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ニュルブルクリンクでSUV記録樹立 アウディRS Q8プロトタイプ 助手席試乗

掲載 更新
ニュルブルクリンクでSUV記録樹立 アウディRS Q8プロトタイプ 助手席試乗

ニュルブルクリンク7分42秒

text:James Disdale(ジェームス・ディスデイル)

【画像】アウディRS Q8プロトタイプ 全14枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


アウディRS Q8の正式発表はこれからだが、既に記録的な速さを見せつけた。600psのパワーを放つ高性能フラッグシップSUVは、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェでのSUV周回記録を新たに打ち立てたのだ。

RS Q8は、1周20.8kmのコースを7分42秒253で走ったという。メルセデスAMG GLC 63Sが以前に記録していたラップタイムを12秒も更新したことになる。日産GT-Rが2007年に記録したラップタイムは7分38秒だったから、その速さがわかるだろう。

SQ8の進化版となるRSに搭載されるのは、4.0LのV型8気筒ツインターボエンジン。新しいアウディRS6にも搭載されるユニットだ。最高出力は600psで、最大トルクは81.4kg-mを発生する。0-100km/hは3.8秒でこなし、最高速度は305km/hに届く。

SQ8に採用されるエアサスペンションと電圧48Vによるアクティブ・アンチロールバーは、RS Q8にも搭載。だがソフトウェアは専用で、スプリングレートは10%硬くなり、アダプティブ・ダンパーの減衰力も15%引き上げられている。

4輪操舵システムに、トルクベクタリング・スポーツ・リアデフも搭載。装着するタイヤはピレリPゼロの専用品。タイヤサイズは最大で、23インチの295/35 ZRまでが選択できるという。

「RS Q8でのサーキット走行を叶えるだけでなく、日常的な利便性も保たせています。静かで快適で、天候も問わないタイヤが必要でした。ですが、驚くようなラップタイムで走る性能も備えています。このタイヤで目標を達成しました」 とアウディスポーツの開発部門トップ、ビクター・アンダーバーグは述べている。

80%の本気度でも容赦ない加減速

構造やデザイン面での違いは小さい。23インチホイールのオプションが追加となるほかには、変更を受けたフロントグリルと、カーボンファイバー製のトリム、ロワー・バンパー、リアディフューザーなど。1対の極太オーバル・マフラーはRSの象徴でもある。

ずば抜けた走行性能を持っていながら、RS Q8は日常利用も前提な量産SUV。11月後半に正式発表される予定だが、AUTOCARは開発現場での独占的な取材だけでなく、ニュルブルクリンクでの助手席試乗も許された。

アウディのエースドライバー、フランク・スティップラーは本気だ。この日のニュルブルクリンクは一部湿っている区間もあるものの、記録破りを達成した時と同様に、基本的には乾燥状態。もし完全なドライだったら、ラップタイムは4~5秒早くなった可能性もあるらしい。

ショットガンのようなクルマで走ると正確に操縦することも難しいが、RS Q8からは助手席の座面や背もたれ越しに充分な感触が伝わってくる。優れた走行性能の証だ。

加速は容赦ない。試乗後に計測機械のデータを確認すると、290km/hまで速度が上がる長いストレート、ドッティンガー・ホーエ手前のカーブでは、内側のリアタイヤは荷重が抜け、軽くホイールスピンしていることもわかった。

オプションのカーボンセラミックブレーキの効きも素晴らしい。高い速度域から強烈にクルマを静止させようとする。全開走行に対して80%位の周回なら、ブレーキにはまだまだ余力が残っている。

スーパーSUVの覇権争いに仲間入り

何より驚くべきはRS Q8の俊敏性にある。大きなアンダーステアやボディロールが予想されるコーナーでも、クルマは常にニュートラルでフラット。全体のバランスで見れば、今回の条件ではオーバーステア気味だと感じた。

低速コーナーでは、リアタイヤがコーナーの頂点目がけ進行方向を定めているかのよう。コーナーの出口が見えたら、電子制御のデフの力を借りてアクセルオン。そのままリアタイヤがクルマを押し出し、加速していく。

RS Q8のドライビングモードは「オート」だった。「少し滑りやすい路面状態では、ダイナミックモードではやや安定性を欠きます。コーナーへの侵入から脱出まで、ずっとオーバーステア状態でした」 とスティップラーは笑う。

急激な進路変更もRS Q8には朝飯前。優れたボディロール剛性を得ていながら、サスペンションは充分なしなやかさも備えている。凸凹の縁石に乗り上げても、しなやかに通過していく。

インテリアは、モニター式のデジタルメーターがRS仕様になっていた。しかしテスト車両ということで車内にはロールケージが張り巡らされ、シートはレース用。リアシートも取り外されていたから、量産モデルの雰囲気とは大きく異なっていたけれど。

助手席とはいえ、ニュルブルクリンクでの1ラップはとても印象深いものだった。実際的な評価をするには、リアシートのある状態で運転する必要はある。しかし、スーパーSUVの覇権争いで、ポルシェが独壇場にあるわけではないということは、間違いなさそうだ。

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