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【まさかのF1マシン超え】驚愕の加速 ハイパーEV、ピニンファリーナ・バティスタ日本上陸

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【まさかのF1マシン超え】驚愕の加速 ハイパーEV、ピニンファリーナ・バティスタ日本上陸

ピニンファリーナ初の市販車

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】2.4億円 日本上陸したピニンファリーナ・バッティスタ デザイン/内装/荷室を撮影【実車】 全67枚

photo:Automobili Pininfarina

カロッツェリアとしてスタートしたピニンファリーナは、創業89年を迎えている。自動車デザイン界の頂点に君臨し、数多くの傑作を送り出すとともに、長らくフェラーリ市販モデルのデザインを担当してきたことはご存じだろう。

2015年にインドのマヒンドラ・グループに入り、創設者バティスタ・ピニンファリーナの夢であった自らの名を冠したクルマを作るべく2018年4月に設立されたのが「アウトモビリ・ピニンファリーナ」である。

その処女作として製作されたのがその名も「バティスタ」。自動車におけるパフォーマンスとデザイン、テクノロジーを結集したラグジュアリー・ハイパーEVとして開発された。

今回のジャパン・ローンチには、アウトモビリ・ピニンファリーナから各セクションの責任者と、開発ドライバーを務めるニック・ハイドフェルドが来日。日本マーケットに対する本気具合が分かる体制で説明が行われた。

スペシャリスト集結

アウトモビリ・ピニンファリーナが設立され、ハイパーEV「バティスタ」を開発するにあたり、自動車開発のエキスパートが集結してチームを組んだ。

その結果、ブガッティ・ヴェイロンとシロン、フェラーリ・セルジオ、ランボルギーニ・ウルス、マクラーレンP1、パガーニ・ゾンダ、メルセデスAMGプロジェクト・ワン、テスラ、そしてポルシェ・ミッションEを立ち上げたスペシャリストが集結。彼らの専門知識とインスピレーションによって作り上げられた。

さらには、リマックやピレリに在籍した技術チームと、母体であるピニンファリーナS.p.Aとも連携。また、開発テストドライバーにはF1とフォーミュラEで活躍するニック・ハイドフェルドが起用され、パフォーマンスにふさわしいハンドリングに仕立てられる。

そんなバティスタのパワートレインは、内燃機関では達成できなかったパフォーマンスをゼロ・エミッションで実現しているのが特徴だ。

最高出力1900hp

モーターの最高出力は1900hpに達し、トルク・ベクタリング機能付きの全輪駆動とされ、走行モードは5段階の可変式が備わる。

バッテリーはセンタートンネル部分と座席の後部にT字状に配置され、容量は120kwhを確保。製造はリマック・アウトモビリが担当する。

日産リーフが近年、バッテリー容量40kWhに加え62kWh搭載車を用意して話題になった。しかしバティスタは、その約2倍の容量を誇り、発表された航続可能距離は500kmにも達する。

車体はフルカーボン・モノコックを基本に、フロントとリアにはアルミ製サブフレームを組み合わせる定番の構成。ボディパネルもカーボン・ファイバー製とされ軽量化に貢献している。

サスペンションはダブル・ウイッシュボーン式。ブレーキは、ブレンボのカーボン・セラミック製ローターに6ポッド・キャリパーが前後に組み合わせられ、確実なストッピング・パワーを得ている。

伝統のスタイリング

スタイリングは、ピニンファリーナがこれまで手掛けたデザインのクラシックなフォルムと機能のハーモニーを現代的に解釈してデザインされたという。

デザイン・ディレクターのルカ・ボルゴーノ氏は「純粋、美、希少を基本とするPURA造形理念に基づいて創り上げた」とコメントしている。

そのスタリングにはほのかにフェラーリのイメージが感じられるが、エクスクルーシブなクルマを目指すと必然的にその姿は重なってくるといえよう。しかし細部に目を移すと、伝統を踏まえたデザインにホッとするとともに、未来を思わせる新鮮な造形が見事に融合している。

現代のスーパースポーツだけに空力特性もピニンファリーナ自慢の風洞で磨き上げられ、可動式のリアスポイラーはコーナリングやブレーキング時に最適なダウンフォースを発生させ、走行安定性を高める。

バティスタはイタリアで手作業により150台が作られる。日本には一桁台数が割り当てられる予定という。日本ではエクスクルーシブなクルマを得意とするスカイ・グループが輸入元となり、来年にはショールームの開設も予定されている。

価格 邦貨2億円超え

購入を希望するカスタマーは、イタリアのカンビアーノにあるデザイン・スタジオで、デザイナーと一緒に好みにあわせてカラーリングや仕様を決めてゆく流れとなる。

これはエリック・クラプトンのフェラーリSP12や、ブルネイのサルタン王子の特注車両を作るのと同じ手順で行われるという。

気になる価格だが基本の車両本体価格は198万ユーロ(約2億3903万円)で、決済はユーロ建てとなる。オーナーの好みで細部までこだわってビスポークで製作することが前提のクルマだけに、実際にはここに特別装備代が加算されることになる。

来年10月から製作を開始する予定で、2020年末には市販1号車のデリバリーを予定。生産はハンドメイドのため、最終生産車が完成するのは3年後になるとか。150台限定と謳われているが、派生形となるスパイダーなどのバリエーション・モデルを作る予定はないという。

2020年はピニンファリーナにとって90周年。創業者の夢を叶えたバティスタは、ジュネーブでショーカーを展示するという。またピニンファリーナ90周年を記念したイベントの開催も予定されており、次なるステップへと踏み出す節目となろう。

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