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レクサスLC エグゼクティブのためのフラッグシップ・ラグジュアリー・クーペ

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レクサスLC エグゼクティブのためのフラッグシップ・ラグジュアリー・クーペ

2017年3月16日、レクサスはハイエンドのラグジュアリークーペ、「LC500」、「LC500h」を発売した。レクサスLCは2012年のデトロイト・モーターショーで「LCコンセプト」として出展され、4年後の2016年、同じくデトロイト・モーターショーでワールドプレミアし、いよいよグローバルで発売されることになった。

ハイエンド・ラグジュアリークーペ、「LC」は源流をたどれば往年のクーペ「ソアラ」でありレクサス「SC」だが、今回登場した新型LCは、レクサスのフラッグシップ・クーペという位置付けで、カテゴリー的にはD/Eセグメントの高性能クーペだ。

展開されるグレードは、LC500、LC500h ともにベースモデル、Lパッケージ、Sパッケージの3種類となる。

■デザイン
LC500/LC500hのデザインの原形、LF-LCコンセプトは2011年頃にカリフォルニア・デザイン・スタジオ(CALTY)でスタディが開始され、このコンセプトモデルのデザインを本社デザイン部で量産デザインに仕上げている。

世界の著名なクーペは、いずれもメーカーのアイデンティティを盛り込みながらエモーショナルなフォルムを生み出しているが、LCは唯一無二のデザインを目指して新たなチャレンジを行なったという。デザインテーマは「先進技術と大人の色気」だ。

先進技術を多用しながら、それらが強い主張をせず、大人の色気を感じさせる優雅さ、エレガンスさを表現した。LCのボンネット、フロントフェンダー部のラインはそのままAピラーからルーフラインに続く連続性を重視。低く長いノーズ、前後のショート・オーバーハング、スモール・キャビンのダイナミックな基本シルエットに、エモーショナルな曲面表現を盛り込んでいる。

インテリアは、ドライバーと同乗者がそれぞれ心地よさを追求したラグジュアリーなデザインとしている。もちろん、インテリアの作り込みでは素材の質感を生かし、非日常的な時間を実感でき、所有する喜びを感じることができる仕上げとしている。

■GA-Lプラットフォームとボディ
また、LCはレクサスのFRモデル用に新開発された「GA-L」プラットフォームを採用した第1弾となり、第2弾は新型LSとなる。

搭載されるパワーユニットは、LC500は5.0L V型8気筒の2UR-GSE型と新開発の10速AT。LC500hは3.5L V型6気筒の8GR-FXE型に、新開発のマルチステージ・ハイブリッド・トランスミッションが組み合わされる。

ボディサイズは、全長4770mm、全幅1920mm、全高1345mm、ホイールベース2870mmと堂々たるサイズの2ドア・クーペで、乗員は4名。車両重量はLC500がわずかに2000kgを切り、LC500hは2000kg。

新開発のGA-Lプラットフォームは、低重心、前後荷重配分の最適化による慣性モーメントの低減を目指したものだ。そのためエンジンをフロント・ミッドシップに配置。12Vバッテリーはラゲッジスペースの床下に配置するなど配慮している。またドライバーの着座位置も、より低く、重心位置に近づけている。そのためにコーナリング時のボディの旋回軸とドライバーの着座位置が近いため、ドライビングのオンザレール感覚が高められている。

ボディは、高張力鋼板を骨格部に採用し、軽量化のためにアルミ材、カーボン材を組み合わせた複合材構造を採用している。アルミ材はボンネット、フロントフェンダー、ドア外皮、バンパーサポート部に採用。カーボン材はドア・フレーム部、リヤのトランクリッド・フレームに使用している。さらにSパッケージ車はリーフもカーボン材を採用する。

またフロント・サスペンションのタワー部に他のプレミアムカーと同様のアルミ製を初採用している。そしてスチール部との結合にはセルフピアシング・リベットと接着剤を使用。このアルミ製タワーは微振動の吸収と剛性の向上を両立させる技術である。

■パワートレーン
V8型5.0Lの2UR-GSE型エンジンはレクサスIS F、RC F、GS FなどFシリーズにすでに搭載している自然吸気のハイパワーエンジンだが、吸排気系をさらにチューニングして出力アップを果たしている。エンジン制御としては、直噴、吸気マニホールド噴射によるデュアル噴射、軽負荷時にはアトキンソン・サイクル運転を採用した燃費と出力を両立させたエンジンだ。出力は477ps/540Nm。

LC500hに搭載されるハイブリッド用のエンジン8GR-FXE型は、新開発のアトキンソンサイクル・エンジンで、V8エンジンの2UR-GSEと同様に燃料噴射は直噴と吸気マニホールド噴射式のD4-Sとし、圧縮比は13.0だ。出力は299ps/356Nm。なお、ハイブリッド専用のエンジンながら、ハイオク仕様で、最高回転数は6600rpmと従来より600rpm高回転化され、出力をアップしている。

LC500、LC500hともにエンジンサウンドの演出にも配慮され、吸気を利用したサウンド・ジェネレーターを採用。さらに加速時にはマフラー部の排気バルブを切り替え、迫力あるエンジンサウンドを作り出している。

新開発の10速ATの変速比幅は8.2で、8速以上はオーバードライブとなるハイギヤードかつクロスレシオとしている。この新型トランスミッションは「ダイレクト・シフト」という名称が付けられている通り、変速速度を極限まで高め、変速速度はDレンジで0.2秒、Mレンジでは0.1秒を達成し、世界最速のATシフトが実現している。

また発進後はトルコンがロックアップされ、ダイレクトな走行フィーリングが得られる。さらに10速のメリットを活かし、100km/h巡航は1350rpmで、従来の8速ATより190rpmエンジン回転を低くくし、静粛性と低燃費を両立させている。

ハイブリッド用の新型ユニットは、「マルチステージ・ハイブリッド・トランスミッション」と呼ばれ、エンジン、モーターのトルクを増幅するために4速の変速ギヤユニットを一体化し、発進から最高速まで途切れのない加速が実現している。さらに10速ATと同等の疑似ステップ変速も採用しスポーツ性能を併せ持っている。

またこのユニットの変速にはドライバーの意図を読み取り、駆動トルクを制御するAIシフトを採用している。Dレンジでも加速意思が強い場合は積極的に自動シフトダウンし、ドライバーの意のままの加速を実現。

従来のシステムでは加速時にエンジン回転が先に上昇し、間を置いてから加速するフィーリングが、よりダイレクトな加速フィーリングに改良されている。さらにフル加速の場合はバッテリーの電力をモーターにより多く流し、加速アシスト量を増大させることで0-100km/h加速タイムはLC500のV8エンジンを上回るという。

そのためもあって、駆動用バッテリーは従来のニッケル水素バッテリーではなくリチウムイオン・バッテリーを採用している。なお駆動方式はLC500,LC500hともにFRのみとなっている。

■シャシー
最新のGA-Lプラットフォームの採用に合わせ、サスペンションも新開発されている。フロントはハイマウント式の4リンク・サスペンション。つまり上下のAアームはそれぞれが2個のジョイントを持ち、仮想キングピン軸を備えている。またフロントのアルミ製サブフレームは高い剛性を持ち、サスペンションの横力に対する変位を押さえ込んでいる。

リヤ・サスペンションもジオメトリーが改良されたマルチリンク式で、リンク類はアルミ製を採用。最適なジオメトリーにより安定性を高めるとともに、サスペンション全体でのフリクションを低減し乗り心地も改良している。

シャシーのチューニングは、「より鋭く、より優雅に」を合言葉に、ドライバーの意のままの走り、すっきりしたステアリングリーリングを目指している。そのためステアリングの切り始めの手応えや、操舵に応じたリニアな車体応答性、高いスタビリティ、しなやかな乗り心地など、すべて満足させるよう、入念にチューニングされているという。

ブレーキはフロントにアルミ製モノブロック対向6ポット・キャリパーを採用。また20インチ径のディスクローターもハット部がアルミの2ピース構造としている。リヤは対向4ポット・キャリパーを採用。

タイヤは標準がフロント245/45R20、リヤ275/40RF20のランフラット・タイヤだ。またSパッケージはフロント245/40RF21、リヤ275/35RF21で、21インチタイヤ以外にトルセンデフ、リヤ操舵&ギヤ比可変ステアリングなどを組み合わせたLDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリング)、自動昇降式のクティ部?・リヤウイング、カーボン製ルーフなどがセット装着される。

運転支援システムは、レクサス・セーフティシステム・プラスが標準装備される。機能的には全車速追従レーダークルーズコントロール、プリクラッシュブレーキ、操舵アシスト付きレーンキープアシスト、オートマチックハイビーム、リヤ・クロストラフィックアラート、車両接近警告システムなどだ。

新登場のLC500/LC500hは、単に高価格なラグジュアリークーペというだけではなく、レクサスにとっての新しいクルマ造りの試金石とも位置付けられる。そのため元町工場に、新たなLC専用ラインを新設し、選ばれた技能メンバーによりハンドメイドを行なうという新しいモノづくりが行なわれることになった。これはまさにLFAを製造した「LF工房」の拡張版である。


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