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ニューモデル 2018.8.6

アストン マーティンDBSスーパーレジェーラ 初試乗 DB11との違いは

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もくじ

どんなクルマ?
ー なくてはならないモデルたち
ー 次の100年を見据えたモデル展開
どんな感じ?
ー V12の真の実力を発揮
ー DB11とのつながりを感じる車内
ー 812スーパーファストを凌駕する中間加速
ー すべての道を喜びに変えてくれる
「買い」か?
ー 幸せを運ぶアストン マーティン
スペック
ー アストン マーティンDBSスーパーレジェーラのスペック

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どんなクルマ?

なくてはならないモデルたち

フォルクスワーゲン・ゴルフが存在しない自動車市場とはどんなものだろうか。あるいはメルセデス・ベンツCクラスやポルシェ911、BMW 3リシーズにレンジローバーなども。とても寂しいものになってしまうだろう。

そのセグメントにおいてポジショニングを確立し、他に影響を与えるようなモデルの場合、もはや作り続けることは義務のように感じているエンジニアもいるだろう。まるで空気や水のように、無くてはならない存在として。

また自動車メーカーにとっても、それらの象徴的なモデルを更新し続けていくことこそ、企業としての責務のひとつに感じているはず。多くの車種が存在する自動車業界にとって、原型であり、水準であり、道標でもある、不可欠なモデルだと思う。

前置きが長くなったが、アストン マーティンのみが生み出すことができる、大きく、速く、美しく、ソウルフルでスポーティな魅力に溢れたGTクーペはどうだろう。偉大なメルセデス・ベンツとの提携を進めてはいるけれど。

今のところは、まだ、そこまでの存在とはいえないと思う。しかし、この12気筒エンジンを搭載した最新のフラッグシップモデルが、そうなり得る素質を持っていると、今回のDBSスーパーレジェーラを運転しながら感じた。これほどまでに、際だって素晴らしい仕上がりを得たモデルを運転したのは、初めてだったからだ。

次の100年を見据えたモデル展開

1913年に設立した、英国ゲイドンを拠点とするアストン マーティンは、2001年にオリジナルのヴァンキッシュをリリースして以来、大きく速く、パワフルなクーペを更新し続けている。この最新のDBSの以前には、2007年に登場したモデルがあるが、一時途絶え、ヴァンキッシュが間をつないだ。そもそもは、DB6の後継モデルだった。

近年のモデルを表す名称は、従来以上に系統立てられ、恒久性のようなものを感じる。新しいヴァンキッシュとDBSには、次の100年に向けたビジネスプランに伴う、進化の計画が存在するはずだ。

ヴァンキッシュは、フェラーリ488やマクラーレン720Sのライバルとなるために、アストン マーティン初のミドシップ・スーパーカーとして、2021年に生まれ変わることになっている。一方でDBSは、刺激的で寛大だったヴァンキッシュSに代わり、大きく速いグランドツーリング・クーペとしての立ち位置を、明確にしようとしている。

なぜ「スーパーレジェーラ」なのか。アストン マーティンのデザインディレクター、マレク・ライヒマンによれば「もし、フェラーリがV12エンジンを搭載したクーペを英語で表現するようなことがあれば、われわれも英語を用いるかもしれませんね」と話す。

どんな感じ?

V12の真の実力を発揮

スーパーレジェーラという言葉の選択は置いておいて、一般的には1.7tもあるクルマのことを「非常に軽量」だとは思えないだろう。しかし、今回は「ビッグ・アストン」DBS基準での、スーパーレジェーラ。ボディパネルの80%以上が、非常に軽量なカーボンファイバー・コンポジット製となる。

軽量なボディの内面は、次の100年を担うモデル、DB11やヴァンテージと同様の、アルミニウム製のプラットフォーム技術が隠れている。特にDB11との関連性は強く、ホイールベースは同値。また、DBSのサスペンションとステアリング機構も、異なるチューニングが施されているとはいえ、DB11と共通のもので、V型12気筒の5.2ℓツインターボエンジンも同じものだ。

しかしスポーティさを高めるために、DBSではトレッドは広げられ、21インチホイールにカーボンセラミック・ブレーキが標準装備されている。そして、ゲイドンはこのターボ過給されるV12の真の実力を発揮すべく、最高出力を725psに、最大トルクを91.4kg-mにまで高めた。この作業は、ECUのプログラム修正だけで済んだようだ。つまり、2016年にリリースされたDB11も、この力を秘めていたことになる。

加えてこのパワーアップに伴い、冷却システムの大容量化と、オートマティックの強化も必要となった。このトランスミッションは、これまでのアストン マーティンの生産モデルとして最も強力なものとなる。ZF社製の8速ATで、ヴァンテージと同様にリアタイヤ側に搭載される、トランスアクスル・レイアウトが採用された。

そして、ヴァンテージに採用さているeデフではなく、一般的な機械的リミテッドスリップデフを装備している。

DB11とのつながりを感じる車内

車内に乗り込んでみる。多くのオーナーは気にならないかもしれないが、DBSスーパーレジェーラのキャビンデザインは、わたしの主観としては、やや後退した印象を受けてしまう。

なぜかというと、アストン マーティンはヴァンテージのデザインで明確なテーマや目標を、モデルごとに示してきたから。そのため新しいDBSでも、今まで見たことのないようなダッシュボードのデザインを期待してしまうのだ。しかし実際は、DB11と同じデザインで、カラーや素材などが変更されている程度となっている。

ヴァンテージはもちろん、12万1000ポンド(1766万円)だが、DBSスーパーレジェーラはそうではない。柔らかな表情のマッスルカーで、特別仕立ての知的なエクステリアデザインを持つが、コクピットは、価格には不釣り合いな、明確に過剰な贅沢ささえ感じてしまう。

もしDB11のインテリアを自身の目で見たことがないのなら、どう感じるだろうか。DBSスーパーレジェーラのシートは明らかにDB11のシートよりも快適だと感じる反面、20万ポンド(2920万円)を超える価格の割に、一部では素材の質感が足りていない箇所も目につく。

それでは、2018年製の、20万ポンド(2920万円)のアストン マーティン製のスーパーGTに期待する、実際的な走りとはどんなものだろう。

812スーパーファストを凌駕する中間加速

フェラーリ812スーパーファストの場合は、脳しんとうを起こしそうな激しい加速力を持ち、80km/hから160km/hまでの加速は、4速でもわずか4.9秒。ただし、812はかなりギア比が低いことは忘れてはいけないけれど。ポルシェ911 GT2 RSの場合、同じ条件での加速は5.1秒となる。

新しいアストン マーティンの場合はどうかというと、チーフエンジニアのマット・ベッカーが教えてくれた数字は、なんと4.5秒。何しろ、91.4kg-mという極太のトルクをわずか1800rpmで発生させるのだ。中クラスのSUVに近い車重にはやや場違いにも思えるようなアルプスの山岳路でさえ、中低速域での加速は十二分に鋭い。もはや、爆発的な加速といえるほど、次元が違う。

DB11が発表された当時から、このエンジンはひとつのランドマーク的な存在になると考えてきた。感嘆の声が溢れるほど良い。奏でるサウンドは時にメロディアスで、時に魅力的な荒々しさと鋭さを持っている。アストン マーティンが特別に仕立てたエグゾーストは、低音と破裂音がやや過剰にも思えるが、正真正銘の音だと思う。

そして、3000rpm以下からレッドラインに向けての回転上昇も、楽しさに溢れている。5000rpm以上では、尋常ではないほどのエネルギーがほとばしり、7000rpmまでストレスなく吹け上がる。

少し残念なのが、トランスアクスル化されたギアボックス。マニュアルモードで変速をすると、ごく稀に、スムーズで滑らかな変速をしてくれない場面があるのだ。しかし、アストン マーティンは当面このトランスミッションを用いることになるだろう。

ただ、今後の100年を見据えて、アストン マーティンが技術面で尽力していることは疑いようがない。パワーステアリングにブレーキシステム、アダプティブダンパー、スタビリティコントロール・システムなどは、DB11の開発に着手して以来、改良を重ね、DBSスーパーレジェーラに搭載されている。

すべての道を喜びに変えてくれる

おかげで調整が煮詰められ、磨き込まれた動作を実現しており、パワフルなことによるドライビング体験と同じくらい、印象深い上質な味わいを生んでいる。

ステアリングの重さは適正で、ダイレクト感も丁度いい。驚くほど自然な挙動を示し、電動パワーステアリングを採用するどんなクルマよりも、路面からの感触は優れている。ブレーキペダルは剛性感があり、効きはじめの踏み心地が良いだけでなく、踏み込むに連れて漸進的に制動力が高まっていく。

このクルマの持つ柔軟性やスタビリティ、レスポンス、ボディコントロールなど、高次元で調和した印象は、表現が極めて難しいが、長距離を移動するグランドツアラーとしては重要な要素だと思う。このDBSスーパーレジェーラは、その稀有なベストバランスを実現している。

またDBSスーパーレジェーラのボディサイズは間違いなく大きいが、路上ではそれを感じさせない。正確性や向きを変える俊敏性などは、スポーツカーに期待するほどのレベル。タイトなコーナーに切り込んでいくと、優れたボディコントロールと確かなグリップ力にも気付かされる。

シャシーのバランスも高く、リアタイヤとリミテッドスリップデフとの関係性も素晴らしい。コーナリングの挙動を味わい深く、コントロール性の高いものにしている。腕利きのドライバーに限らず、どんなひとでも、スロットルステアを実感できるに違いない。

鋭いながらも奥行きも感じられるハンドリングレスポンスに、剛性感だけでなく、優れた減衰力を伴う柔軟なボデイコントロール。考え尽くされたクルマのダイナミクス性能の均衡点は、高速移動を叶えてくれるだけでなく、すべての道を運転する喜びに変えてくれる。

「買い」か?

幸せを運ぶアストン マーティン

アストン マーティンはDBSスーパーレジェーラで、幸せを運んできてくれた。これまで何十年にもわたって、世界的にも優れたグランドツアラーを作ってきたが、今回のクルマはベストといえる仕上がりだと思う。

もちろんわたしは、このクルマが独自のインフォテインメントシステムやワイパーコントロールを持っていないということも、認識している。それを踏まえても、ドライバビリティや洗練されたダイナミクス性能、クルマとのコミュニケーションなど、実用領域でのパフォーマンスにおいて、新しい水準を打ち立てたと感じる。

アストン マーティンは今後も多くの優れた業績を残し、今後数年間はライバルが横に並ぶことができないような、優れたクルマを作るはず。中には、幾つかの間違いもあるだろうし、モデルラインとして長く残らないクルマもあるだろう。

しかし、DBSスーパーレジェーラのような素晴らしい輝きを持ったクルマを作っている限り、自動車市場はいい方向に動き続けるに違いない。このクルマが、新しい時代の象徴的なモデルとして、深く歴史に刻まれることを、期待してやまないのだった。

アストン マーティンDBSスーパーレジェーラのスペック

■価格 22万5000ポンド(3285万円)
■全長×全幅×全高 4712×1968×1280mm
■最高速度 339km/h
■0-100km/h加速 3.4秒
■燃費 8.1km/ℓ
■CO2排出量 285g/km
■乾燥重量 1693kg
■パワートレイン V型12気筒5204ccツインターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 725ps/6500rpm
■最大トルク 91.4kg-m/1800-5000rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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(AUTOCAR JAPAN マット・ソーンダース)

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