軽カーにクロスオーバージャンルを確立
スズキは、軽ワゴンクラスの人気モデルであるハスラーをフルモデルチェンジし、2020年1月20日から発売を開始する。軽ワゴンとSUVを融合させることで軽自動車クラスに新たなジャンルを確立し人気を博したモデルとあって、注目度は従来型以上と言っていい。大幅なパフォーマンスの向上、機能や装備の充実を図りながら先代型から価格上昇を抑えるなど、軽自動車としての本質がしっかりと追求されているのも見逃せない。
スズキ・ハスラーが時代を変えた! 軽自動車に「車高を上げる」カスタマイズが流行している理由
スクエア感を強調してタフなイメージを向上!
自動車マーケットにおいてオールマイティに使いこなせるクロスオーバーSUVに人気が集中しているが、ハスラーは軽自動車クラスにおいてこのジャンルを確立した立役者である。ワゴンRをベースに開発された先代型は、居住性や実用性という点においてベースモデルのよさを継承しただけでなく、アクティブな用途に対応できる機能を備えることで幅広いニーズに対応。SUV風のスタイルも相まって、個性的で使い勝手のいいスモールカーを求める人から多くの支持を集めた。
2代目として登場した新型は、先代型で好評を博した特徴はそのままに、「もっと遊べる!もっとワクワク!!もっとアクティブな軽クロスオーバー」をコンセプトに掲げ、新たな魅力がプラスされている。
スタイルは、丸形ヘッドライトやスクエア基調のグリルで構成されるフロントまわりのデザインを先代型から踏襲しているが、スクエアなボディ形状はこれまで以上に強調され、タフさや力強さを際立たせたバンパーの造形などによって、ハスラーならではの新しい個性がしっかりと表現されている。
ジープ・ラングラーなどの本格的クロスカントリー車に見られる幌やハードトップから発想を得た、遊び心ある斬新な2トーンカラーを採用しているのも大きな特徴のひとつ。また、鉄板による張りや曲げなどの特徴を追求し、強く深みのあるボディー断面を表現したフードとサイドボディや、リヤクォーターガラスを設置したサイドビューは、先代型との違いを色濃く表したポイントであり、広い視野の確保にも貢献する要素と言える。
特徴的な3連インパネカラーガーニッシュ
オーナーの遊び心を刺激するデザインと機能性を両立した車内の作り込みも新型ハスラーの魅力だ。運転席まわりのデザインは、アウトドア系ギアから発想を得たという3連インパネカラーガーニッシュによって、タフな世界観を表現。インパネとドアトリムには、ボディカラーに対応した、バーミリオンオレンジ、デニムブルー、グレーイッシュホワイトのカラーパネルを採用し、シートにも3色のカラーを織り込んだ洒落たデザインとしている。
限られたスペースで左右乗車間を30mm拡大
車内が広く、快適であることも特筆すべきポイントだ。最新のプラットフォームである「HEARTECT(ハーテクト)」の採用によってホイールベースが従来型よりも35mm延長され、エンジンルームを最小化したことも相まって、後席乗員の足もと空間に十分な余裕が確保されている。しかも、前席は左右乗員間距離が30mm拡大されているのでゆったりと乗車できる。
アウトドアでの使用を考慮したラゲッジルーム
多彩な用途に対応できるのはハスラーの特徴だが、新型でもユーティリティ性能は高いレベルの能力を持つ。とくに荷室の使い勝手は大幅に向上している。 荷室側からも操作可能なスライド用ストラップを後席背面に採用し、使用シーンにあわせて荷室容量が自在に調整できるようになった。またフロアやリヤシートの背面は、防汚性に優れた機能的な素材としラフな使い方にも対応。荷室下には防汚タイプラゲッジアンダーボックスを備え、日常的な用途はもちろんウィンタースポーツやキャンプ、サーフィンなどのアウトドアレジャーでも気兼ねなく使い倒すことができる。
新開発CVTと新プラットフォームで軽快な走りを実現
走りは軽自動車であっても遠出できることにこだわった進化を遂げている。エンジンはNAとターボを用意し、いずれもマイルドハイブリッド仕様となる。 NAは新開発で、スズキの軽自動車としては初となるデュアルインジェクションシステムを採用。1気筒あたりふたつのインジェクターで燃料を微粒子化することで燃料と空気の混合気を均質化。低速から中高速までの実用速度域で優れた燃費性能と軽快な走りを実現する。 組み合わされるトランスミッションは、軽量化と高効率化により、優れた燃費性能と軽快な走りを両立させた新開発CVTを採用。街なかで多用する低中速域でのスムーズな走りを、高速域ではハイギヤード化により燃費性能と静粛性に貢献する。 また、走りでは軽量で高剛性の新世代プラットフォームと専用チューニングを施したサスペンションの採用によって快適で安心感の高い走りを実現している。
後退時ブレーキサポートを標準装備!
安全面では、夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」に加え、後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」を標準装備し、前後の安全性能を高めている。さらに、ターボ車には、全車速での追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロールや車線逸脱抑制機能を装備するなど、安全運転を支援する機能を充実させている。
軽自動車クラスでは、相変わらずハイトワゴンが販売の中心となっているが、登録車と同じくクロスオーバーモデルに対する注目度は高い。普段使いからレジャーまで幅広いシーンで使える新型ハスラーは、遊びに使いたい独身者、あるいはカップル、さらに子育て世代を含めたファミリーユーザーまで幅広いニーズに応えてくれるオールマイティなスモールカーとして人気を集めるのは必至と言える。
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