はじめに 新型BMW X6とは
text:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
画像は欧州仕様を含みます
12月23日。BMW日本法人(以下、BMW)はフル・モデルチェンジされたBMW X6を発表。同日より販売を開始すると発表した。
BMWではSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)をSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶが、車名が偶数となるX2/X4/X6はテールゲートを寝かしたり車高を少し低めるなど、スタイルを重視したクーペ的なフォルムを採用したため、SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼ばれる。
中でもX6は初のSACとして初代が2008年1月のデトロイト・モーターショーでデビューし、日本には同年6月に発表された。
その後、各メーカーもこぞってクーペ風のSUVを送り出すことになる。X6の2代目は2014年6月に本国で、同年8月に日本で発表された。
今回発表されたモデルは3代目にあたり、ヨーロッパでは2019年7月に発表。現時点での日本向けラインナップは、「X6 xドライブ35d」「X6 xドライブ35d Mスポーツ」「X6 M50i」という3モデル。
一般的にはクーペSUVなどとも呼ばれるSACのルーツ、X6の最新モデルを紹介していこう。
新型X6 外観
新型X6の外寸は、全長4945×全幅2005×全高1695mmという、存在感のあるボディサイズだ。
ホイールベースは2975mm。従来型に比べると、全長は20mm長く、全幅は15mm広いが、全高は5mm低められ、ホイールベースは40mm延長されている。
従来型同様、クーペらしい流麗な美しいルーフラインと最新のデザインを導入することで、より洗練された存在感のあるスタイルを実現。
デザイン面での最も大きな特徴は、BMWとして初採用された、キドニーグリルのライトアップ機能「キドニーグリル・アイコニックグロー」だ。
BMW車のアイデンティティとして伝統的に採用されてきたキドニーグリルを輝かせることで、より立体的に見せるとともに、夜間でのドライブなどで、かつてない存在感を演出する。
ヘッドライトは最新のデザイン・コンセプトを採用して、より直線的で鋭いデザインとなり、キドニーグリルとは独立して、車両全体に低重心でワイドな印象を付与。リア・コンビランプは細長いデザインだがBMW伝統のL字型を採用し、ワイドな印象と縦に厚みがあるどっしりとしたシルエットを形成している。
新型X6 内装
新型X6は、インテリアにおいても最新のコンセプトを採用し、従来型モデルから、より先進的かつ高級感のある室内空間を実現している。
インパネのデザインは、Xシリーズのフラッグシップ・モデルであるX7のそれを踏襲している。ステアリングホイールの向こうに備わるメーターパネルは、12.3インチのフルデジタル・ディスプレイ。センターダッシュ上部には、ドライバーが自由にカスタマイズすることが可能な10.25インチのコントロールディスプレイがレイアウトされ、より機能性を高めている。
シートは、表面の加工がすっきりと上品に見え、座り心地が柔らかいヴァーネスカ・レザーを標準装備とし、上質な空間を形成。さらにオプションで、透明度が非常に高いクリスタルで作られたシフトノブなど、高級感を演出するアイテムを多数ラインアップしている。
ホイールベースの延長により、従来型より前後席とも居住性は向上。リアシートバックは40:20:40の3分割可倒式で、ラゲッジスペースはフル乗車時でも580L、リアシートバックを全倒すれば最大1530Lに拡大する。
新型X6 パワートレイン
日本仕様のパワーユニットは、35d系に搭載される3Lの直列6気筒クリーンディーゼル・ターボと、50i系に搭載される4.4LのV8ガソリン・ツインターボの2種。
ディーゼル・ターボは最高出力265ps、最大トルク63.2kg-mを発生し、0-100km/h加速は6.5秒を達成。ディーゼルながら高回転域ではBMWのエンジンらしく心地良いサウンドを響かせ、しかも車内の静粛性は高く保たれる。
ガソリン・ターボは最高出力530ps、最大トルク76.5kg-mを発生し、0-100km/h加速は4.3秒という瞬足。日常のドライブからサーキット走行までも可能にするハイパフォーマンスモデルだ。さらに、官能的なサウンドを奏でるMスポーツ・エグゾーストシステムも備えている。
いずれも、組み合わされるミッションは電子油圧制御式の8速AT。駆動方式はBMWのインテリジェント4WDシステム「xDrive(xドライブ)」で、悪路でも安定したコントロールとスポーティな走りを実現することが可能になっている。
新型X6 装備
新型X6には、BMWが国内認可取得モデルとして初めて導入した、高速道路での渋滞時においてドライバーの運転負荷を軽減し安全に寄与する「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載している。
この機能は、ドライバーが絶えず前方に注意して、周囲の道路交通や車両の状況に応じてすぐにハンドルを確実に操作できる状態にある限り、ステアリングから手を離して走行が可能となるものだ。
また、AI技術を活用し、音声会話だけで車両の操作や情報へのアクセスが可能となるBMW最新の機能「BMW インテリジェント・パーソナル・アシスタント」も採用している。今までの音声入力とは異なり、自然な会話に近い言葉でも、ドライバーの指示や質問を理解し、適切な機能やサービスを起動する。
音声認識の使用頻度に応じてドライバーの好みを学習する機能も搭載し、長く乗り続けるほどドライブで真のパートナーとしての役割を担うことができるようになるものだ。
しかも本システムでは「OK、BMW」だけでなく、ドライバーが自由に名前を付けて、呼びかける言葉を任意に設定することができる。
新型X6 安全装備
新型X6の安全装備では、高性能3眼カメラ、高性能プロセッサーおよびレーダーによって、より精度と正確性が向上した、最先端の運転支援システムを全モデルに標準装備している。
人気の高いアクティブ・クルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)、レーンチェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)、レーンチェンジ・アシストおよびレーンディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)、ステアリング&レーンコントロール・アシストを搭載。
さらに、サイドコリジョン・プロテクションおよび衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付き)、クロストラフィック・ウォーニングなど、現代のクルマではトップクラスの安全運転支援システムが満載されている。
また、標準装備されるパーキング・アシスタントには、車両が直前に前進したルートを最大50mまで記憶し、その同じルートをバックで正確に戻ることが可能となるリバースアシスト機能も備わっている。
都会の細い道などで対向車とのすれ違いで困ったときには、ありがたい機能だ。
新型X6 価格/スペック
新型X6の日本価格(消費税込み)は、ディーゼル・ターボ搭載モデルは、「X6 xドライブ35d」が990万円。「X6 xドライブ35d Mスポーツ」が1069万円。
ガソリン・ターボ搭載モデルは、「X6 M50i」が1395万円。
ハンドル位置は、すべて右のみとなっている。
BMW X6 xドライブ35d 主要諸元
価格:990万円
全長×全幅×全高:4945×2005×1695mm
ホイールベース:2975mm
車両重量:2160kg
エンジン:2992cc直6ディーゼル・ターボ
最高出力:265ps/4000rpm
最大トルク:63.2kg-m/2000-2500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:縦置き4WD
BMW X6 M50i 主要諸元(参考値)
価格:1395万円
全長×全幅×全高:4945×2005×1695mm
ホイールベース:2975mm
車両重量:2235kg
エンジン:4394ccV8ターボ
最高出力:530ps/5500rpm
最大トルク:76.5kg-m/1800-4600rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:縦置き4WD
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みんなのコメント
仕様変更せずにそのまま持ってくるだけなんだから…
右が扱いやすいのは分かるけど、左に乗りたい。