新型ボルボS60、スパイ写真がリーク 公開は夏 月額定額制導入も

もくじ

ー S60は米国産モデル　SPAプラットフォームを使用
ー スペックはXC60ゆずり　最高の安全性も
ー 上級移行も月額定額制導入　クロスカントリーは望み薄

S60は米国産モデル　SPAプラットフォームを使用

スウェーデンのウェブサイトに掲載された新型ボルボS60のスパイショットでは、S90セダンによく似たリアが確認できる。

この夏公開予定のBMW 3シリーズのライバルとなる新型S60は、米国サウスカロライナの新工場で生産されることになると、ボルボ・カーズCEOのホーカン・サムエルソンは明らかにしている。

ボルボから1枚のみ公開された公式画像により、S60のフロントマスクは最近発表されたV60エステートと同じであることが確認できる。これはV60に続いて今年中の発売が予定されている、このコンパクト・エグゼクティブ・サルーンに関する初めての画像となる。

サウスカロライナ州の新工場では、2018年後半からS60の生産を開始する予定だが、2016年に着工されたこの工場自体もいまだ建設中である。すべてのS60は、年間生産能力10万台のこの新工場で生産され、さらに次のXC90もこの工場から送り出されることになる。


V60とは異なり、S60はジュネーブ・モーターショーでは公開されず、その発表は後日となる予定である。ボルボでは具体的な日程については一切明らかにしていないが、撮影された開発車両の徹底的な偽装からも、公開は今後数カ月のうちだと予想されている。V60を含めた他の大型ボルボ同様、このモデルもスケーラブル・プロダクト・プラットフォーム（SPA）をベースとしている。

スペックはXC60ゆずり　最高の安全性も

S60の「万能型」エステート・モデルであるV60はジュネーブでの正式発表前に、ボスニアのサイトでサイドビューとリアのスタイリングに関するスパイ画像が公開されている。S60とV60のフロントマスクはほぼ同一のものとなるだろう。


徹底的な偽装が行われているものの、開発車両のスパイ画像でもV60のデザインは明らかだった。ボルボの前デザイン責任者であり、新たにポールスターのCEOとなったトーマス・インゲンラートの手による他の大型モデルとの明らかな共通点を確認することができる。

スペックはXC60ゆずりであり、エントリーレベルとしてのモメンタムと、トップモデルのR-デザイン・プロ、そしてインスクリプションが中間グレードとなる。エンジンタイプはV60同様、それぞれ150psと190psを発揮するD3とD4ユニットと、245psのT5ガソリンに、340psのプラグインハイブリッドのT6がトップモデルだ。ガソリンのT4エンジンは、モデルライフ後半での登場となる。

安全装備もXC60同等となることで、2019年初頭の発売時にはクラスで最も安全性の高いクルマとしてデビューすることになるだろう。XC60は昨年行われたユーロNCAPにおいて最も安全なクルマとして評価されており、全体スコアで95%を獲得している。現在ユーロNCAPが車両に課しているテストよりも先を行く安全装備がこのクルマには搭載されている。

上級移行も月額定額制導入　クロスカントリーは望み薄

S60のスタートプライスは、XC60のエントリーモデルとなる2.0 D4モメンタムよりも6000ポンド（91万円）安価な3万ポンド（455万円）と予想されている。これは先代モデルよりも5000ポンド（76万円）高となるが、ボルボが上級市場へ移行していることと、先代S60の生産期間が長きに渡ったことによるものだろう。一方で、XC90は、エントリーレベルのV90に対して1万3000ポンド（197万円）も高価なプライスタグを掲げている。

ボルボはXC40に対して、Care by Volvoという名のサブスクリプションプラン（月額定額制）を導入しているが、このプランはV60を含めたすべてのモデルへと適用されることになるだろう。


V60クロスカントリーの登場が確実視されている一方、S60クロスカントリーが復活することはなさそうだ。S60クロスカントリーは販売台数がわずか34台にまで落ち込んだあと、2016年に英国での販売が終了している。

サルーン・セグメントが減速するなかで、モデル末期となったボルボS60の販売も2015年以降で25%減少しており、英国における2017年の販売実績は1262台だった。これは昨年2956台を売り上げたV60の半分以下であり、1万6302台が新たなオーナーのもとへと旅立っていったミッドサイズSUVのXC60の10分の1以下に留まる。