオンバッテリー
(1)のマイクロハイブリッドはすでにBMWのMT車も採用するオルタネーターをブレーキング時だけに機能させる簡易型回生ブレーキだ。バッテリーを従来のものよりも深いところまで電力を取り出せるディープ・サイクルバッテリーを使う。
(2)の1モータータイプはガソリンやディーゼルエンジンと組み合わせることが可能で、従来のATにコンパクトなモーターを組み込み、バッテリーも小型なのでスペースの都合がつきやすい。
(3)のフル・ハイブリッドに関してはメルセデスはGMとBMWとアライアンスを組み、共同で研究調達を行いコストを下げている。
(4)のスマートEVはすでに100台規模でロンドンで実証実験を行っている。都市部の渋滞や排気ガスで悩むロンドン市にとって電気自動車は願ってもない移動手段なのである。
このようにメルセデスはいっきに電気駆動への意欲を見せている。メルセデスをここまで追い込んだのは間違いなくトヨタ・プリウスである。 世界初の量産ハイブリッドカー、プリウスが誕生してから、もう11年が経つ。ガソリンエンジンと電気モーターという、異なる二つの駆動系統を持つプリウスは今や世界中で販売されている。ハイブリッドは大きな流れで言えば、電気自動車実用化への布石と言えた。トヨタの環境技術を牽引してきた渡辺浩之技監は「ハイブリッドが作れないメーカーは燃料電池車も電気自動車も作れない」と断言する。その言葉は重く、プリウスの戦略は見事に成功した。
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