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ル・マンを闘ったジャガーXJR220出品 ボナムス・ジ・ボンドストリート・セール

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ル・マンを闘ったジャガーXJR220出品 ボナムス・ジ・ボンドストリート・セール

幻の勝利 50号車 写真11枚

世界スポーツカー選手権(WSPC/WSP)で圧倒的な強さを誇ったジャガーのグループCマシンXJRシリーズをプロデュースしたのがトム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)だ。WSPがF1とおなじ3.5ℓのNAエンジンを使う規定に変更されたところから衰退してシリーズは1992年で終了してしまう。

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ちょうどこの時期はフェラーリF40をはじめ各社からサーキットを見据えたミドシップのスーパーカーが送り出されていたこともあり、グループCなきあとのジャガーもスーパーカーを用意することになり、製作はTWRが担当。1988年にプロトタイプが姿を現すが、正式に発表されたのは1991年なってからだった。

ミドに搭載されるのはXJR10で使用された3.5ℓ V6DOHCツインターボ・ユニットをロードカー用に変更して使用された。スタイリングは幻のXJ13をモチーフにしたというもので、車名の「220」は最高速度220マイル(352km/h)を意味する。

グループCなきあとのジャガーとTWRはXJ220をベースとしたコンペティションGTの製作に取り掛かり、1993年のル・マン24時間レースに3台体制でエントリー。エースカーの50号車にはF1で活躍するデビッド・クルサードとグループCのベテランであるデビッド・ブラバム、そして手練れのジョン・ニールセンの3人にステアリングが託された。サポートカーの51号車と52号車はレース開始早々にオーバーヒートでリタイヤしてしまったが、50号車はポルシェ911を終始リードして306周を走り抜き、カテゴリー4/GTクラスのトップでチェッカーを受けてシャガーに勝利をもたらす。しかしレースの車検で車両規定違反が判明し、ジャガーの勝利は幻になってしまった。

今回出品されたXJ220コンペティションは1993年のル・マンで幻の勝利を勝ち取った50号車そのもので、引退後はTWRミュージアムで保管され、その後はブルネイのサルタン・コレクションにあったため、レース時の車検ステッカーなどが当時のまま残されている。このように英車のレース史に欠かせない存在といえるXJ220コンペティションなのだが、ボナムス・ジ・ボンドストリート・セールに集まった愛好家はクラシック・モデルが好みだったようで、残念ながら最低落札価格と思われる3億1900万円に届かず流れてしまった。

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