【JAIA】ベントレー・コンチネンタル GTC…「ジーンズですいません」「圧倒された」
掲載 更新 carview! 写真:編集部
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臆してはならない。相手はクルマだ。ふだん乗っているアレと同じ、ハンドルとアクセルそしてブレーキ、付いているものは同じ、動かし方も同じ……。そんな暗示をかけながら素知らぬ顔をしてドアを開けたところでまったく意味がなかった。圧倒された。
とにかく豪奢なことといったらない。金属に見える部分は本当に金属だし、革の風合いも滑らか。スイッチに至っては「押し続けて50年」の職人がいるんじゃないかと思えるくらいタッチが同じ。ウインカーレバーは高価な万年筆かと思うほどの重量感だ。眼前に広がる金属のウロコ模様のパネルにもクラクラする。
エンジンに火を入れる(本当にそんな感じ)とエンジンが目を覚ます。聞いたことのない音だ。手馴れた素振りを装って幌を開けてみるとその分厚さに驚く。その動作はもはや儀式といってもいい。
うやうやしく開いた空をぽかんと眺めたあと、アクセルを踏むと轟然、しかし粛々と速度を上げていく。こんな時「ああ……人生は上々だな」なんてことをオーナーはうっとりと思うのだろう。いっぽうの私は「金持ちケンカせず」ってこういうことなんだろうな、などと見当違いのことを考えるだけなのであった。
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