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ミニ「1499 GT」試乗 「1275 GT」彷彿も、硬さ/力不足露呈

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ミニ「1499 GT」試乗 「1275 GT」彷彿も、硬さ/力不足露呈

もくじ

どんなクルマ?
ー 69年「1275 GT」が現在に

同じクルマ、違う名前 バッジ・エンジニアリングのクルマたち 前編

どんな感じ?
ー 「田舎道での1499 GTは良いところばかり」
ー 不満の根本「真のホットハッチ」ではないから

「買い」か?
ー フォード・フィエスタSTラインがある

スペック
ー ミニ1499 GTのスペック

どんなクルマ?

69年「1275 GT」が現在に

本題のミニ1499 GTに行く前に、ちょいと昔話をしておこう。

1969年のこと。見た目と性能のちょっといいミニが欲しければ、スポーツモデルと謳われた1275 GTに自然と目が向いたものだった。60psという程よいパワーの1275cc(従来のクーパーは998cc)エンジンで、0-97km/h加速を12.9秒でこなした快速バージョンだ。

それでも当時は十分「すげぇ」といえた。イギリスではクーパーSが1971年に販売を終えたが、1275 GTはそこまで速くはないが価格も維持費も保険料も安くついたので、マニアに受けたのもうなずける。

そして2018年のいま、新しい1499 GTで歴史は繰り返されたようだ。こちらのエンジンはベースのワンと変わらぬ102psの3気筒だが、スポーツモデルと謳われるのは同じ。

現行クーパーSほど速くはないが、やはり1万6990ポンド(254万円)の価格も、維持費も保険料も安い。先祖にならって「1499」のバッジが排気量を表す。ただこちらは限定車で、オックスフォードのラインから生産される台数の意味も合わせもつ。

「何だ、ミニ・ワンの横っ腹を『1499 GT』の金色ステッカーで飾りつけただけか」というのはまだ早い。

・ブラックアウトされた17インチアルミホイール
・スポーツサスペンション
・ダークリアウインドウ
・クリアウインカー も付く。

おまけに、ジョン・クーパー・ワークスさながらのボディパーツにスポーツシート、ステアリングホイールやバッジ類なども付く。

ツボを心得た、人をひきつける小型ハッチの仕立て方はさすがにお手のものだ。

乗ってみると、どうだろうか?

どんな感じ?

「田舎道での1499 GTは良いところばかり」

田舎道での1499 GTは良いところばかりだ。

スポーツサスペンションのお陰で、コーナリングはピタリと決まる。ロールはほとんど感じられず、シャシーがしっかり路面の上下についていくのもよくわかる。

軽い3気筒エンジンと速いステアリングギア比のおかげで、フロントの回頭性は高いしグリップもねばり強い。アンダーステアが顔を出すのはコーナー半ばでアクセルを踏みすぎてしまった時くらいだし、逆に右足を離せばすぐに予測も対処もやさしいオーバーステアだって起こせる。ひたすら楽しいハンドリングだ。

ただ3気筒エンジンはお世辞にも活発とはいえない。3500rpm以下に落とすと加速が鈍るので、ハイウェイでシフトダウンせずに追い越すのは時間がかかってしまう。6段MTを駆使すればカバーはできるが、これも毎日やっているとそのうち面倒くさくなるだろう。

固められたサスペンションも、第一印象はよくとも日増しに色あせるかもしれない。

不満の根本「真のホットハッチ」ではないから

固められたサスペンションも、第一印象はよくとも日増しに色あせるかもしれない。

速い流れの田舎道ではよいが、街中やハイウェイでは快適とはいいがたい。路面の不整は実際よりも体にこたえるし、ひどい舗装が続くと本当にこれだけ硬い必要があるのかと思いたくなる。

ジョン・クーパー・ワークスのスポーツシートも、ホールドはよいがこれまた硬い。本物のホットハッチならまだ許せるが、ベースグレードの仕立て直しでしかない1499 GTではパワーのなさが乗り心地の悪さを余計に際立たせてしまうのだ。

実用性を見てみよう。トランク容量は211ℓで、有力なスーパーミニ勢のほとんどに劣る。例えばフォード・フィエスタは292ℓだし、われわれ一押しのセアト・イビーザは355ℓだ。

後席へ乗り込むのは、3ドアで、しかもかさばるジョン・クーパー・ワークスのスポーツシートが邪魔をするので一仕事。やっと収まってもこんどは足元がおそろしく狭い。

だが、たとえスペースと実用性でフィエスタやイビーザに後れをとっても、デザインと質感はミニの勝ちだ。

「買い」か?

フォード・フィエスタSTラインがある

ミニ1499 GTの美点が多いことは言っておきたい。

ルックスは素敵だし、ハンドリングもいい。燃費だって欧州複合モードで20.4km/ℓというから、燃料をバカ食いする心配もない。

限定版の値打ちはあるし、しゃれたインテリアはフィエスタやフォルクスワーゲン・ポロなど相手にしない。乗り心地の硬ささえ覚悟できれば、気になるところなどないだろう。

とはいっても、運転が楽しくて、外観も魅力的で、維持費も安く、その上荒れた路面でも快適なスーパーミニはないものか。

そういう向きには、ミニほどの高級感はないがフォード・フィエスタSTラインがよい選択になる。

ミニ1499 GTのスペック

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