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試乗 アウディRS3 WLTP対応も走り変わらず 5気筒エンジンが魅力

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試乗 アウディRS3 WLTP対応も走り変わらず 5気筒エンジンが魅力

もくじ

どんなクルマ?
ー WLTPに適合し再発売

アウディRS3新型、日本導入 国内でセダンに試乗 スペック、価格に見合う?

どんな感じ?
ー 最大の特徴は5気筒エンジン
ー あらゆる路面状況に対応

「買い」か?
ー このエンジンが好きなら

スペック
ー アウディRS3スポーツバック・スポーツエディションのスペック

どんなクルマ?

WLTPに適合し再発売

フォルクスワーゲン・グループの中で最もホットなハッチバックがWLTPへの適合作業を終え市場に戻ってきた。

2ドアのTT RSとエンジンを共有するこのクルマは、再認証のため1年ほど販売を休止していた。より厳しくなった規制に対応するため、微粒子フィルターが追加されたもののそのパフォーマンスには影響はなかったようだ。

5気筒ターボエンジンは今までと同様で、400psの最高出力は新型メルセデス-AMG A45以外には負けておらず、その価格は4万7000ポンド(645万円)をわずかに上回るといったところだ。

しかし、オプションを追加していくと簡単に5万ポンド(687万円)を超えてしまう。新設定のスポーツ・エディションはクローム製パーツがブラックになり、新デザインのホイールやスポーティなシート、それにRSスポーツ・エグゾーストが装着されて4000ポンド(55万円)のエクストラだ。

どんな感じ?

最大の特徴は5気筒エンジン

大まかに言えば、今までのRS3と変わりはない。排出ガス、騒音、安全性について元々うるさく言われるカテゴリーであっただけに、今回の変更はさほど大きな影響を与えていないのだろう。

RS3の復活とほぼ時を同じくして、BMWのM140iも6気筒ターボからよりローパワーは4気筒へと変更されている。したがってこのエンジンはクラスで最大の排気量を持つことになり、今後さらに大きなエンジンの搭載は期待できないだろう。

このエンジンこそがRS3の最大の特徴だ。これがなければフォルクスワーゲン・ゴルフRに1万2000ポンド(165万円)上乗せされる理由がなくなってしまうだろう。

このエンジンが奏でるサウンドは、現代の人工的なサウンドジェネレーターには再現できないものだ。低回転域でのバラついたサウンドから高回転域のクレッシェンドまで、非常に特徴ある音を発する。このクルマでスコットランドの試乗ルートを走っていると、1984年のWRCをクワトロA1で戦ったハンヌ・ミッコラやブロンクビストの気分に浸ることができる。

あらゆる路面状況に対応

オプションのスポーツ・エグゾーストはさらにドラマチックさを追加してくれるが、その強烈さは若干薄まったように感じられる。これはEU全体での規制強化に対応するためだとアウディは説明している。しかし、ライバルの多くにありがちな人工的サウンドよりはるかに官能的だといえる。

アクセル操作に対するレスポンスは依然として非常に鋭い。どのような回転域であってもシームレスに反応してくれる。ごくわずかにラグの兆候が見られるものの、48.9kg-mものトルクがすぐさま湧き上がり、DCTを介して路面を蹴り出す。まるで自分が5ドアハッチバックに乗っていることを忘れさせるかのようだ。唯一残念な点を挙げるとすれば、回転上昇に伴うパワーの盛り上がりに欠けることだろう。

そしてもうひとつ驚くことに、おとなしく走れば非常にスムーズなのだ。コンフォートなモードを選択すれば、洗練された低回転域でのマナーと良く考えられたギア比がわかるだろう。TT RSよりも落ち着いた乗り味だが、S3やゴルフRよりは硬い。

運動性能について言えば、RS3は今までの高性能なアウディ車と同様に潤沢なグリップと安全性を持っている。しかし、昨年モデルと比べるとアンダーステア傾向が弱くなっているほか、エンジンは軽く4WDシステムは賢くなっている。もちろんBMW M2コンペティションはさらに刺激的だが、RS3の全天候性にはかなわないだろう。

「買い」か?

このエンジンが好きなら

判断の分かれ目となるのは、ハッチバックに5万ポンド(685万円)を払えるかということだろう。ただし、それが受け入れられないひとにはサルーンも用意されている。

RS3のパフォーマンスやエンジンの持つ個性に疑う余地はない。そして道路状況によってはスーパーカーをカモることもすらできるだろう。それでいて毎日の使用にも耐え、A3の洗練性や快適性も持ち合わせている。

しかし、このクルマより9000ポンド(123万円)安いS3や、1万2000ポンド(165万円)安いゴルフRでも、このクルマの90%程度のパフォーマンス、スタビリティ、楽しさを持ち、あらゆる天候に対応できる点も同じだ。そしてアダプティブダンパーを選択しさえすれば快適に走ることもできるのである。

このように冷静に考えてみると、RS3の必要性には疑問を生じざるを得ないだろう。しかし、このユニークなエンジンを好むのであれば、買う価値はあると言える。

アウディRS3スポーツバック・スポーツエディションのスペック

■価格 5万285ポンド(690万円)
■全長×全幅×全高 ー
■最高速度 250km/h
■0-100km/h加速 4.1秒
■燃費 10.5km/ℓ
■CO2排出量 195g/km
■乾燥重量 1125kg
■パワートレイン 直列5気筒2480ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 400ps/5850rpm
■最大トルク 48.9kg-m/1950-5850rpm
■ギアボックス 7速DCT

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