MotoGP第15戦タイGPがタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで行われ、レプソル・ホンダのマルク・マルケスが優勝。最高峰クラス6度目のタイトル獲得を決めた。
舞台となるチャーン・インターナショナル・サーキットは晴天に恵まれ、気温31℃、路面温度50℃とまさに熱帯のコンディションとなった。
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マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)のタイトル獲得に王手がかかったレースだが、ランキング2位で、マルケスの戴冠を阻める可能性を持つアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)は、7番グリッドからのスタートとなった。
なおスタート前、ジャック・ミラー(プラマック)がスターティンググリッドにつく際にエンジンストールを起こしてしまい、ピットレーンからのスタートとなった。
26周のレース、まずはポールスタートのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハ)が良いスタートを見せてホールショットを奪った。またマルケスがマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)をかわして2番手にポジションを上げた。さらにドヴィツィオーゾもスタートを決め、一気に4番手に浮上。先頭集団を追った。
2周目には早くもマルケスが先頭を伺い、ターン3で前に出るが減速しきれずに膨らんでしまった。ただポジションは2番手を維持した。
その後、マルケスはクアルタラロの後ろにピタリとつけて周回。序盤のチャージ以降はクアルタラロを観察するような走りに努めていた。また先頭のクアルタラロ、マルケス、さらにビニャーレスの3人は早くも集団から抜け出しつつあり、ドヴィツィオーゾは1秒ほどのギャップをつけられてしまった。
クアルタラロとマルケスはレコードタイムを更新し合うハイペースで周回すると、このペースについていけない後続のドヴィツィオーゾに、8周目で既に5秒近い差をつけた。3番手のビニャーレスですら彼らについて突いていくことができず3秒差をつけられた。
クアルタラロはマルケスとの差は付かず離れずの0.5秒ほどを維持。だが、10周を過ぎるとマルケスが一気にギャップを縮めてテールトゥノーズ状態にまで接近。ただマルケスは仕掛ける素振りも見せず、クアルタラロの後ろで静かに走行を続けた。
マルケスは特にセクター1でクアルタラロとの差を詰めテールトゥノーズ状態に持っていくが、それでもまだオーバーテイクには動かない。
その裏ではアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)がマシントラブルによってリタイア。トップ10を走っていただけにショックは大きいか、ピットへ戻ったアレイシはがっくりと項垂れた。
トップのクアルタラロとマルケスはランデブー状態で周回を消化し、いよいよレースは残り5周となった。
マルケスは残り4周のターン3でついに動いた。ストレートでクアルタラロに並ぶとそのままオーバーテイクを仕掛けるが、オーバースピード気味で大回りになってしまい、ここはクアルタラロが先頭を守った。
残り3周、マルケスは前周と同じようにターン3で仕掛けようとするも、クアルタラロは先頭をキープ。レースは残り2周となり、マルケスはターン5からインを突こうという姿勢を見せるが、ここでも追い抜けずついに最終ラップを迎えた。
そしてターン3でバトルが大きく動いた。マルケスはクアルタラロの後ろにピタッとつけると、スリップストリームを得てスピードを乗せる。そしてターン3にアウト側から進入し、オーバーテイク。ついに先頭に立った。
追い越しを許したクアルタラロだが、彼も諦めずにマルケスの後ろにピタリと付ける。そして最終コーナー、クアルタラロは勝負に出た。
イン側のラインに入ったクアルタラロは、ブレーキングで前に出た。しかしマルケスはクロスラインで立ち上がり、クアルタラロの前でチェッカー。2019年シーズンのチャンピオン獲得を決めた。最高峰クラスでは6度目、通算で8度目のタイトルだ。
マルケスはコース脇にマシンを止めると、ビリヤードを使ったタイトル獲得パフォーマンスを披露。“8ボール”を手にしたマルケスは、大歓声に祝福された。
2位はクアルタラロ。サンマリノGPの再現のような敗北となり、またしても優勝を逃した悔しさを爆発させた。3位はビニャーレス。後半は持ち直しギャップを詰めたが、追いつくことはできなかった。
LCRホンダの中上貴晶は最終的に10位。14番グリッドから追い上げを見せた。
また明暗が別れたのはホルヘ・ロレンソだ。チームメイトが優勝でタイトル獲得を決める中、18位とポイント獲得もならなかった。
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