好調ジープの世界戦略車、新型コンパスの買いモデルはFFか4WDか?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:小林 俊樹
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新型コンパスの骨格設計はレネゲードのそれをベースに、ホイールベースを伸ばしたもので、エクステリアデザインは“ミニ・グランドチェロキー”であることを意図的に演出している。
インテリアデザインもその延長線上にあり、内装の質感レベルは、まさしくチェロキーとレネゲードの中間。Bセグとみるとなるほど高級だが、高級化の波が著しい世のCセグ平均からすると、ちょっとカジュアルすぎる面もある。それはともかく、新型コンパスを含めたジープに共通するインテリアの美点が2つある。ひとつはさすがオフロード専業ブランドらしく、シートの着座姿勢がアップライトで健康的なところだ。他社SUVと較べても、ジープは総じて見晴らしよく、車両感覚もつかみやすく、後席も含めて居住性も高い。それは新型コンパスでも例外ではない。
もうひとつは、車両制御やコネクテッド機能など、いま考えられる最新機能をほぼ満載したインフォテイメントシステムに、日本仕様のナビもきっちりと組み込まれていることだ。日本での年間販売台数が1万台以下で、高級車ブランドでもないジープのようなブランドにとって、このあたりの対応がビミョーにむずかしいのが現実である。
たとえば、市場規模的にジープに似た境遇のブランドでいうと、フランスのルノーはその種の対応がまったくできていない。ルーテシアやメガーヌなどは大型液晶ディスプレイが前提のインテリアデザインなのに、日本仕様ではそこにナビが表示できないのだ。また、プジョー・シトロエンやGM(キャデラック/シボレー)はかろうじて液晶にナビ画面を表示させることには成功しているものの、いわばシステムに強引に割り込むような方法で実現しているので、日本のナビとその他の機能が連携できていないケースも少なくない。こうした点におけるジープの日本市場重視の姿勢は、素直に評価すべきと思う。このあたりは日本法人サイドの努力に加えて、本国サイドの日本市場に対する期待もうかがえる。
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