現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新世代のV12フラッグシップ「599 & F12ベルリネッタ」(2006-2015)【フェラーリ名鑑】 

ここから本文です

新世代のV12フラッグシップ「599 & F12ベルリネッタ」(2006-2015)【フェラーリ名鑑】 

掲載 更新
新世代のV12フラッグシップ「599 & F12ベルリネッタ」(2006-2015)【フェラーリ名鑑】 

FRへと回帰した3作目「599 GTB フィオラーノ」

575Mマラネロの後継車である「599 GTB フィオラーノ」が発表されたのは2006年のジュネーブ・ショーでのこと。ただし日本市場においては、商標の問題で正式な車名はシンプルに「599」とされている。

ハイブリッド時代に突入「ラ フェラーリ&SF90ストラダーレ」(2013-2019)【フェラーリ名鑑】

599は、前世代の550マラネロ&575Mマラネロと同様に、フロントエンジン&リアドライブの基本設計を継承したモデル。この時に至ってようやくV型12気筒エンジンをミッドシップするのは、スペチアーレと呼ばれる限定生産を前提とした、特別な中にも特別なモデルのみになるのだろうという考えがフェラーリのカスタマーには生まれてきたように思う。だが、それを不満と思わないほどにフェラーリの12気筒FRスポーツは、素晴らしい運動性能を誇るモデルへと進化を遂げていたのだった。

V12エンジンは620psを発揮

フェラーリの12気筒ベルリネッタがミッドシップからFRへと回帰して3世代。その走りが十分に煮詰められたのも当然のことといえる。フロントに搭載されるエンジンは、そもそもエンツォ フェラーリ用に開発されたエンジンをデチューンした、5999ccのV型12気筒。最高出力は620psに達し、これに6速のF1マチックを組み合わせた。0→100km/h加速は3.7秒。最高速度330km/h以上というパフォーマンスは、当時のカスタマーを十分に納得させるものであった。599は、2012年まで生産が続けられるが、その間に行われたマイナーチェンジで特に大きな話題だったのは、日本市場においては価格改定と同時にCCMD(カーボンセラミックブレーキ)が標準装備化されたことだろう。

670psを誇る「599 GTO」が限定で登場

フェラーリは、この599をベースにサーキット専用車の599XXを限定生産しているが、そのオンロード仕様ともいえる「599 GTO」が2010年に限定発売されたのも興味深いところだ。正式発表は同年の北京モーターショー。F1由来のエアロダイナミクス向上のためのテクニックや、磁性流体を利用した第2世代の電子制御ダンパーであるSCM2、カーボンセラミックもここで第2世代に進化を遂げている。

エンジンは599XXから受け継がれたもので、専用のクランクシャフトやインテーク、エグゾーストシステムの採用などによって、670psの最高出力を達成。車重(乾燥)も1495kgに抑えられた。組み合わされる6速F1マチックも、そのシフト時間はロードモデル最速とされていた。0→100km/h加速を3.35秒で、そして335km/h以上の最高速度を記録。599GTOは、250GTO、288GTOに続く3世代目のGTOとしても話題になった。

ショートホイールベース化された「F12ベルリネッタ」

2012年のジュネーブ・モーターショーでは、599に代わる新型12気筒2シーター「F12 ベルリネッタ」が発表される。ベルリネッタというネーミングは、すでにフェラーリのカスタマーやファンにはお馴染みとなるクーペを意味するものだが、その前に掲げられる“F12”は、シンプルに12気筒車であることを示す。

F12ベルリネッタは、フルモデルチェンジ=ボディサイズの拡大が一般論であるとするならば、それとは逆にホイールベースは599から30mmの縮小されている。それ以前に550マラネロから599では一気に250mmも拡大されていたから、このF12ベルリネッタでその流れに対してひとつの終止符が打たれたと言ってもいいだろう。

搭載されるエンジンは、ひと足先にデビューした2+2モデルのFF(フェラーリ フォー)と基本スペックは共通。つまり6262ccのV型12気筒だ。最高出力はさらに圧縮比を高めるなど専用のチューニングを受け、740psに増強。この数字は599GTOと比較しても70psも強力なもので、0→100/h加速の3.1秒や340km/hという最高速度など、パフォーマンスデータにも着実なる進化が表れている。

後輪操舵システムを搭載した「F12tdf」

そしてフェラーリは、このF12ベルリネッタにも魅力的な限定車を用意していた。それが2015年に799台の限定車として発表された「F12tdf」。最高出力は40ps増の780psとされたほか、フェラーリ初の後輪操舵システム、バーチャル・ショートホイールベース・システムなど、後に登場する812スーパーファストにも採用される多くの新技術を搭載した限定車だった。

【SPECIFICATION】

フェラーリ 599 GTB フィオラーノ

年式:2006年

エンジン:65度V型12気筒DOHC(4バルブ)

排気量:5999cc

最高出力:456kW(620ps)/7600rpm

最大トルク:608Nm/5600rpm

車両重量:1750kg

最高速度:330km/h以上

フェラーリ 599 GTO

年式:2010年

エンジン:65度V型12気筒DOHC(4バルブ)

排気量:5999cc

最高出力:500kW(670ps)/8250rpm

最大トルク:620Nm/6500rpm

乾燥重量:1495kg

車両総重量:1605kg

最高速度:335km/h以上

フェラーリ F12 ベルリネッタ

年式:2012年

エンジン:65度V型12気筒DOHC(4バルブ)

排気量:6262cc

最高出力:545kW(740ps)/8250rpm

最大トルク:690Nm/6000rpm

乾燥重量:1525kg

車両総重量:1630kg

最高速度:340km/h以上

フェラーリ F12tdf

年式:2015年

エンジン:65度V型12気筒DOHC(4バルブ)

排気量:6262cc

最高出力:574kW(780ps)/8500rpm

最大トルク:705Nm/6250rpm

乾燥重量:1415kg

車両重量:1520kg

最高速度:340km/h以上

※すべてメーカー公表値



解説/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

こんな記事も読まれています

カワサキ「W800」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「W800」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
マツダ社長を現地で直撃!!! マツダはまだ中国市場を諦めてない!! [EZ-6]登場の北京で現地メディアインタビューからわかったこととは?【北京ショー】
マツダ社長を現地で直撃!!! マツダはまだ中国市場を諦めてない!! [EZ-6]登場の北京で現地メディアインタビューからわかったこととは?【北京ショー】
ベストカーWeb
ガソリン車依存が招く「地方消滅」 給油所はもはやピークの半分以下、EVアンチはポジショントークをしている場合ではない!
ガソリン車依存が招く「地方消滅」 給油所はもはやピークの半分以下、EVアンチはポジショントークをしている場合ではない!
Merkmal
落ち着きあるシックなインテリアが魅力! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
落ち着きあるシックなインテリアが魅力! 日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
生産終了の[CX-8]ってやっぱ偉大!! 我らが[レクサスRX]だってマネしたんだぜ!! SUVの常識破ったってマジ!?
生産終了の[CX-8]ってやっぱ偉大!! 我らが[レクサスRX]だってマネしたんだぜ!! SUVの常識破ったってマジ!?
ベストカーWeb
井戸田潤ウキウキ!最新シビック タイプR試乗も……予想不可能のトラブルに困惑!?
井戸田潤ウキウキ!最新シビック タイプR試乗も……予想不可能のトラブルに困惑!?
グーネット
マツダの儚きクーペ「エチュード」を知ってるか? たった3年で消えていった理由はなんだったのか?
マツダの儚きクーペ「エチュード」を知ってるか? たった3年で消えていった理由はなんだったのか?
ベストカーWeb
高さ約50m!上信越道にそびえる巨大岩撤去の“現場”を公開! NEXCO東日本
高さ約50m!上信越道にそびえる巨大岩撤去の“現場”を公開! NEXCO東日本
グーネット
アウディ「A1スポーツバック」シックで都会的なルックスの限定モデル登場!
アウディ「A1スポーツバック」シックで都会的なルックスの限定モデル登場!
グーネット
電気自動車を買って試す本音レポート リアルEVライフ[電費を計測する]の巻
電気自動車を買って試す本音レポート リアルEVライフ[電費を計測する]の巻
グーネット
レクサス「LM」6座仕様車を追加 3列目もラグジュアリーな空間に
レクサス「LM」6座仕様車を追加 3列目もラグジュアリーな空間に
グーネット
2車線の片側が突如右折レーンに! 富士見川越バイパスの終点はなんであんなに残酷なのか?
2車線の片側が突如右折レーンに! 富士見川越バイパスの終点はなんであんなに残酷なのか?
ベストカーWeb
なんちゃってセレブが「核融合科学研究所」へ大人の社会科見学!「核融合」は原子力発電の「核分裂」とは違うのよ~
なんちゃってセレブが「核融合科学研究所」へ大人の社会科見学!「核融合」は原子力発電の「核分裂」とは違うのよ~
Auto Messe Web
【24’ 5/7最新】レギュラーガソリン全国平均価格は174.7円 2週ぶり値下がり止まる
【24’ 5/7最新】レギュラーガソリン全国平均価格は174.7円 2週ぶり値下がり止まる
グーネット
鈴鹿で19台が参加しGT300専有テストがスタート。初日はmuta Racing GR86 GTが最速
鈴鹿で19台が参加しGT300専有テストがスタート。初日はmuta Racing GR86 GTが最速
AUTOSPORT web
【GT300開幕戦レビュー&シーズン展望】一歩抜きん出た印象のブリヂストン。最適解は交換か、無交換か
【GT300開幕戦レビュー&シーズン展望】一歩抜きん出た印象のブリヂストン。最適解は交換か、無交換か
AUTOSPORT web
アイルトン・セナのMP4/4がマクラーレン720S GT3で蘇る。ラグナ・セカに没後30年追悼リバリー登場/IMSA
アイルトン・セナのMP4/4がマクラーレン720S GT3で蘇る。ラグナ・セカに没後30年追悼リバリー登場/IMSA
AUTOSPORT web
好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバックへ試乗 小改良 見違えるほど変わった車内
好感度クラスNo.1! アウディA3 スポーツバックへ試乗 小改良 見違えるほど変わった車内
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3620.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2398.03680.0万円

中古車を検索
F12ベルリネッタの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3620.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2398.03680.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村