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初試乗 日産GT-R50 by イタルデザイン 1億円超の価格に見合うか

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初試乗 日産GT-R50 by イタルデザイン 1億円超の価格に見合うか

もくじ

ー 1億4500万円、50台限定
ー 独特なエクステリア 高められた運動性能
ー 上質なインテリア
ー カリフォルニアの公道へ繰り出す
ー 1億円超の価格に見合う?

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1億4500万円、50台限定

ダットサンや日産のパフォーマンスカーと名声あるデザインスタジオであるイタルデザインがともに50周年を迎えた。そこで、これを記念した限定モデルとして日産GT-R50 byイタルデザインが誕生した。今回の試乗ではそのコンセプトカーに試乗したが、これは今後130万ドル(1億4500万円)のプライスタグを掲げ、50台限定で発売される生産モデルへのヒントが得られるはずだ。

ワンオフのコンセプトカーを運転するのはいつだって特別な体験で、GT-R50の初試乗も例外ではない。まず目に飛び込んでくるのは衝撃的なデュアルカラー。日産はこれをリキッドキネティックグレーとエナジェティックシグマゴールドと命名しているそうだ。

デザインは欧州や米国の日産デザインチームが共同で行い、エンジニアリングと最終組み立てはイタルデザインが行う。コンセプトカーが公道仕様であったため、市販モデルも同様のはずだ。

デザインは日産GT-R NISMOの2018年モデルをベースに行われ、日本からイタリア・トリノへと運ばれた。GT-R50のコンセプトが初めて発表されたのもイタリアで開催されるジュネーブ・モータショーで今年6月にはグッドウッドでヒルクライムも行っている。

その後はベルギー・スパでほんの少しの期間展示され、モントレー・カーウィークで生産バージョンへの関心を見極めるため、米国へと輸送された。グローバルプロダクトコミュニケーションマネージャーのニール・リーブによれば、世界中のカーコレクターの中から50人の購入者が見つかりさえすれば、2019年には生産に着手できるだろうとしている。GT-R50は続いて日本に輸送され、アジアでお披露目される。

独特なエクステリア 高められた運動性能

現行GT-Rのエクステリアの特徴はフロントの迫力に尽きる。GT-R50ではこれが少々トーンダウンしており、代わりに流行のエナジェティックシグマゴールドのアクセントが取り入れられている。

一方、サイドをみると何かが変わっていることに気づくはずだ。実はルーフが5.3cmほど低くなっている。さらに、リアのハイマウントストップランプは、これまで見た中でもっとも独特な形状をしている。ルーフトップに備わる半透明のフィンが光るのを見逃すことはないだろう。


 

リアはエナジェティックシグマゴールドに塗られたデッキが目を引くが、新たにポップアップ式のリアスポイラーを装備したことも見逃してはならない。イタルデザインの担当者にボンネットを開けるよう頼んだところ、ふたりがかりの作業だったのには驚いた。

エンジンについては、標準モデルの600psを上回っており、日産のパフォーマンスチューニング部門のNISMOによると、3.8ℓツインターボV6エンジンは710ps、79.5kg-mに達している。

そのために、競技用スペックのターボチャージャーやインタークーラー、ヘヴィデューティーナクランクシャフトやピストンが採用されている。トランスミッションは6速デュアルクラッチシーケンシャルと変わらないが、前後のディファレンシャルは変更されている。

上質なインテリア

インテリアもひねりが効いているが、外装ほどではない。より上質な素材が用いられており、外装で使われているゴールドのアクセントはインテリアにも反映されている。

標準とのもっとも大きな違いはイントゥルメントクラスターが取り払われた点で、その代わりにまるでレースカーのようなデジタルパネルが設置されている。

レーシングスタイルのバケットシートはレザーとアルカンターラで覆われ、いたるところでカーボンファイバーが用いられた、高級感あふれる華やかな仕立てになっている。

そして、外装からは想像もつかないが、標準から変わらずふたつのリアシートが設置されている。GT-Rのリアに乗るなど普通ありえないが、乗れば本当に特別に感じられる。

カリフォルニアの公道へ繰り出す

公道で値段のつけられないようなコンセプトカーを運転するのは、本当に恐ろしい。そしてホテル出るときに、クラッチを鳴らし、フロントスポイラーをこするという所業をなしてしまい、その恐ろしさを痛感することとなった。

その後、ありがたいことに、コミュニケーションマネージャーのニールがこの所業をしでかしたのはわたしたちが初めてでないことを教えてくれたため、ある程度安心してカリフォルニアのアゴウラヒルズに向かうことができた。

このクルマの重々しい感覚は標準モデルに類するもので、視界は当然二の次だ。しかし驚くべきことに、標準モデルよりも視界が良く、そのおかげか、アメリカンマッスルカーのような体躯にもかかわらず、特に大きいと感じることはなかった。全長は4.7m以下であることも効いているのだろう。

ニールは、われわれが運転している間、このクルマがどうやって誕生したかを語り続けた。イタルデザインの担当者は日産と2017年のジュネーブ・モーターショーで言葉を交わし、ついにはGT-Rと、1968年のビッザリーニ・マンタに始まるイタルデザイン設立を記念するというアイデアが出来上がっていったそうだ。

1億円超の価格に見合う?

GT-R50の四輪駆動システムは、ほとんどすべての市販車から妬まれるほどの安定性と駆動力を備えている。これがGT-Rのドライビングエクスペリエンスの要であり、驚くべき直線性能と、物理法則を無視したようなハンドリングが魅力なのだ。

新しいインストゥルメントパネルや、キャビン中の上質な雰囲気を通して、ドライバーにその魅力が伝わってくる。これで1億円越えの価格を正当化できるだろうか。できない可能性もあるが、このクルマはあまりにも貴重であり、正当化する必要すらないとも言える。

日産が採算を取るために、GT-R50はこのようなレベルの価格にならざるをえない。そういう意味では、アストン マーティンDB4 GTに似ていると言えるだろう。ほとんど他のクルマには用いられないような新しいツールやファブリックを採用し、たった50台だけを生産すると考えると、GT-R50が実際に生産に向けて検討されているのは本当に驚きだ。

だから、GT-R50の生産が決定し、たとえ驚くような価格だったとしても、それで利益はほとんどでないのだろうと思っている。今回の試乗から言えるのは、標準モデルよりも圧倒的にいいクルマというわけではないが、このクルマを手に入れられる幸運な50人は、間違いなく全世界のカーコレクターから妬まれることになるだろう。

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