価格は邦貨換算2000万円前後
メルセデス・ベンツは、GLSにマイバッハのエンブレムを与えた最上級モデルを11月に発表する予定だ。この新型高級SUVは、ベントレー・ベンテイガやレンジローバーSVオートバイオグラフィ・ダイナミック、ロールス・ロイス・カリナンなどの競合として市場に投入されることになる。
かつては独立した高級車ブランドだったマイバッハだが、2014年にメルセデスのプレミアム・サブブランドとして再編成された。その第1弾として発売されたのが、メルセデス・ベンツSクラスをさらに豪華に仕立てたメルセデス・マイバッハSクラスだ。そして今年11月、同ブランド初となるSUVの登場が予定されていることが、公式に発表された。
フランクフルト・モーターショーの会場でAUTOCARが関係者から得た情報によると、メルセデス-マイバッハGLSは邦貨換算2000万円前後の価格になるという。既存のメルセデス・マイバッハSクラスと並ぶパフォーマンス、装備、機能を持ったSUVとして現在開発が進められていると、メルセデスの役員は語っていた。この新型車がターゲットとしている主な市場として、中国、北米、ロシアが挙げられている。
ベンツとは異なる内外装
このマイバッハ・ブランドのGLSには、ベースとなるメルセデス・ベンツGLSとは差別化された独自のスタイリング要素が与えられることが、AUTOCARの調べでわかっている。その多くは、2016年にペブルビーチで発表されたヴィジョン・メルセデス・マイバッハ6クーペから受け継ぐようだ。このコンセプトカーは、メルセデス・マイバッハの将来的な方向性を示すために製作された。
アルミニウムや高張力鋼板、複合素材を使ったボディパネルは標準モデルのGLSから引き継ぐものの、マイバッハ・バージョンの高級SUVには独自のグリルとヘッドライトおよびテールライト、そして専用デザインのホイールが与えられる。クロームのトリムも追加され、現在のメルセデス-マイバッハSクラスと同様、より高貴な雰囲気に仕立てられる見込みだ。
ホイールベースを延長した上で2列シートに
おそらくホイールベースを延長することで、後部座席は競合する高級SUVと同等の広さになるだろう。現行の2代目メルセデス・ベンツGLSは全長5130mm、ホイールベースが3080mmとなっている。全長5199mmのレンジローバーSVオートバイオグラフィよりホイールベースは40mm短いが、全長5140mmのベントレー・ベンテイガと比べると80mm長い。
新世代マイバッハの第2弾となるこのSUVのキャビンは、当然ながら豪華な装備が与えられ、メルセデス・ベンツのデジーノ・ラインよりさらに高級な素材が使われるはずだ。デジタル・インストゥルメントやインフォテインメント・システムの表示も、マイバッハ専用テーマのグラフィックになると、開発に携わる内部関係者は述べている。
メルセデス・ベンツの現行GLSは7名乗車が可能な3列シートを備えるが、マイバッハ・バージョンは4人がゆったり乗れる2列シートになる。オプションで5人乗りも用意される。
プラグインハイブリッドの採用も計画
パワートレインは現行のGLSの最上級グレードと同じく、4.0L V8ガソリン・ツインターボ・エンジンに9速オートマティック・ギアボックスの組み合わせとなる可能性が高い。四輪駆動システムの4マティックと、Eアクティブ・ボディ・コントロールと呼ばれるアクティブ・サスペンションも標準装備となるだろう。内部関係者はフラッグシップとして6.0L V12ツインターボ・エンジンを採用する計画をほのめかしていたが、今のところ公式に確認が取れているわけではない。また、ガソリン・エンジンやディーゼル・エンジンに電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッド・ドライブトレインの開発も進んでいるようだ。後者は既にEクラスに搭載されてデビューしている。
メルセデス・マイバッハSクラスの販売好調を受け、メルセデス・ベンツではGLSを含むさらなるマイバッハ・ブランドの拡大を計画している。
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