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試乗 メルセデスCクラス フェイスリフトで魅力向上 2018年型ベストは?

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試乗 メルセデスCクラス フェイスリフトで魅力向上 2018年型ベストは?

もくじ

どんなクルマ?
ー 6500点もの部品を見直し
ー Sクラス譲りの安全装備も搭載
どんな感じ?
ー 1.5ℓツインスクロール・ターボ+48Vスターター・ジェネレーター
ー 経済的でも少し物足りないC200
「買い」か?
ー 説得力で勝るC300 ディーゼルも捨てがたい
スペック
ー メルセデス・ベンツC-Class C200 AMGラインのスペック

トヨタ・センチュリー新型 VIPの世界とは? 内装/価格/サイズ/燃費を解説

どんなクルマ?

6500点もの部品を見直し

Cクラスがフェイスリフトを受けた。

一言にフェイスリフトといっても、内容が軽微なものから、見た目は軽そうに見えて、実はかなり手が入ったものまで、幅広い。

4代目Cクラスが今回受けたフェイスリフトは後者。何しろ、クルマを構成するおよそ半分に当たる、6500点もの部品に手が加えられている。目的は、間もなく登場するG20系のBMW 3シリーズや、アップデートを受けるアウディA4との競争に備えるため。

アップデートされたクルマは7月頃に提供が開始される予定。ガソリンエンジンのC200では、マイルドハイブリッドとしてダウンサイジングされたエンジンと、ベルト駆動されるスターター・オルタネーターが搭載されていることがポイント。

254psを発生させるC300は、3ℓではなく、2ℓエンジンに換装。どちらのエンジンも、CLSにも積まれているモジュラーエンジンをベースとしている。エントリーモデルのマイルドハイブリッド化に伴い、9速ATが標準装備となる。

ディーゼルモデルのラインナップにも変更が加わり、2年前のEクラスから導入が始まった「OM654型」というエンジンが搭載される。旧型の冴えないフィーリングを考えると、これは朗報だと思う。C200dには160psを発生する1.6ℓ、C220dには193psを発生する2.0ℓの、ふたつのユニットを選択が可能。どちらのエンジンも旧型より20psほど力強くなっている。最もパワフルな193psのモデルには、4輪駆動「4マティック」をオプションで選ぶことも可能だ。

Sクラス譲りの安全装備も搭載

英国の場合、メルセデスが販売するクルマの20%はCクラスであることを考えると、ガソリンエンジン・モデルをプラグイン・ハイブリッド化したC300eや、ディーゼル版のC300deといったモデルも追ってリリースされるだろう。どちらも13.8kWh程度のバッテリーを搭載し、EVとしての走行距離は50km程度、最高出力は200ps程度と予想できるが、まだ詳しい情報は届いていない。

アピアランスは、バンパー周りのデザインに手が加えられたほか、魅力的な新しいカラーバリエーションも増やされたが、全体的なイメージは従来どおり。英国では、SEとスポーツ、AMGラインのグレードが設定され、外観上の違いは、主にグリル周り。少しリッチなタクシーから、小型版Sクラスとしてまで、幅広いニーズに対応する。

ヘッドライトには、新しくオプションでアダプティブ・マルチビームLEDを選択できるようになった。ちなみに、84灯もの小さなLEDで構成されている。

Sクラスに採用されている電子制御技術を導入することで、Cクラスも近い形での安全装備を搭載できている。周囲の車両を認識するカメラとレーダーシステムがアップデートされ、500m先までの状況を把握し、90m先までは立体的に認識できるという。

さらに、メルセデスがディストロニックと呼ぶ、アダプティブ・クルーズコントロールがナビゲーションシステムにもリンクし、ランナバウト(ロータリー交差点)やきついカーブに近づくと、スピードが抑制されるようにもなった。だたし、これは1695ポンド(25万円)のドライビング・アシスタンス・パッケージというオプションの機能となるが。

走りの変化はどの程度だろうか。

どんな感じ?

1.5ℓツインスクロール・ターボ+48Vスターター・ジェネレーター

車内は非常に心地よい空間だ。しかし、EクラスやSクラス、さらにはオプションながら、新しいAクラスにも採用されている、知的なデュアルスクリーンが備わらないことが真っ先に気付くところ。

それを補うためというべきか、オプションではあるものの、一般的なインストゥルメントパネルに収まる計器類はアナログ式ではなく、デジタルモニターに置き換わった。また、コマンド・インフォテインメントシステムのモニターは、10.3インチへと一回り大きくなっている。こちらもプレミアムパッケージのひとつで、2795ポンド(41万円)の追加費用が必要ではある。

ダッシュボードは基本的な構造自体には変更はないが、アビエントライトや新しいウォールナットやオーク材のインテリアトリムがお目見え。BMW 3シリーズの車内に見慣れたひとには、印象的でリッチな環境に感じられるだろう。一方で、合理的に装備類が整ったA4の環境と比べると、好き嫌いが分かれそうだし、スイッチ類のタッチなどは劣っている。

今回のテスト車両はC200。英国市場ではCクラスの大黒柱は恐らく220dとなるはずだが、このラインナップの中では面白いモデルのひとつだと思う。ボンネットの中には「M264型」として知られる優れたエンジンが、1.5ℓまでダウンサイジングされて搭載されているのだ。

このユニットにはツインスクロール・ターボが備わり、低回転域から豊かなトルクを発生させる。シリンダーのボア(内径)を小さくし、高い気密性を保ったまま、内部抵抗を減らしている。新しい手法ではないものの、賢い選択だといえる。さらに、ベルトドライブされるスターター・ジェネレーターを利用した、メルセデスEQブーストと呼ばれるマイルド・ハイブリッドを搭載。48Vの電圧で制御され、燃費を稼ぎつつ、2.0ℓエンジン相当のパフォーマンスを発揮させる。

スリーポインテッドスターとしては、ややにぎやかなザラついた音が気にはなるが、良くできたエンジンだといえる。

経済的でも少し物足りないC200

パワープラントは統合的に制御され、エコモードを選択すると、エンジンへの負荷がないコースティング時には、エンジンが完全に停止する。このシステムは、EVとして定速走行を可能としているわけではないが、高速道路などでの定速走行時など、まったくガソリンを使わない時間も少なくない。

スロットル操作に対してすぐにエンジンが起動するようになれば、より魅力的なシステムになると思う。メルセデスのことだから、年々リファインされていくはずだ。

また、このEQブーストは経済性に有利なだけではない。トルクの面でも多少は有利に働いており、ブースト圧がかかるまでの差を埋めるようにエンジンを補佐し、テンポ良いシフトアップを実現している。

搭載される9速ATの変速も、比較的穏やかな走行ペースなら賢く適正。走行ペースを上げても、やや感触が薄いものの、ステアリングのバランスや正確性は好印象なもの。ただし、エンジン音などのボリュームに対して、実際の加速感は緩慢に感じられる。

積極的にスピードに乗った走りを求めるなら、2.0ℓエンジンのC300を選択した方が良さそうだが、かといって両車ともドライバーズカーとはいいにくい。C300の最高出力は257psにまで高められているが、マイルドハイブリッドは搭載されておらず、燃費は14.6km/ℓに留まる。C200の燃費は15.6km/ℓとされているが、今回の試乗で、110km/hでのクルージング時には17.7km/ℓを記録した。

1km/ℓ程度の差だとはいえ、CO2排出量もそれなりに異なるから、環境や税金の面を気にするひとは、小さなエンジンを選択した方が賢明。19インチホイールは見た目が良いが、CO2排出量を増やしてしまうので、ご注意を。

標準のコンフォート・サスペンションを搭載しているCクラスの乗り心地は、充分滑らかで、ボディコントロールにも優れている。エアサスペンションの選択も可能となるが、特にスピードバンプが多く敷設されているエリアを走るひとは、よく考えて選択するべきオプションだと思う。高速道路中心の場合は、追加費用895ポンド(13万円)を払う価値はあるだろう。

「買い」か?

説得力で勝るC300 ディーゼルも捨てがたい

以前からCクラスの購入を検討しているのなら、フェイスリフトを受けたモデルは強みを増したと感じるはずはず。ただし、数カ月後には新しいBMW 3シリーズが登場する見込みで、アウディA4もフェイスリフトを受けるだろうから、その時点での印象はわからないけれど。

今回テストドライブしたC200のエンジンは、目立ちすぎずも上質な雰囲気を持ち、安楽なドライビングを提供してくれつつ、経済性にも優れている。排気量で税率が決まる日本のような国の場合は、魅力的に映るはず。でも、AUTOCARを熱心に読むようなクルマ好きには、燃費は二の次というひともいるだろう。

一方で燃費に関しては、最新のディーゼルエンジンの数値にまでは届いていないことも事実。BMW製のエンジンと比べると、Cクラスに搭載されているメルセデスのディーゼルエンジンは、依然ノイズが大きいとはいえ、従来よりは洗練性も柔軟性も増している。

もしガソリンエンジンが望みなら、C300が説得力で勝ると感じた。マイルドハイブリッドは、英国の場合、知的な新しもの好きには受けるかもしれないが、数は限られそうだ。

メルセデス・ベンツC-Class C200 AMGラインのスペック

■価格 3万6325ポンド(537万円)
■全長×全幅×全高 4686×1810×1442mm
■最高速度 234km/h
■0-100km/h加速 7.9秒
■燃費 15.6km/ℓ
■CO2排出量 151g/km
■乾燥重量 1490kg
■パワートレイン 直列4気筒1497ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 183ps/5800-6100rpm
■最大トルク 28.5kg-m/3000-4000rpm
■ギアボックス 9速AT

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