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ニューモデル 2019.4.9

アルピナ・マジック、SUVでも成立? ディーゼル「XD3」国内試乗

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もくじ

ー SUVでもライバルは一緒
ー アルピナとMはどこが違うのか?
ー 背が高くともアルピナなのか?
ー ディーゼルでもアルピナなのか?
ー その真価はBMW比にあらず
ー 新型アルピナXD3は買いか?
ー アルピナXD3のスペック

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SUVでもライバルは一緒

アルピナはBMWをベースに独自の高性能車を生産する自動車メーカーとして広く知られている。だが彼らは全てのBMWモデルをアルピナ化しているわけではなく、開発陣が可能性を感じたモデルだけを料理している。

だから現在までのところ、SUVモデルのアルピナはX3ベースのXD3と、X4ベースのXD4というミドルクラスの2モデルに限られている。

昨年のジュネーブショーでデビューした新型アルピナXD3は2代目ということになる。ちょっとややこしいのだけれど、初代XD3は2代目X3(F25)ベースで、今回は3代目X3(G01)がベースとなる。

XD3が属するミドルサイズのクロスオーバーSUVはまさに激戦区なのだが、その中にあってアルピナはもちろん最高レベルを標榜している。直接的なライバルとなるのは本家BMWのM40dに違いない。

なにしろ同じシャシー、同じシリンダーブロックのディーゼル・ユニット等々だから「ライバルじゃない」という方がムリだ。まあ以前からアルピナはBMWのMとの違いをウリにしているので、今回もまた、という展開ではあるのだが。

アルピナとMはどこが違うのか?

アルピナの核心とも言えるテーマに触れる前に、まずはチューナーとメーカーの違いから。

アルピナが独立した自動車メーカーであるという根拠はBMWとは違う独自の車体番号を持っているという部分に起因している。だがそれはカスタマーにとっての根拠やベネフィットにならない。

「性能的な穴がない」というのは大雑把な表現なのだけれど、それこそアルピナがチューナーではなくメーカーであることの証左だと筆者は解釈している。

これまで様々なアルピナをドライブしてきたが、その全てに共通しているのは「使い手にガマンを強いることがない」という事実だ。チューニングカーは突出した性能を得る替わりに何かを失うというトレードオフの関係がついて回る。

だがアルピナはエンジンパワーに比例してアシも締め上げるけれど、乗り心地も犠牲にしない。不可能を可能にしているからこそ「アルピナ・マジック」というキャッチコピーが出回るのだ。この事実はそのままBMW Mの話にも通じている。

というのも、BMW本体(性能的に穏やかなモデル)があるからこそ、Mはちょっとした冒険ができる。つまりMはチューニングカー的な分野に足を踏み入れられるのだ。

その立ち位置の違いが「徹底的に纏めるアルピナ」と「飛び道具のM」というスタンスの違いに表れている。

背が高くともアルピナなのか?

クルマの主役がセダンからSUVに変わろうとしている(もう変わった?)昨今においても、アルピナの本懐はセダン(彼らはリムジンと呼ぶ)にあると信じて疑わないファナティックは多い。

ディーゼルが市民権を得てもなおアルピナといえば官能的ガソリン・ユニット! 筆者もそんな感覚の持ち主である。

けれど今回、新型XD3に乗り込み、ヴァーネスカ・レザーが奢られたカチッとしたシートと、しっとりと柔らかいラヴァリナ・レザー張りのステアリングを握ってしまったら、もう四の五の言わずにアルピナを楽しもう! という気にさせられる。

ラヴァリナ・レザーはセミアニリン革の一種だが、自動車世界にこれ以上の手触りがあるだろうか! という質感である。

新型XD3は走りはじめから特異な感触を示す。M40d比で言えばタイヤのコンタクトはしなやかだが、かなり強くロールが抑え込まれ腰高感の払拭に成功している。

試乗車は標準の20インチからオプションの22インチ・ホイールに変わっているので直進性が強く、それがツアラー的な個性を生み出している。

車検証上の車重は2120kgもあるが、それでも身のこなしは極めて軽快。その鍵はアシのセッティングというより、むしろエンジンにある。

ディーゼルでもアルピナなのか?

3ℓストレート6ビ・ターボ・ディーゼルの特筆すべき点は4000から4600rpmで発揮する333psの最高出力ではなく、1750rpmから2500rpm過ぎまで続く71.4kg-mのトルクの方である。

ガソリンならば5ℓ級相当のビッグトルクによって、車重が3割減ほどに感じられる。アルピナがこのミドルクラスSUVにディーゼルモデルしか用意しなかった狙いも「車重相殺」にあるのだろう。

最近のアルピナの得意技である低圧と高圧という2基のターボチャージャーの直列配置による過給も極めて滑らかなので、刺激的な加速感よりもクルマ全体のレベルの底上げに効いている。

となれば、このアルピナ・ディーゼルが1速ずつ高回転まで引っ張って楽しむほどの官能性を秘めていなかったとしても誰も文句は言えないだろう。

ZFの8速ATはBMWの常套だが、一方4駆のセッティングは積極的にフロントにも駆動トルクをもたらす性格で、高速安定性は極めて高い。

このクルマは週末にワインディングを楽しむより、都市部の本社と地方の工場を毎日のように往復しなければならないひとのための上質な超特急なのである。

その真価はBMW比にあらず

アルピナに関して「ノーマルのBMW比でいくら高い」というような記述を見かけることがあるが、それはアルピナの世界観にまで踏み込めていないひとの考えである。

飛び切り速くて、リニアなハンドリングを実現し、さらに上質なインテリアと厳かな乗り心地を備えた欲張りなクルマにそれなりのプライスタグが付くのは当然だ。

今回はXD3をそれほど長くドライブできたわけではないが、これまでの歴代「リムジン」に通じるテイストをしっかりと表現できていたことは確認できた。

ひとつだけ気になったのは22インチのオプション・タイヤ&ホイールで、これはタイトな山道で大きくステアリングを切った時などに少しだけハンドリングがゴワつく原因になっていた。

普段使いとしてXD3を選ぶなら、標準の20インチこそアルピナが推す最適解なのではないだろうか?

新型アルピナXD3は買いか?

もちろん買いである。

資金的な問題がクリアできるのであれば。ちなみに筆者の周りでアルピナ・マジックを興奮して語るひとは少なくないが、例えばオーナーであっても「期待したほどではなかった」という意見は聞いたことがない。

そして中古車市場を見渡すと、けっこうなマイレッジを稼いだ個体が目立つ。

そんな事実にも、ドイツの小メーカーが作る作品の、見た目以上の真価が現れていると思う。

アルピナXD3のスペック

価格:1094万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4720×1895×1675mm
最高速度:254km/h
0-100km/h加速:-
燃料消費率:12.6km/ℓ
CO2排出量:208g/km
車両重量:2090kg
パワートレイン:直列6気筒2992ccディーゼル・ツインターボ
使用燃料:軽油
最高出力:333ps/4000-4600rpm
最大トルク:71.4kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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(AUTOCAR JAPAN 吉田拓生)

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