もくじ
ー ブレグジットがもたらす「危機」
ー 「ディーゼルへの逆風も懸念要因」
英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット
ブレグジットがもたらす「危機」
2010年からジャガー・ランドローバー(JLR)のCEOを務めるラルフ・スペスは、バーミンガムで開催された初のゼロエミッション・ヴィークル・サミットでのスピーチで、ブレグジット(英国のEU離脱)が自社にもたらすと思われる影響に関する不安を口にした。
いわく「ディーゼル政策の結果、1000人規模の失業者が出ました。もしもブレグジットが順調に進まなければ、その数は数万人に膨らむでしょう」とのこと。
スペスはかねてより、ブレグジットがJLRにもたらす危機について口にしているが、それに対する政府の対応が明確さを欠いているともスピーチで指摘した。
「ブレグジットは、来年の3月29日に発効する予定です。今のところ、翌30日になってわが社の生産設備が機能していられるか、確信は持てません」とさえいうのだ。
「もしも生命線となる自動車部品の輸送が、ドーバーに続くハイウェイ上で足止めを食らうようなことになれば、自動車が造れなくなるでしょう。国境を挟んだいかなる摩擦も、わが社の生産を危機的状況に追い込みます」
「日々6000万ポンド(約90億円)ずつ損失が積み重なっていくのです。欧州の共同市場への自由なアクセスは、わが社のビジネスにとって重要な意味を持ちます。クルマにとってのタイヤのようなものです」
スペスは、企業の意思決定に不可欠なのは、政府の明確な態度だと主張する。
「ブレグジットまで半年と迫ってもあやふやだということは、多くの企業がただただ生き残るためだけの、それも引き返しようのない決断を迫られるということを意味します。結果はどうあれね。ディーゼルやガソリン、ハイブリッド、電気といった以前に、自由で摩擦のない貿易と透明な先行きこそが、私たちのビジネスにおける一番のエネルギー源なのです」
「ディーゼルへの逆風も懸念要因」
スペスはまた、ディーゼルへの逆風がすでにJLRで1000人の失業者を生む原因となっており、この状況が続けばリストラも続行されると語る。
政府のディーゼル車販売を妨げる動きが、旧車よりむしろ新車を標的にしているのが気がかりだという。
「より厳しいレギュレーションや高い課税により、より新しくクリーンなモデルの販売が妨げられています。その犠牲になるのは労働者です。1000人がJLRでの職を失えば、その家族や、ひいては地元経済にまで影響は波及します。今後、失業者の数は増えるかもしれません。切り捨てることではなく、産み出すことに集中させてほしいのです」
JLRのソリハル工場における従業員解雇は、英国におけるディーゼル車の販売不振を引き金に、この4月に実施された。2018年1月~4月の登録台数は新車登録全体の33.5%で、前年比で10.5%も減少したのだ。
ディーゼル問題とブレグジットのリスクにスペスが苦言を呈するのは、今回が初めてではない。これまでも強硬離脱がJLRに引き起こす問題についての発言は歯に衣着せぬものだったし、また「ディーゼルには必ず未来があり、そうである必要がある」とも繰り返してきた。
JLRは電動モビリティへ力を注ぐ流れの中にあり、ジャガーIペースに続いて、今後数年で多数の電動モデルを導入しようとしている。それでもスペスは、ディーゼルの重要性を力説し続けてきた。
「新型ディーゼルは、今もって多くのひとびとにとって適切な選択です。もしもその代替案なしに廃止されるようなことがあれば、地方での暮らしはどうなるのでしょうか。インフラ整備が整っていなかったなら、田園地帯ではどうすればいいのですか。ハイブリッド・パワートレインも、全て内燃機関が必要です。ディーゼルにしろガソリンにしろ、それと電力テクノロジーが揃わなければならないのです」
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