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ロードテスト ポルシェ・カイエン ★★★★★★★★☆☆

掲載 更新
ロードテスト ポルシェ・カイエン ★★★★★★★★☆☆

もくじ

ーはじめに
ー意匠と技術
ー内装
ー走り
ー使い勝手
ー乗り味
ー購入と維持
ースペック
ー結論

ポルシェ・カイエン・クーペ リアウイングが開いた ニュルでテスト目撃

はじめに

3代目へと進化したポルシェ・カイエン・ターボだが、それを取り巻く状況は、2003年に初代が衝撃的なデビューを飾った時とは異なるものになっている。そう、初代は壁を突き破ってハンマーが飛んできたようなサプライズだった。そのようなクルマは、この世に存在しなかったのだ。だが、いまや550psのSUVも、かつてのスーパーサルーンがそうであったように予想の範囲内となり、もはやカイエンの独壇場ではない。また、ポルシェのエンジニアリングの発展への貢献度もそれほど大きいものではない。もっとも、その見解には反論もあるだろうが。

そんなわけで、われわれはパフォーマンスを重視した2tの高級SUVなど見慣れてしまっており、その市場も確立された。この上、このクルマから始まるものは何かあるのだろうか。かつてのような衝撃を、今さら新型カイエンがもたらすことなどできるのか。サスペンションやパワートレーンの最新テクノロジーが、ホットなカイエンの物理法則を無視したようなハンドリングを、さらなる高みへ引き上げられるというのか。それも、高級SUVに期待される快適性や利便性に妥協することなく。

さもなくば、カイエン・ターボのキャラクターやポジションを再考すべき時が来たのか。顧客の年齢層が上がるのを許容するために、またスーパーSUVクラスの観念的な中心的存在へ近づくために、見直すべきは見直すのだ。ただし、激しい走りのマージンは残したままで。

それを確かめる時が来た。生産上の問題はまだ未解決ながら、カイエン・ターボの右ハンドル版、その初期ロットが英国に上陸した。いかに速く、激しく、ハンドリングに優れたクルマなのか、明らかにしていきたい。


▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論



▶ はじめに ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

カイエンを含め、フォルクスワーゲン・グループのMLBエボ・プラットフォームを用いた高級SUVのレポートには飽き飽きかもしれない。同じようなネタばかりで申し訳ないところだ。そんなことはない、というなら、あまり新車紹介記事を熱心にお読みいただいていないのだろう。

とはいえ、3代目カイエンの話をさせていただこう。少なくとも、これは同じプラットフォームをベースとするファミリーの中にあって、初めてショートホイールベース版を採用した点で、多少なりとも目新しさがある。アウディQ7やQ8、そしてベントレー・ベンテイガと比べれば、その短縮幅は100mmで、ランボルギーニ・ウルスよりも短いのだ。また、全高と重量をみると、カイエンを下回るのはウルスのみ。もっとも、ウェイトは公称値での比較という条件付きだが。なお、テスト車の実測値は2307kgで、カタログ値の2250kgは満タンの燃料と数多くのオプションを含まないデータということになる。

ホワイトボディは主にアルミ製で、ボンネットやテールゲート、ドアやルーフ、フロントフェンダーにもそれは及ぶ。前後のマルチリンクサスペンションにもアルミ部材が多用され、ターボでは他グレードよりトレッドが拡大されている。また、安価なグレードでは金属スプリングが備わるのに対し、それらではオプションとなる車高調整可能な3室エアスプリングとPASMアダプティブダンパーがターボではスタンダード。21インチのホイールや、タングステンカーバイドで鋳鉄ディスク表面をコーティングしたブレーキも標準装備される。PSCBと銘打たれたこのブレーキは、ストッピングパワーを高めつつ摩耗を低減。しかし、テスト車にはオプションのPCCBカーボンセラミック・ディスクが装着されていた。

もちろん、それらはシャシーを読み解く要素としては、ほんの序の口だ。リアアクスルにはトルクベクタリング機能を持つeデフが追加でき、アクティブスタビライザーやアクティブ四輪操舵も選択できる。このうち、テスト車に装備されていなかったのは4WSだけだ。

エンジンはシリンダーバンク内側にツインターボを収める3996ccV8で、これはベンテイガV8と同じユニットだ。550psと78.5kg-mのアウトプットは、先代ターボからの向上をみている。BMW MやメルセデスAMG、ランドローバーSVOといった主なライバルにはだいぶ見劣りするが、おそらくは今後登場するターボSやターボS Eハイブリッドに備え、意図的に目減りさせているのだ。

トランスミッションはZF製8段AT。クラッチを用いた4WDシステムは、トルセンセンターデフ式の他グレードより多くの駆動力を後輪へ、それも迅速に伝達できる。

内装 ★★★★★★★★★☆

カイエンはパナメーラと同様に、心地よいアナログっぽさを感じさせながら、操作系には先進的な車内テクノロジーの数々が盛り込まれている。

計器盤は依然としてアナログ回転計を中央に据えるが、その両翼は素晴らしく鮮明なデジタルディスプレイの数々が固め、スリムなダッシュボード中央にはタッチパネル式ディスプレイがスマートに一体化している。ただし、オプションのカーボンインサートは、これに何の用もなさないが。そこから視線を下に落とすと、先代で並んでいたプラスティックのスイッチの代わりに、トランスミッショントンネルの頂上に張られたパネルと面一になったガラストップのボタンを目にすることとなる。

同時に、そこにはこれまでにもみられたオフロード走行向けの三角形のグリップハンドルやこの上ないドライビング環境のエルゴノミクス、インテリアの控えめなアーキテクチャーに支えられたソリッドさが受け継がれている。キャビンは広く至れり尽くせりで、静粛性はいうまでもなく高い。テスト車はロードノイズも風切り音もQ7 3.0TDIより小さく、ターボに標準装備されるグレーのアルカンターラのルーフライニングは好ましい。


これまた標準装備の18ウェイ調整式スポーツシートは、見た目以上にサポート性があり、様々な体型に対応。シートヒーターは前後席ともに備える。座面を低くしたことで、スポーティなルーフラインにも関わらず後席のヘッドルームは十分に広い。ただしレッグルームは、このサイズのクルマとしては妥当といった程度だ。

ターボの荷室容量は、下位グレードよりわずかに小さい。それでも、通常時で741ℓというのは、先代モデルからすれば大幅な進歩だ。

走り ★★★★★★★★★☆

ステアリングホイールの細いリムを握って走り出してみての第一印象は、最新のBMW M5並みのテスト値を叩き出すと思わせるものだった。とはいえ、当然ながらその両者には開きがある。0-161km/hと48-113km/hのタイムは9.3秒と5.9秒で、M5は7.5秒と4.0秒だ。とはいえ、これは2307kgもあり、路面からずっと離れて座らされるクルマだ。となれば、その速さには驚くべきものがある。

もっとフェアな比較をするなら、相手はレンジローバー・スポーツSVRあたりだろう。マイナーチェンジ前の550psバージョンは、カイエンターボと同じパワーで、10.3秒と6.4秒をマークしている。不満に思うのは、カイエンの華やかさやサウンドのエキサイティングさが、スーパーチャージャーのレンジローバーほどではないことだけだ。

唐突な減速ぶりは、大げさに表現した速度の上がり方と同じくらい強烈だ。フロントのブレーキはカーボンセラミック・ディスクが415mmもの直径で、それを掴むキャリパーはなんと10ポット。113-0km/hの停止に要する距離は44.5mで、レンジスポーツSVRより短く、ノーズダイブも最低限だ。この強烈なブレーキング時に見せるスタビリティと予測しやすい性質があるからこそ、エンジン性能をためらいなく全開にできるのだ。

ほとんどの場合、ZFの8段トランスミッションは変速を感じさせないほど滑らかで、このクルマのキャラクターにはデュアルクラッチよりマッチしている。それでも、ひどく活発さに欠けるレスポンスと、郊外を走るような速度域でノーマルモードのままにした際の控えめなギアセレクトを指摘するテスターもいた。例えば車間を詰めたいときなどは、左側のシフトパドルを操作しなければならない。スポーツクロノ・パッケージ仕様ならば、ノーマル/スポーツ/スポーツプラスの3モードが設定される。さらにスポーツ・レスポンスのボタンを押せば、20秒間のみパワートレーンを一触即発の状態に持ち込めるが、その場合は高回転域で、ほとんどわからない程度ながらターボラグが発生する。

長距離走行の資質は申し分なく、ツーリング燃費は11.2km/ℓと、4.0ℓV8ツインターボを積む2.2tのSUVとしては十分に満足できる。燃料タンク容量は90ℓで、スロットルオフ時にエンジンとトランスミッションの接続を遮断するコースティング機能の助けもあって、巡航時の航続距離は1000km強に達する。

テストコース

あるテスターは、ミルブルックのヒルコースで乗ったカイエン・ターボを、これまで乗った中で「もっともあぶないクルマ」と評した。なにしろ2.2tの巨漢でありながら、路面のキャンバーも勾配もおかまいなしにグリップし、前へ進もうとするのだから。

4.0ℓV8ツインターボが放つ極太のトルクは、このコースのテクニカルなストレートも、不気味なまでに制圧していく。傾斜角や選択したギアを問わず、凶暴なまでの勢いで坂の頂上まで駆け上がるのだ。

急カーブや突然の凹みや溝のようなくぼみがいたるところにあるコースだが、それさえカイエンのスタビリティコントロールの前では優秀さの引き立て役に回る。素早く縮むダンパーや迅速な荷重移動との協調ぶりも上々だ。

T2へのアプローチで、カーボンセラミックブレーキはカイエンの重すぎるウェイトと途轍もないスピードをこともなげに抑え込む。

T3やT4を抜けた後では、サスペンションのトラベルをほぼ使い切るくらい沈み込むが、その間もほぼ不安はない。

コースの最高地点であるT6に向けたアプローチも、78.5kg-mの大トルクで軽々と駆け上がる。

発進加速

テストトラック条件:乾燥路面/気温21℃
0-402m発進加速:12.5秒(到達速度:185.7km/h)
0-1000m発進加速:22.7秒(到達速度:238.0km/h)

レンジローバー・スポーツSVR(2015年)
テストトラック条件:乾燥路面/気温11℃
0-402m発進加速:12.8秒(到達速度:179.3km/h)
0-1000m発進加速:23.2秒(到達速度:227.1km/h)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温21℃
97-0km/h制動時間:2.78秒

レンジローバー・スポーツSVR(2015年)
テスト条件:乾燥路面/気温11℃

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

ダッシュボードへシームレスに組み込まれた12.3インチのタッチパネル式ディスプレーは、初めて見るとその大きさに違和感を覚えるかもしれない。これはポルシェ・コミュニケーション・メネージメントシステムの最新版で、操作はスマートフォンのよう。メディアやナビゲーション、カスタマイズ可能なホームページで照会した車両パラメータなどにアクセスできるアプリが組み込まれている。グラフィックはかなりシャープで、操作への反応に遅れはほとんどない。ただし、アイコンのいくつかが、走行中に扱うには小さすぎる。

スマートフォンとのコネクティビティについては、Apple CarPlayのみが用意される。しかし、Bluetooth接続機能が標準装備され、電話操作や音楽選曲などは容易だ。USBポートはセンターコンソールのコンパートメントと後席側に、それぞれ2口ずつ配置される。

このターボには、14スピーカー・出力710WのBoseサラウンド・サウンドシステムが装着される。標準モデルの150Wオーディオとは雲泥の差だ。

視界

このサイズのクルマに期待される、良好な視認性をみせる。後方視界がやや限定されるが、そこはカメラとセンサーが補ってくれる。

燈火類

マトリックスビームとポルシェ・ダイナミック・ライトシステム・プラスを備えるLEDヘッドライトは、1082ポンド(約16万円)のオプション。今回は、それを試す機会はなかった。

ステアリングとペダル

ステアリングコラムの調整幅は大きい。右ハンドル車はわずかにペダルがオフセットしているが、不快なほどではない。

乗り味 ★★★★★★★★☆☆

直線加速と同様に、コーナーでその巨漢ぶりを感じさせないマナーも印象的なほどすばらしい。

この能力には、3つの要素が貢献している。まずはシャシーそのものと凝ったエアサスペンションがもたらす、横方向の動じないボディコントロール。次に、意に反するのではなく、好ましい作動をするESPシステム。そして、ストレートを走っている間はイナーシャが出るだろうと思っても、曲がってみればしっかりしたグリップを発揮してくれる4WDシステムとピレリPゼロだ。言うまでもなく、アンダーステアは打ち消され、よほど意識しなければ感じられない。カイエンのフロントはほとんどの場合、素晴らしく鋭く精確で機敏だ。

しかしながら、この3代目の運動性能は、先代ほどシャープで没頭できるものではなく、比べてしまうとややもたつく感じがする。ライバルたちの上を行くスポーティさが、新型では抜け落ちてしまっているように思えるのだ。

例えばステアリングは、今回も素晴らしい手応えとダイレクト感を備えるが、これまでのようなインフォメーションや一体感がない。以前はコーナー脱出時に、後輪へトルクを積極的に送ってリアを振り回せたが、今回はよりニュートラルな特性になった。

結果として運転しやすくなったことに疑問の余地はないが、洗練性や快適性を高めたのと引き換えに、独特の運動性は失われた。より熟成され高級感を高めた商品になり、敢えて言うならポルシェらしさが薄まったのだ。

プライマリーライドのクオリティは、相変わらず秀逸だ。アンジュレーションや凹みの多い路面でも、飛ばすと平坦に感じられる。ただし低速では、ブルブル震える挙動が消しきれていない。

▶ はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ スペック ▶ 結論

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

いまのところ、カイエンのラインナップにおけるフラッグシップはこのターボだ。これより上位のグレードが、そう遠くないうちに追加されることは疑いようがないが、所有するには上級機種なりの出費を求められるのもまた否定できない。

さらに言えば、10万ポンド近い車両価格ながら、少なくない有償オプションも用意される。テスト車に装着されていた主なアイテムを紹介しよう。ポルシェ・ダイナミック・シャシーコントロールが2315ポンド(約35万円)、PCCBが4217ポンド(約63万円)、PTVプラスが1052ポンド(約16万円)、黒いルーフレールは413ポンド(約6.2万円)、2トーンのレザーインテリアが422ポンド(約6.3万円)。総計は1万5269ポンド(約229万円)にもなる。それでも、ライバルにはもっと高価なものもある。レンジローバー・スポーツSVRの車両価格は10万1145ポンド(約1517万円)だ。

残価の点でも、ポルシェは比較的有利だ。われわれの予想では、3年/5万8000km走行後でも60%程度で、レンジスポーツの55%を上回る。

価値の推移

カイエン・ターボは、同価格帯のライバルより残価が高い。3年後でも6割程度が見込める。

▶ はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ 結論

スペックで学ぶ ポルシェ・カイエン・ターボ

レイアウト

V8ツインターボはフロントに縦置きされ、シリンダー内側に2基のターボチャージャーを配置してコンパクトなレイアウトを実現している。出力は、8段ATを介して四輪に伝達される。前後トルク配分を司るのは、電子制御の可変多板クラッチだ。ターボには、アダプティブ3室エアサスペンションが標準装備される。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型8気筒3996ccツインターボ、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ86.0×86.0mm
圧縮比:10.1:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:550ps/5750~6000rpm
最大トルク:78.5kg-m/1960~4500rpm
許容回転数:6800rpm
馬力荷重比:244ps/t
トルク荷重比:34.8kg-m/t
エンジン比出力:138ps/ℓ

シャシー/ボディ

構造:スティール/アルミモノコック
車両重量:2250kg(公称値)/2307kg(実測値)
抗力係数:0.35
ホイール:前9.5J×21インチ/後11.0J×21インチ
タイヤ:前285/40ZR21/後315/35ZR21
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:パンク修理キット

変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
(1)4.71/10.3(2)3.14/15.3(3)2.11/22.9
(4)1.67/28.8(5)1.29/37.3(6)1.00/48.1
(7)0.84/57.3(8)0.67/71.9
最終減速比:2.91:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:7.3km/ℓ
ツーリング:11.2km/ℓ
動力性能計測時:4.2km/ℓ

メーカー公表値:消費率
市街地:6.2km/ℓ
郊外:10.8km/ℓ
混合:8.5km/ℓ

燃料タンク容量:90ℓ
現実的な航続距離:660km
CO2排出量:267g/km

サスペンション

前:マルチリンク/エアスプリング、アダプティブダンパー、アクティブスタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、アダプティブダンパー、アクティブスタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:12.1m

ブレーキ

前:φ440mmカーボンセラミックディスク
後:φ410mmカーボンセラミックディスク

静粛性

アイドリング:45dB
最高回転時:78dB(3速)
48km/h走行時:58dB
80km/h走行時:63dB
113km/h走行時:67dB

安全装備

ABS+ブレーキアシスト/ASR/ABD/MSR/レーンキープアシスト
Euro NCAP:5つ星(カイエン3.0ディーゼル、左ハンドル、2017年)
乗員保護性能:成人95%/子供80%
歩行者保護性能:73%
安全補助装置性能:62%

発進加速

実測車速mph(km/h)秒
30(48) 1.6

40(64) 2.2

50(80) 3.0

60(97) 3.9

70(113) 4.9

80(129) 6.2

90(145) 7.6

100(161) 9.3

110(177) 11.2

120(193) 13.4

130(209) 16.0

140(225) 19.1

150(241) –

160(257) –


中間加速〈秒〉

中間加速mph(km/h)2速3速4速5速6速7速8速
20-40(32-64) 1.9 – – – – – –
30-50(48-80) 1.5 2.3 3.3 – – – –
40-60(64-97) 1.6 2.1 2.7 4.0 – – –
50-70(80-113) – 2.1 2.6 3.5 5.3 – –
60-80(97-129) – 2.3 2.7 3.6 4.8 6.7 12.8
70-90(113-145) – 2.5 2.8 3.7 4.9 6.2 11.4
80-100(129-161) – – 3.0 3.7 5.2 6.4 10.8
90-110(145-177) – – 3.4 3.9 5.5 6.9 –
100-120(161-193) – – – 4.4 5.7 7.6 –
110-130(177-209) – – – 4.9 – – –
120-140(193-225) – – – 5.6 – – –
130-150(209-241) – – – – – – –
140-160(193-257) – – – – – – –


各ギアの最高速

1速 69km/h 6800rpm
2速 105km/h 6800rpm
3速 154km/h 6800rpm
4速 196km/h 6800rpm
5速 254km/h 6800rpm
6速 286km/h 5948rpm
7速 286km/h 4997rpm
8速(公称値) 286km/h 3985rpm


結論 ★★★★★★★★☆☆

「今回も素晴らしい。ただし、かつてのようなドライバーズカーではなくなった」

15年前、性能の高さを示しつつも、純粋主義者を賛否両論まっぷたつに分裂させた元祖スーパーSUV、カイエン・ターボ。それからの歳月は、重大で革新的な効果をこのクルマにもたらした。ポルシェSUVにおける2018年のフラッグシップは、見栄えがいいだけでなく、技術的な洗練度が高まり、直線では凶暴なまでに速い。

しかしながら、かつてのカイエンと新型とは違うものになった。走りに没頭させ、本気のドライバーをとりこにする能力の高さで、直接的なライバルと差別化できたそれとは。熱しやすい性質や走りの冴えは、クルマとしてのより広汎な魅力を求めるためにトーンダウンした。要は、途轍もなく速いSUVは欲しいが、快適性や洗練性、実用性などと引き換えにはしたくない、という類のユーザーを取り込もうと狙ったのだ。

そうしたアプローチは、ポルシェの財布を膨らませ、より本気のドライバーズカーを追加するための余地を生むのかもしれない。しかしながら、結果として生まれたのは、われわれとしては満足できないシロモノだった。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィーズポルシェ・カイエンにしろ、それ以外のどんなクルマにしろ、10万ポンド近く払うなら、キーレスエントリーは標準装備であってほしいと、個人的には思う。

リチャード・レーンこのカイエンはESPをオフにしてもなお、ほぼ他グレードではできないようなことをできるが、旧型にできたことはできない。ブレーキを残しつつコーナーへ進入し、そこからフルスロットルをかました時の、後輪駆動車のような走りは。

オプション追加のアドバイス

ブレーキにPCCBはいらない。標準装備のPSCBで十分だ。しかし、PDCCとPTVプラスは追い金するだけの価値がある。それにしても、似たり寄ったりで取り違えそうな略称はどうにかしてほしいものだ。

改善してほしいポイント

・エアサス仕様でももっとフィールがほしい。先代のように、コーナーを堪能することができない。
・ギアボックスのソフトウェアは再調整を。そうすれば、控えめな速度域でも、より適切なギアを選んでくれるはずだ。
・エキゾーストノートには、もっと個性がほしい。

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