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ニューモデル 2018.3.10

テスラ・モデルS シューティング・ブレーク製作の背景は クエスト社訪問

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もくじ

ー 偉大な着想はパブで始まる?
ー たんなる改造ではない
ー ディテールへの徹底したこだわり
ー ワゴンに変身した珍しいクルマ3台

    現地画像 BMW M8グランクーペ ジュネーブ・モーターショー

偉大な着想はパブで始まる?

すべての偉大な着想はパブで始まる。科学ではまだ解明できていない謎である。しかし、多くのひとが経験あることと思うが、エール(ビール)を4杯もひっかけると本当に頭が冴えてくるのだ。

たいていのひとの場合、この偉大なパブの着想はいつの間にか消えてしまうのだが、中には本当に素晴らしいものにつなげる者もいる。このページのテスラ・モデルSシューティング・ブレークの場合、話が始まったのはノーフォーク州ヘセル近くのバード・イン・ハンドというパブだった。

「思いついたのは、昼飯時に3人で一杯やりながら雑談していたときでした」とドリアン・ハインドマーシュはいう。このクルマを作ったコーチビルダー、クエストの専務である。「モデルS P90Dを買ったばかりのフィルが犬を載せる場所がないっていうんです。そこでジムがワゴンにすればいいと言ったんです。で、18カ月かかってようやくこのクルマが仕上がりました」

クエストの部長、フィル・ヘイトン。買ったばかりのモデルSをバラして世界初のバッテリー駆動シューティング・ブレークに作り替えることを許可した勇気ある男だ。彼はジムの話に乗った。6歳になるラブラドール、テッドを載せる場所が広くなるという理由で。40年のキャリアを持つ天才技術者ジム・ルーターがこの無謀なプロジェクトのリーダーになった。セダンを改造するなんて簡単さと自信満々だった。

もちろん、「当然ながら口で言うほど簡単なことではありませんでした」完成したクルマを見ながらルーターは説明する。

たんなる改造に終わらなかったことが、さらに話をおもしろくする。

たんなる改造ではない

われわれはいまクエストのデラハム工場にきている。「あとでまた使えるようにきちんと設計したんです。1回限りの改造ではなくてね。大変でしたが」と、ジャガーXJR-8のカーボンファイバー製タブとマクラーレンF1の1/8スケール模型の横に立って彼は言う。

以前、彼が重責を担ったプロジェクトの「記念品」である。「ただカットするだけではだめなのです。クラッシャブル・ゾーンが影響を受けないよう、すべての主要な構造材を取り外す必要がありました」

ルーターの本領発揮である。彼はマクラーレン、ロータス、そしてTWR(優勝したXJR-9をはじめとするジャガーのルマン・レーサーに関係した)で働き、さらにリバーシンプルでは新しい水素自動車のラサにも関与していた。だから、設計から製造までの工程をできる限りスムースに進めるためには、この第一段階がいかに重要であるか、ルーターにはよくわかっていた。

「まずクルマをカットして、それから考えるなんて会社もあります」とハインドマーシュは言う。「しかしわれわれは、まず最初にクルマをレーザー・スキャンし、それに基づいてジムがフル3Dのデジタル・モデルを作成したんです」

3つの案が作成された。

・テールゲートがDピラーで分割されるもの
・テールゲートが完全に分割されたもの
・そして今ここにあるもの

リアの部分が交換できる1/10スケールの模型が作成された。数週間一緒に作業することになるヘイトンの決裁を仰ぐためである。デザインが決定すると、チームはテスラに承認を貰いに行った。

ディテールへの徹底したこだわり

ハインドマーシュは、イーロン・マスクのブランドを「大いに参考にさせてもらった」といい、クラッシャブル・ゾーンの構造や電気系統には一切手を付けていないと説明する。

よって、引き伸ばされたリアセクションの裏にはオリジナルのCピラーがそのまま残っているが、スモークの入ったリア・ガラスによって目隠しされている。これを取り囲むボディ・パネルはすべてカーボンファイバー製だ。

今後の製品に使う基本素材はこれでいこうと創設者3人の意見が一致した。軽くて強いからだ。モデルSの場合、表面積が大きくなったにも関わらず、これによって車重を12kg削減することができた。

「できるだけ多くの新素材を調達しました」とハインドマーシュは言う。「既製品であるピルキントンのリアガラスは別として、このクルマに使った多くの部材は、すべてこのために製作したものです。しかし、これらの新しいパーツはすべてEマーク(欧州の規格証明書)を取得したので、いつでもまた使うことができるんです」

インテリアに使われているノーフォークの地元メーカーのファブリックにしても、キャビンの他の部分とまったく同じような感じだ。オリジナルと新しいファブリックの境目も見当たらない。

このシューティング・ブレークの荷室は225cmまで広がり、リアのヘッド・ルームは7.6cm高くなり、オプションでテスラの最後尾シートを取り付ければ(子どもではなくて)荷室に大人ふたりが乗ることができる。

しかも、この改造をした後でもドライビング・フィールは損なわれていないのだ。室内の騒音も増えていないし、乗り心地やコーナリングも普通のモデルSと全く同じ。特徴的な風景がにじむような加速感もそのままである。

もちろん、ひとつ違いはある。価格だ。ユーザーが自分のクルマをシューティング・ブレークに改造する費用は7万ポンド(1043万円)程度になりそう。モデルS75Dの新車より高い。しかし30台限定なので、これは実用性と同時に希少性を買うということだ。これに見合うクルマは滅多にない。

関心のある顧客の数も増えている。クエスト・チームはもちろん楽観的だ。「これは他人と違うことを望むひとたち、未来を先取りしたいひとたちのためのクルマなのです」とハインドマーシュは言う。「このクルマをナイツブリッジのガレージやノーフォークの田舎道で見かける姿が目に浮かびますよ」

ワゴンに変身した珍しいクルマ3台

ベントレー・コンチネンタルGTフライング・スター

ミラノのコーチビルダーであるトゥーリング・スーペルレッジェーラは、フライング・スターと呼ばれるベントレー・コンチネンタルGTをワゴンに改造した。2011年のことだ。

ツードアのボディに広くて使い勝手の良い荷室がエレガントに追加されている。エンジンはW12だけである。

マセラティ・クアトロポルテ・チンクェポルテ

イタリアの専門コーチビルダーであるスタジオMは、中東の富豪向けにマセラティ・クアトロポルテをワゴンに改造した。ルーフラインを延長したり、荷室を広げるために燃料タンクを移設したりと手間のかかる作業だった。製造は1台のみ。

アストン マーティン・ヴィラージュ・シューティング・ブレーク・ザガート

イタリアのコーチビルダーであるザガート・アテリエルは、英国アストン マーティンとの長いお付き合いを祝してアストン マーティン・ザガート・シューティング・ブレークを製作した。

DBSクーペ・ザガート・センテニアル、DB9スパイダー・ザガート・センテニアルに続く三部作の最後のクルマだ。

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(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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