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東京モーターショーで話題のマツダ「SKYACTIV-X」はA/FならぬG/Fで制御する

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東京モーターショーで話題のマツダ「SKYACTIV-X」はA/FならぬG/Fで制御する

第45回 東京モーターショーのマツダ・ブース。そこには、話題の「SKYACTIV-X」エンジンが置かれていた。マツダが独自に生み出したSPCCI(火花点火制御圧縮着火)を実現する、まったく新しい燃焼コンセプトによる高効率ガソリンエンジンである。

ガソリンエンジンといっても、巨大なEGRクーラーや、高圧の燃料噴射を実現するコモンレールといった部分を見るとディーゼルエンジン的でもあり、マツダが「ガソリンとディーゼルの良いとこ取りをしたエンジン」というアピールは、その見た目からも直感的に納得できるところだ。もちろん、火花点火をきっかけに圧縮点火を行なうという燃焼コンセプトが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの中間的という意味もあるのだが。

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それにしても、クラッチ付きスーパーチャージャーで吸気量を増やし、大容量EGR(排気再循環)もするという「SKYACTIV-X」。吸気系レイアウトを眺めていると2系統が存在していることも見て取れる。しかも、かなりのリーンバーン(希薄燃焼)もしているというから、かなり複雑な制御が必要になるであろうことは容易に想像できる。

そこで、「SKYACTIV-X」の開発をリードしたというエンジニア、マツダ・パワートレイン開発本部の中村英二 本部長に、いくつかの疑問をぶつけてみた。そこで出てきたキーワードといえるのが『G/F』と『GPF』というよく似たアルファベットであった。

通常、ガソリンエンジンの燃料制御はA/F(エー・バイ・エフ=空燃比)を基本データとして使っていることが多い。つまり、燃焼後の排ガスに含まれる酸素濃度を調べることによって、適切な燃料噴射量を導いている。しかし、「SKYACTIV-X」はEGRをもスーパーチャージャーで押し込んでいるように見える。すなわち、通常のガソリンエンジンのようなA/Fベースでは燃料噴射を制御できないはずだ。

そこで出てくるのが第一のキーワード『G/F』である。フレッシュエアと再循環した排気をミックスしてシリンダーに送り込むことを前提に、ガス(吸気全体)の量を基本にとした燃料比を制御の基本としているのだという。もちろんG/Fセンサーなどというものはないから、様々なセンサーの値から演算して、G/Fを推定しているということで、このあたりもマツダ独自のノウハウが詰まっていることだろう。

そして、言葉の響きが似ているということで余談的に出てきた第二のキーワードが『GPF』。こちらはガソリン・パティキュレート・フィルターの略称。直噴ガソリンエンジンにおけるパティキュレートマター(微小粒子状物質)の排出を抑えるために、欧州では装着が求められている装置だ。もちろん、「SKYACTIV-X」にも『GPF』は備わっているということだが、その目的はテールパイプから出てくる排ガスの浄化だけではないのがポイント。

前述の通り、このエンジンではEGRを大量に押し込むたえめ、排ガスがスーパーチャージャーを通過することになる。その際、スーパーチャージャーの細部にパティキュレートマターが付着してしまうようなことになると、耐久性へ影響する。そこで、GPFなどを通した後の下流部分から排ガスを取り入れる(低圧EGR)ことにしているというだ。

(文:山本晋也)

【関連動画】Mazda : Next Generation Gasoline Engine SKYACTIV-X: SPCCI

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