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長期テスト フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(6) ヒュンダイi30Nとの比較

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長期テスト フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(6) ヒュンダイi30Nとの比較

もくじ

ー ゴルフGTIとヒュンダイi30Nとの違い
ー エキサイティングなi30N
ー 処女作ながら高い完成度
ー テスト車について

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ゴルフGTIとヒュンダイi30Nとの違い

ある日のこと、以前から予想していたことをしてしまった。存在しないリアドアを開けようとしてしまったのだ。既に乗り始めてから数カ月経つけれど、リアドアが欲しいと思ったのは初めてだった。にわか雨など不順な天気の中でのクルマの乗り降りで、不便を感じたことがきっかけ。3ドアのハッチバックが絶滅しかけている理由が、良くわかった。多くのひとは、もう2枚、ドアが付いていたほうが良いのだ。

さて、そんなホットハッチの代名詞ともいえるゴルフGTIだが、英国編集部にはもう1台のホットハッチがある。どちらのクルマが、カーライフをより豊かにしてくれるのか、AUTOCAR英国編集部所属のレイチェル・バージェス(以下:RB)とマーク・ティショー(以下:MT)のふたりで、確かめてみることにした。

RB:ホットハッチの中で最高のクルマは、依然としてゴルフGTIでしょうか?
MT:強力なライバルは出てきていますよね。ゴルフGTIは今も新鮮味のあるユニークな存在ですし、このヒュンダイi30Nを含めて、完全にGTIの方程式を具現化できているクルマは、他にないと思います。GTIよりも最高出力で勝るホットハッチはいくつかありますが、GTIの最大の魅力はそのオールラウンドな利便性の高さにあると思うんです。

RB:ゴルフGTIに弱点がないわけではないですが、かといって新しいホットハッチがGTIのレベルまで到達しているかというと、疑問。でも、数カ月前にこのi30Nに出会って、素晴らしいと思ったんです。確かにゴルフGTIほど熟成された仕上がりではないけれど、ある意味で、よりエキサイティングなクルマだなと感じました。

エキサイティングなi30N

MT:i30Nのベストは何といってもシャシー。開発予算がしっかり掛けられていることは明らかで、ホットハッチの開発としては正しいコストの掛け方だと思います。走りの焦点では、一昔前のホンダ・シビック・タイプRのような素晴らしい速さを備えていますが、日常性の面ではもう少しですかね。
RB:シャシーは良いのに、過度に硬い乗り心地のせいで、かなり厳しい評価を受けることになってしまったのだと思います。ゴルフGTIに長時間運転した後にi30Nに乗り換えてみると、乗り心地の面で正直そこまで大きな違いは感じられませんでした。確かに郊外のスピードバンプでの衝撃は大きいですが、慣れてしまえば、毎日使えるとても利便性の高いクルマだと思いますよ。

MT:その硬い乗り心地は、GTIより重い車重も原因しているのかもしれません。i30Nの重さは乗っていても良くわかりますし、より大きいパワーが必要な理由もそこでしょう。加速してスピードが乗ってしまえば、機敏に動くゴルフGTIの方が速いクルマだと実感します。実際、以前にハンドリングディ(ドライバーズカー選手権)で比較した時、カッスル・クーム・サーキットでのi30Nとの差は0.3秒だけでした。高速サーキットなので、パワーのあるクルマのほうが有利になるコースなのに。スペックシートだけではわからない、GTIの速さを証明しているといえますよね。
RB:多くのひとは、性能で優れるクルマを選びます。特に走行パフォーマンスやカタログスペックなど。GTIはその点で不利ですよね。でも、たとえ最高出力が高くても、それを実際活かせるかどうかは別の話。クルマのサイズや車重などと同じように、適正な量というのもあります。

MT:レイチェルはi30Nの低回転域でのトルクがもう少し欲しいと話していましたが、わたしとしては、そこがこのクルマの特徴でもあると思うんです。とてもパワフルで扱いやすいエンジンで、GTIよりもパフォーマンスで優れていると実感できます。
RB:ゴルフGTIのトルクの出方は、i30Nよりも遥かにリニアです。i30Nのトルク感は少し遠回しな印象ですが、中回転域での加速が素晴らしいからエキサイティングさを感じられるんですよね。高速道路のランプから本線への合流のときなどは特に楽しくて、特徴的なエグゾーストノートのせいもあって、GTIよりはパンチ力で強いように感じられるんです。

処女作ながら高い完成度

MT:確かにi30Nのサウンドはホットハッチらしいですね。
RB:それにわたしはi30Nのシフトチェンジのフィーリングも好きです。GTIのスムーズで、1足目のギア比が長いという点は良いと思います。でも、i30Nの正確で素早い操作感は満足感も高く、このクラスのクルマとしては白眉のできですよ。

MT:ヒュンダイがどこに予算をかけたのか、良くわかります。ホットハッチを「ホット」にするための鉄則です。わたしとしては、この2台をよく表していると思うのが、ステアリングホイールを握った時に、手に伝わる感触です。ゴルフは手のひらにすっと馴染んで、滑りにくい素材が使われていますが、i30Nはどこか安っぽく感じられます。他の部分も標準グレードのi30と「N」との間で、大きな違いはありません。ゴルフGTIが、立派なシートとゴルフボール状のシフトノブを付けているのとは対照的ですよね。

RB:i30Nのインテリアと比べると、GTIのインテリアは素晴らしい。わたしも2台のホットハッチを見比べて、初めに気づいたのがインテリアの仕立てでした。面白いことに、GTIの方はシート調整がマニュアルなのに、i30Nは電動。GTIのエンジンスタートは一般的なキーをひねる方法なのに、i30Nはキーレス・スタートだったりします。GTIは伝統的な部分を尊重したのかもしれませんが、新しいi30Nの方は、利便性を選んでいます。しかも、従来式の手で引くタイプのハンドブレーキ・レバーを備えている点で、i30Nは大きなアドバンテージを持っているといえるでしょう。GTIの電子スイッチタイプのものより、遥かに良いですよ。

MT:わたしが思うに、i30Nで改めて考えるべきことは、ヒュンダイとして初めてのホットハッチでありながら、この高い完成度を得てきた、ということです。ヒュンダイは漠然と世界最高のホットハッチを目指したのではなく、競争力の高いエンジンとシャシーを生み出すために、しっかりと予算を投じています。それでもまだ、ゴルフGTIにアドバンテージはあるとは思います。
RB:わたしも同感です。GTIがベストチョイス。でも、i30Nはより刺激的な選択肢として有力だとも思います。それに、すべてのオプションを追加したとしてもゴルフGTIより4000ポンド(55万円)近く安いのは、見逃せません。

テスト車について

モデル名:フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
新車価格:2万8320ポンド(390万円)
テスト車の価格:3万2520ポンド(448万円)
燃費:13.5km/ℓ
故障:無し
支出:無し

モデル名:ヒュンダイi30N
新車価格:2万7995ポンド(386万円)
テスト車の価格:2万8580ポンド(394万円)
燃費:10.7km/ℓ
故障:無し
支出:無し

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