現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 新型BMW 8シリーズ840dに試乗 6気筒ディーゼル クラス最高のGTクーペ

ここから本文です

新型BMW 8シリーズ840dに試乗 6気筒ディーゼル クラス最高のGTクーペ

掲載 更新
新型BMW 8シリーズ840dに試乗 6気筒ディーゼル クラス最高のGTクーペ

もくじ

どんなクルマ?
ー 7万5000ポンド級では珍しいディーゼルクーペ
どんな感じ?
ー M850iと840dとの違い
ー 個性的な部分を楽しめる余裕
「買い」か?
ー クラス・ベストのGTクーペ
スペック
ー BMW 840dのスペック

新型メルセデス・ベンツGクラス G550、AMG G63日本価格/サイズ/内装

どんなクルマ?

7万5000ポンド級では珍しいディーゼルクーペ

新しいクーペに乗る機会は、今時珍しい。 BMW 840d xドライブに触れて真っ先に気がつくことは、7万5000ポンド(1110万円)クラスのディーゼルエンジンを搭載したライバルが存在しないということ。

4ドアなら、ポルシェ・パナメーラなどスリークなクーペスタイルのモデルは、何台か存在する。また最も強力なグレードになる、アウディA7 TDIは、同等の出力を持つディーゼルエンジンを搭載しながら、価格は8シリーズよりは低めに設定されている。しかし、スポーティさとラグジュアリーさを融合させた、8シリーズのような真の2ドアクーペは他に存在しない。ただし、840dの存在意義は、この先のディーゼルエンジンの環境規制など、周囲の動向にも大きく依存するだろう。

復活を遂げた8シリーズを牽引するツートップの一端を担うのは、530psを発生するV8ツインターボを搭載したM850i。スーパーカー顔負けの加速を披露するものの、タンクを満タンにしても840dほどの巡航距離は得られず、また価格も2万4000ポンド(355万円)ほど高く設定されている。V8エンジンのパフォーマンスをフルに引き出せるのは、オーナーの中でも数が限られるはず。

反面、より静かな3.0ℓのディーゼルエンジンを搭載するのが840d。最高出力は320psで、0-100km/h加速も4.9秒と、決して遅くはない。最高速度は、249km/hでリミッター制御されている。

M850iとは異なる、グランドツアラーとしての走りを、確かめてみよう。

どんな感じ?

M850iと840dとの違い

ひと目見ただけでは、M850iと840dとを区別する大きな違いは感じられない。しかし、Mの名前に恥じぬように、ほかのモデルと同様に、M850iにはM仕様のフロントスポイラーやサイドスカート、リアスポイラーが装備されている。また840dには、ディーゼル仕様だけのエグゾーストに、20インチのYスポーク・デザインのホイールが装備されている。ちなみに、840dにはランフラット・タイヤが標準装備されるが、望まない場合は通常のタイヤも選択は可能だ。

インテリアは先進的ながら、いかにもBMWらしいデザインが広がる。ピアノブラック仕上げの化粧パネルとクロームメッキのパーツ類がふんだんに用いられている。ダッシュボードの表面は、カスタマイズできる範囲が広げられたiドライブ7.0システムで専有され、中心の巨大なモニターに加えて、ドライバーの正面に据えられたインスツルメントパネルもモニター式となる。視線移動を少なくしたい場合は、ヘッドアップディスプレイを見ると良い。

英国のBMWディーラーは、英国人の好みを良く理解しており、840dにも、M850iと同等のドライバー支援技術や最新のトラクションコントロールが標準装備。初めから四輪駆動のxドライブとなり、低速コーナーでステアリングを軽くクイックにしてくれる、インテグレイテッド・アクティブ・ステアリングも自動的に付いてくる。

これらの設定により、長距離を運転するときの印象は非常に優れている。840dをドライブすれば、たとえ近所のスーパーへ買物に行く程度の距離でも、そのことに気づくだろう。着座位置は充分に低く、落ち着きのある航続距離の長いドライブトレインは、コンフォートモードでも豊かなトルクを湧出。スポーツモードやエコプロモードを選ぶ機会は、多くはないと思う。

個性的な部分を楽しめる余裕

スポーツモードを選ぶと、エンジンは最大トルクが発生する回転域を積極的に利用するようになり、ATのキックダウンも積極的に行われる。得られる加速はかなり鋭いもので、エンジンの回りっぷりは、活発な走りを楽しもうとする気持ちも満足させてくれる。

しかし、腕を試されるようなワインディングを、本気で走るような場合でない限り、コンフォートモードのままで、シフトパドルを使って自ら変速した方が良いとは思う。840dのスタビリティもグリップも非常にレベルは高く、スポーツクーペだということを、常に実感させてくれるだろう。

840dのサスペンションは標準ではコイルスプリングで、このクラスでは一般的になりつつあるエアサスペンションではない。一般道での乗り心地は、どちらかといえば旧態然としたもので、やや硬く滑らかさは欠けている印象。上級グレードのM850iとは異なり、アダプティブダンパーとアクティブ・アンチロールバーが装備されていない理由が大きい。

サスペンションの仕上がりに関しては、より洗練されたモデルも存在することには気付かされるかもしれない。しかし、オーナーになってしまえば、完成度の高さと説得力には、きっと満足させられるだろう。

6気筒のディーゼルエンジンは、スムーズで活発に回るスポーティさがあるが、車外で聞こえるカラカラとした音が、最初は気になるかもしれない。しかし、シートに座って普通に運転する限りはほとんど聞こえず、耳につくのはアクセルを踏み込んだ時程度。むしろ少しペースを速めた程度なら、心地よい音が響いてくる。細かいことは気にせず、個性的な部分を楽しんで優雅にドライブをするのが、このクルマにはあっている。

「買い」か?

クラス・ベストのGTクーペ

オシャレなルックスに不満のない走行性能、充分なラゲッジスペースを備えた大型グランドツアラーを探しているのなら、840dより優れたモデルは見つからないと思う。特にディーゼルエンジンの燃費は12.3km/ℓと、車体を考えれば優れており、航続距離も満タンで960kmくらいは見込めるはず。

全長は4.8mもあり、サイズ的には大型サルーンと変わらないから、決して俊敏なクルマではない。しかし、リラックスした乗り心地とラグジュアリーな雰囲気を兼ね備えた車内空間は、それを埋め合わせしてくれるだろう。

また、長いフロントノーズと短いトランクリッドに挟まれた、リアシートに座る体験も、なかなか特別感があって良い。価格相応の価値を持った、優れたクルマだと思う。

BMW 840dのスペック

■価格 7万6270ポンド(1128万円)
■全長×全幅×全高 4851×1902×1346mm
■最高速度 249km/h(リミッター)
■0-100km/h加速 4.9秒
■燃費 16.3km/ℓ
■CO2排出量 160g/km
■乾燥重量 1830kg
■パワートレイン 直列6気筒2993ccツインターボ
■使用燃料 軽油
■最高出力 320ps/4400rpm
■最大トルク 69.2kg-m/1750-2250rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

こんな記事も読まれています

840万円超え! 全長4m切り「爆速コンパクトカー」出現! 5速MT&4WD搭載の「伝説級モデル」がスゴい… 鮮烈レッドの“激レア車”がベルギーで落札
840万円超え! 全長4m切り「爆速コンパクトカー」出現! 5速MT&4WD搭載の「伝説級モデル」がスゴい… 鮮烈レッドの“激レア車”がベルギーで落札
くるまのニュース
NEWカラーが3色登場!スズキが「V-STROM 1050」の新型モデルを発売
NEWカラーが3色登場!スズキが「V-STROM 1050」の新型モデルを発売
バイクのニュース
バスのBEV化が急激に進むタイで生き残る激安の「赤バス」! 「アジア感」たっぷりのエアコンレスの古いバスは消滅の危機
バスのBEV化が急激に進むタイで生き残る激安の「赤バス」! 「アジア感」たっぷりのエアコンレスの古いバスは消滅の危機
WEB CARTOP
日産が4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを北京モーターショー2024で披露
日産が4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを北京モーターショー2024で披露
カー・アンド・ドライバー
「ミニ JCW マキシチューナー」これぞまさに本来のミニ クーパーのドライビングの楽しさだ!
「ミニ JCW マキシチューナー」これぞまさに本来のミニ クーパーのドライビングの楽しさだ!
AutoBild Japan
走行「10万キロ超え」&25年前の「日産車」が約3000万円!? “ド迫力”ウイング装着の「スカイライン」米国で“超高額”落札!
走行「10万キロ超え」&25年前の「日産車」が約3000万円!? “ド迫力”ウイング装着の「スカイライン」米国で“超高額”落札!
くるまのニュース
新型「フェアレディZ」「ロードスター」が絶賛されればされるほど、スポーツカーの“落日”が浮き彫りになる皮肉現実
新型「フェアレディZ」「ロードスター」が絶賛されればされるほど、スポーツカーの“落日”が浮き彫りになる皮肉現実
Merkmal
アプリ専用タクシーとアプリードライバーが千葉でスタート…GOで乗務員不足に対応
アプリ専用タクシーとアプリードライバーが千葉でスタート…GOで乗務員不足に対応
レスポンス
そのホイール角度って意味あるの!? タイヤをハの字にする理由とは~カスタムHOW TO~
そのホイール角度って意味あるの!? タイヤをハの字にする理由とは~カスタムHOW TO~
レスポンス
1泊3000円で泊まれる!? 「高速SAホテル」がスゴい! 車中泊と違う“一般道に降りず”に泊まれる施設、SNSでの反響は?
1泊3000円で泊まれる!? 「高速SAホテル」がスゴい! 車中泊と違う“一般道に降りず”に泊まれる施設、SNSでの反響は?
くるまのニュース
MotoGPは2027年に新たなステージへ!? ドルナがさらにアグレッシブで安全で持続的な新レギュレーションを発表
MotoGPは2027年に新たなステージへ!? ドルナがさらにアグレッシブで安全で持続的な新レギュレーションを発表
バイクのニュース
勝田貴元がステージウインの奮闘。総合首位はロバンペラ、トヨタが1-2-3【WRCポルトガル二日目】
勝田貴元がステージウインの奮闘。総合首位はロバンペラ、トヨタが1-2-3【WRCポルトガル二日目】
AUTOSPORT web
【10年ひと昔の新車】ランボルギーニ アヴェンタドールは、速く、ゴージャスな、まさにスーパースポーツカーそのものだった
【10年ひと昔の新車】ランボルギーニ アヴェンタドールは、速く、ゴージャスな、まさにスーパースポーツカーそのものだった
Webモーターマガジン
伊藤かずえの愛車、“30年以上”乗り続ける「シーマ」だけじゃなかった!? まさかの「もう1台の愛車」登場! 6か月点検の様子を報告
伊藤かずえの愛車、“30年以上”乗り続ける「シーマ」だけじゃなかった!? まさかの「もう1台の愛車」登場! 6か月点検の様子を報告
くるまのニュース
やっぱクーペはノッチバックだぜ! 車名は[コロナ]でもめちゃスタイリッシュだった!! カレンのご先祖様[コロナクーペ]はST160セリカの兄弟車!
やっぱクーペはノッチバックだぜ! 車名は[コロナ]でもめちゃスタイリッシュだった!! カレンのご先祖様[コロナクーペ]はST160セリカの兄弟車!
ベストカーWeb
カワサキ「Z650RS」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Z650RS」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
曲線を活かしたインテリアがオシャレなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
曲線を活かしたインテリアがオシャレなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
まるでポルシェタイカンだ!! [フリード]オーナーが新型で惚れたのは、すばり[ヘッドライト]!
まるでポルシェタイカンだ!! [フリード]オーナーが新型で惚れたのは、すばり[ヘッドライト]!
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1050.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

658.01278.0万円

中古車を検索
8シリーズの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1050.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

658.01278.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村