MotoGP第17戦オーストラリアGPの勝者であるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)は、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)を負かすために、彼の後ろにつけて“じっくりと料理した”と述べ、最終ラップの攻防へ向けた作戦だったと話した。
オーストラリアGPはフリー走行1~3、ウォームアップ、予選とビニャーレスが最速であり、レースウィークを通じて速さを見せてきた。だが、決勝レースでは先頭に立ってもマルケスを振り切ることができなかった。10周目にマルケスに食らいつかれると、そのまま最終ラップまでピタリと後ろに張り付かれてしまったのだ。
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そしてマルケスは最終ラップへ入る際、スリップストリームから抜け出してビニャーレスをパス。ビニャーレスがトップを奪い返すためにターン10でアタックをかけてくるが、彼はここで転倒してしまい、軍配はマルケスに上がった。
マルケスは長い間ビニャーレスの後ろで、オーバーテイクを仕掛けることもなく走行を続けていたが、彼曰く勝利に向けビニャーレスを“じっくりと料理”したのだという。
「レース開始前から、彼が相当プッシュするであろう最初の5~6周が極めて重要になると思っていた。彼は1分29秒台前半で走っていたけど、これは僕の予選タイムなんだ」
「それでも僕は彼についていくことができた。限界ギリギリだったけど、ついていけたんだ。プッシュしてそれをキープしていった」
「それから、じっくりと勝利に向けて料理し始め、タイヤの状態はどうなのかの分析を試みた。彼はかなり飛ばしていたから、状態は確実に100%ではなかったし、タイヤは僕ら両方が終わっていたんだ」
「だけど『オーケー、ストレートでオーバーテイクしてみよう。あそこなら小さいけどアドバンテージがある』と考えた。ただセクター2、3で彼は信じられないほど速かった」
「彼のバイクは常にラインにピッタリと乗っていて、僕はよりスライドしていた。だけどその2つのセクターを切り抜けた。それからセクター1と4は僕が彼よりも速かった」
こうした戦略をマルケスが採るシーンは、サンマリノGPやタイGPでも見られた。しかし当人としては好んでいるわけではないようだ。
「僕はこうした戦略はあまり好きじゃない。でもこれが唯一のチャンスで、時々そういったこともある」
「今日の最速ライダーはマーベリックだったよ」
「(サンマリノとタイに)とても似ている。今回、レース前の差はそれよりも大きかったかもしれない。でもそれらのサーキットはスリップストリーム(の効果)が感じやすかったし、より助けになった。それで違いが大きくなったんだと思う」
マルケスはそう語った。またレース中の出来事として、マルケスは10周目に先頭を行くビニャーレスを追うため、カル・クラッチロー(LCRホンダ)を非常にアグレッシブな動きで追い抜いていった。
マルケスは後にクラッチローへこうした動きを謝罪。クラッチローは問題ないとマルケスへ告げたという。
「彼にごめんと誤りに行ったよ。限界ギリギリだった。ただあの周にカルを追い抜けず、マーベリックにコンマ5秒の差をつけられたとしたら、レースは終わっていた……決定的な瞬間だったんだ」
「それが僕のしたことだ。僕は限界までプッシュし、カルをオーバーテイクした。ターゲットはマーベリックだったんだ」
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