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【試乗】これが大本命! 三菱エクリプスクロスの真価を味わえるディーゼルがついに登場

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【試乗】これが大本命! 三菱エクリプスクロスの真価を味わえるディーゼルがついに登場

 デリカD:5と同じ380N・mを発生するディーゼルターボを搭載

 2017年にジュネーブショーで世界初公開されたエクリプスクロス。現在、日本を含む約100の国と地域で19万7000台(2019年5月現在)が出荷されたそうだ。

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 もともとジュネーブショーでは「日本仕様はディーゼルが先行発売、ガソリンは遅れて追加」とアナウンスされていたが、欧州のディーゼル問題などを懸念し計画を変更。日本向け仕様は三菱初のダウンサイジングターボである1.5リッターターボ「4B40」+CVTの組み合わせで発売がスタートされた。

 エクリプスの「スタイリッシュな世界観」、パジェロの「SUV DNA」、ランエボの「スポーツDNA」をクロスオーバーしたモデルとして国内外で高い評価を受けているものの、久々のニューモデルにしては発売が思ったほど伸びていないのが現状だ……。

 エクリプスクロスが属するCセグメントクロスオーバーSUV市場は世界の自動車メーカーがエースを投入する激戦区。いいクルマなのは当たり前、指名買いしたくなる「個性」が重要となる。そんななか、今年6月にエクリプスクロスにディーゼルモデルが追加。コイツはエクリプスクロスの「本命」と言っていい存在である。

 2.2リッター直噴ターボ「4N14」は、大幅改良されたデリカD:5にも搭載される最新のクリーンディーゼルで、新型インジェクター採用やエンジンフリクション低減、EGR領域の拡大、尿素SCRシステムの採用などにより、パフォーマンスはもちろん、環境性能や燃費も大幅にレベルアップさせたエンジンである。トランスミッションもデリカD:5譲りの8速スポーツモードATを採用。ギヤ比の変更はないが、ファイナルはデリカD5の3.075に対し2.955とハイギヤード化されている。駆動方式はガソリン車に設定されるFFはなく、全車AWD(S-AWC)となっている。

 試乗前にクルマのまわりを1周するが、ガソリンモデルとの違いはリヤの「DI-D」のエンブレムのみ。運転席に座ってもタコメーターのスケール(ガソリン:8000rpm、ディーゼル:6000rpm)程度とまさに間違い探しレベルである。個人的にはクリーンディーゼルを所有している事を視覚的に感じられる“何か”あってもいいと思うのだが……。

 ガソリン車よりも重いが走りの質感はむしろ向上

 クリーンディーゼルの力強さは走り始めた瞬間から体感できる。アクセルを踏んだ瞬間の応答性の良さ、そしてそこからのトルクの盛り上がりはガソリンとは比べものにならないくらいの力強さだ。それもそのはずで、最高出力はガソリン(150馬力)にわずかに劣る145馬力だが、トルクはガソリン(240N・m)の約1.6倍の380N・mを発揮。車両重量が2トン近いデリカD:5を軽々と走らせる実力を持つエンジンを、300kgも軽量なエクリプスクロスに搭載していれば当然だろう。

 ただ、吹き上がりが良すぎてデリカよりも頭打ちの早さが気になってしまう。現状ではクロスレシオ化された8速ATを駆使し回転を上げずにトルクバンドの美味しい所キープさせながら走らせるのが、このエンジンには合っているような気がした。

 ちなみに8速ATはDレンジでは滑らかなシフト制御だが、スポーツモードにするとシフトショックを感じるくらいシフトスピードとダイレクト感がアップする。ただ、現状のエンジン特性だと活用するシーンが少ないのが残念な所。個人的にはエンジン制御をエクリプスクロス専用にセットアップ(たとえば、回転は現状+500rpm、エンジン特性を少し高回転側に振るなど)できれば、スポーツモードもより活きるのではないだろうか?

 ハンドリングはガソリンよりも前軸重は100kg重くなっているが、操舵時のレスポンスやクルマの挙動に重さを感じることはなく、ライントレース性の良さも変わらず。逆にステアリングの落ち着きの良さ、無駄な動きが抑えられたサスペンション、シットリ感が増した質の良さを感じた足の動きなど、ガソリン車よりも動的質感がアップしているように感じた。ガソリンと前後バランスが変わったことによる適合だけでなく、見えない部分の進化も行なわれていると思う。

 静粛性は車外ではそれなりにカラカラ音は聞こえるが、車内では振動を含めて気にならないレベルには抑えられているが、「凄く静かか?」と言われると、このクラスでは平均的。ただ、筆者は車内で聞こえる低めの音質のディーゼルサウンドは欠点ではなく、むしろ三菱らしさを感じさせる“味”だと思っている。

 ちなみに今回はオンロードだけでなくオフロード(富士ヶ嶺オフロードコース)も走行したが、最低地上高は175mmに加えて前後オーバーハングの短さやフラットな床下面、そしてS-AWCの巧みな制御も相まって、急坂やモーグルなどでは下手な本格SUV顔負けの走破性を見せる。こういうシーンでは低回転からグッとトルクが湧き出るクリーンディーゼルとのマッチングは素晴らしい。

 燃費はJC08モードで15.2km/L、WLTCモードで14.2km/Lだが、今回の試乗(信号の少ない郊外路)での計測では15km/Lオーバーを記録。高速道路などでの巡航時は20km/L近くは行くだろう。

 エクリプスクロスはパッと見都会派クロスオーバーながら、中身はオン・オフ性能をバランス良く備えた骨太なモデルだが、クリーンディーゼルの追加でその「個性」を更に引き上げた。筆者はガソリンモデルの良さも良く知っているが、「どちらを選ぶか?」と言われたら、間違いなくクリーンディーゼルを選ぶ。

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