メルセデスAMG初の4ドアクーペは、家族の送迎後にサーキットに走りに行ける日常的な非日常ハイパーカー
掲載 更新 carview! 写真:望月 浩彦
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エクステリアに目を移すと、全長5054mm、全幅1953mm、全高1447mmという長くて広いボディは、メルセデス・ベンツの同じ4ドアクーペのCLSクラスより全長、全幅が約50mm、全高が約20mm大きいサイズ感。
ちなみに似た印象のCLSクラスと見比べてみると、GT 4ドア クーペはフロントとリアがよりアグレッシブになっているのはもちろん、サイドのウインドウが6ライトだったりと、それなりに大きな違いはありますが、街中ですれ違ったら、一瞬で見分けられるかは微妙かもしれません。
細かいところを見ていくと、フロントは縦ルーバーのパナメリカーナグリルやLEDヘッドライトが目立ちますが、その下側のロアーグリルには、電動モーターで開閉する「エアパネル」と呼ばれるルーバーが装備されていて、通常は閉じて空力性能を高めながら、冷却が必要な時だけ開くようになっています。
また、リアには80km/h超えると5段階でせり上がるリトラクタブル式のリアスポイラーが装備され、スピードやコーナリング、ブレーキングなどの状況に応じてウイングの角度を自動調整してくれます。ちなみに、最大角度の5段階目になるのは、フルブレーキングの際などだそうで、撮影用にその状態にすることはできませんでした。
インテリアは日常使用も重視すると言うだけあって、標準となるスポーツシートの他に、ラグジュアリーな白いナッパレザーシートなど、豊富なオプションから選択可能となっています。また、インフォテインメントシステムは、12.3インチワイドディスプレイを2つ並べる最新のメルセデス・ベンツ流ですが、さすがに、「ヘイ、メルセデス」のMBUXは装備されていませんでした。
また、ハイパーモデルだからこそ備えておきたい緊急ブレーキや緊急回避アシスト、レーンキープ、車線変更アシスト、アクティブクルーズコントロールなどのインテリジェントドライブ機能はひと通り備えていて、ロングツーリングでのイージードライブも可能です。
尚、3つのグレードに加えてメルセデスお得意の発表記念の特別仕様車、「GT 63 S Edition 1」をラインアップ。トップグレードのGT 63 S 4MATIC+をベースに、専用の鍛造21インチホイールや、大型フロントリップスポイラー、手動調整が可能な固定式のリアウイングスポイラーと大型リアディフューザーなどの空力パーツをセットし、インテリアにはスポーティなマットカーボンファイバートリムや、イエローステッチの入ったツートンナッパレザーシートなどの専用装備が採用されています。
メルセデスAMG GT 4 ドア クーペの納車は5月以降を予定していて、価格は税込みで、GT 43が1176万円、GT53が1593万円、GT 63 Sが2353万円、そして特別仕様車のGT 63 S Edition 1が2477万円となっています。
直接的なライバルとして想定されるのがポルシェ パナメーラですが、ベース・中間グレードでは価格、性能とも拮抗しつつも、トップグレードのGT 63 Sとパナメーラターボでは、ほぼ同じ価格帯ながらも、エンジンパワーは90ps近くGT 63 Sが上回っていて、AMG渾身のV8ツインターボエンジンがひとつ大きなアドバンテージと言えそうです。
実際、真剣に購入を考えている方にとっては、ベースグレートのGT43とトップグレードのGT 63 Sでは、ほぼ2倍という豪快な価格差となっているため、さほど迷うことなく、グレードを選べるような気がします。
しかし、このモデルの立ち位置としては、やはり630psのV8ツインターボのGT 63 Sを駆って、家族を駅まで送ったり、スーパーに野菜を買い物に行ったり、ドライブスルーでファストフードを買ったりしつつ、夜な夜な高速道路や、たまにサーキットを流すといった、日常と非日常の狭間をシームレスに行き来する豪快且つスマートな使い方をしていただきたいものだと、勝手に期待してしまうのでした。
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